わくわくする製品を作りつつ利益も確保するのは簡単ではありません。実現のハードルは高く、一部の大企業にしかできないように思えます。しかし3つの法則を満たすことで、使いやすく、楽しく、利益も得られる優れた製品を作れることを発見しました。その法則とは、望ましいこと、現実的であること、実現可能であることです。詳しく紹介します。
法則1:望ましいこと
デザインはユーザー重視であり、人から始まります。ターゲットの心に響くデザインを作るには、彼らを理解しなければなりません。ユーザーが抱える問題の根っこを知り、それに対する解決策を提供するのですが、この部分でデザイナーとユーザーの間にギャップが生まれる可能性があります。デザイナーはユーザーと直接対話することを避け、想定だけで作った製品を押し付けがちです。さまざまなプロトタイプを作り、ユーザーが望む製品とは何か考えてください。
法則2:現実的であること
利益を生まない製品は、やがて消えていきます。製品に価値があると証明するには、成功の基準を明確に定め、その基準を達成し、利益を確保することが一番の近道です。何をもって成功とみなすのか、何を達成したいのか、あらかじめはっきりと決めておけば、おのずと集中すべき点も見えてきます。
法則3:実現可能であること
しっかりと動作するソリューションを提供する価値は、しばしば見過ごされがちです。どうしても技術的な面ばかり気にしてしまうのですが、それよりも、オペレーションと役者を考えることが重要です。役者とはユーザーが触れる部分を作るスタッフたちのことです。一歩下がって、スムーズな体験を作るのに必要なものを探してみましょう。役者たちとその仕事を見て、優れた体験をしっかり作れているのか確かめてください。製品を理解しないスタッフは、実現可能性をおびやかすリスクになりかねません。時間を取ってスタッフたちと話し合い、製品への理解を深めてください。
3つの法則はどれも簡単なものですが、労働力や時間、資金を集中すべき場所を示してくれます。機能の内容よりも、その機能がどういった結果をもたらすのか考えてください。そうすれば、わくわくする製品を利益を確保した上でユーザーに届けることができるでしょう。
※本記事は、Three Design Thinking principles to shape a great product.を翻訳・再構成したものです。