ユーザビリティテストを実施すると100以上の問題が結果として挙がってくるなんてことはよくあることですね。それらすべてを改善できればいうことないのですが、リソースには限りがあります。今回は、そんな悩みを解決するために、効率的なユーザビリティー向上のための優先順位設定方法を3つ紹介します。
まずはリストアップから
実際に優先順位を検討する前にまずはユーザビリティーを阻害している問題をリストアップする必要があります。その問題のカテゴリー、分析、解決の糸口といった項目をそれぞれの問題に紐づけして用意すると便利です。
3つの優先順位設定方法
1. スリークエスチョン
この手法では3つの質問を自問することによって、問題の重要度を判別できます。すべてYes/Noで回答することが出来て、その結果、Low、Medium、Serious、Criticalの重要度に分類されます。
1. その問題は重要な導線で発生するか?
2. その問題はユーザーが解決するのは難しいか?
3. その問題は根強いか?
これらの質問に対して、Yesの数が多ければ多い問題ほど改善の優先順位が上がっていきます(Critical)。シンプルですが、効果的な設問なので素早く、的確に問題の重要性を分類できます。
2. タスクコンプリーションシート
この手法はタスクを表に可視化して、問題を分類するアプローチです。
横軸にはそれぞれのタスク、縦軸にはテスターの参加状況を取ります。色に関しては以下のような説明になっています。
・緑色はテスターが問題なくタスクを遂行できていることを意味する
・黄色はテスターが外部の力を借りずに解決できる程度の小さな問題に直面したことを意味する
・赤色はテスターがタスクを完遂できなかったことを意味する
・グレーはテスターがタスクを開始できなかったことを意味する
このように色で分類することによって、どのタスクに対して多くのテスターが問題を持っていたか可視化することが出来ます。もちろん、赤やグレーが多かったタスクから優先的に解決していきます。
3. レインボースプレッドシート
この手法はタスクコンプリーションシートに似ていますが、タスクではなく問題をインプットとしています。繰りかえし行われるテストは違った色で表示されるので、カラフルな項目ほど継続的に問題が発生しているということになり、優先順位が高くなります。
このスプレッドシートはこちらでダウンロードできます。
さいごに
いかがでしたか? ユーザビリティ向上のための3つの手法をご紹介しました。
UXの問題を見つけ出すことはさほど難しいことではありません。成功のカギは限られたリソースをより効果的にあてがうことです。そうすればユーザビリティーを向上させ、よりユーザーが使いやすいシステムを作ることができるでしょう。
この記事は「How to prioritize usability issues」を翻訳・参考にしています。