2016年は多くのデザインツールが開発者向けツールと競争するといったエキサイティングな1年でした。
そんな中「Froont」というWebデザインツールの開発企業の創業者であるSandijs Ruluks氏が2016年のデザインツールの概況と2017年の予測をポストしていましたので、本稿ではその一部をご紹介します。
デザインツールに関する5つの予想
【1】デザインツール業界は厳しくなる
デザインツール業界全体が成熟しているという兆しが2016年に見られ始めました。
InVisionがMacaw、Silver Flows、Easee、Muzliなどの企業を買収し、Marvel appがPopを、GoogleがPixate、GalleryとStageを買収または買収の発表を行いました。Adobeもそれら企業に続こうとしている一方で、Figmaは面白いツールの自社開発に乗り出しています。
このような動きを見ていると、2017年は何か重苦しいことが起きそうですね。
(※編集註:一般的に大手数社による競合状況が激化すると、業界再編の動きとなることが多くあります)
【2】デザインアプローチの変化が起こる
かつてデザインとコードが一体化し、デザイナーがそれを実現すると期待された時もありましたが、現在はまだそこまでには至っていません。しかし、プロトタイプツールの登場がそれを可能にするかもしれません。
すべての画面とデザインを担当するのは簡単ではなく、デザイナーは本番環境で何かあった時に責任を取りたくないと考える傾向がプロトタイプツール登場の背景にあります。
【3】よりよいワークフローが確立される
現在上記の問題を解決する1つのツールは存在せず、いくつかのツールの組み合わせることで解決が可能になっている状況です。The Sketchがよい例ですが、チームでの仕事、顧客へのフィードバック、デザインの成果物および将来の改善事項などを1つのワークフローで実現しています。
Githubのようなバージョン管理やチームでの意見交換・調整といった機能が現在開発中です。
【4】実際のデータを活用したデザイン
実際のデータを活用したデザインという希望が2016年に現れました。これができれば、開発が始まる前に問題に気付いたり、よりよい意思決定を行うことが可能になるでしょう。
【5】コンテンツの重要度が上がる
様々なデバイスおよび画面におけるデザインは、多くのレイアウトの制限をもたらします。ここで強調しておきたいのは、あくまでコンテンツが重要ということです。内容、写真、イラスト、デザインにもっと注力しましょう。そうすることで、コンテンツの整合性が取れて、Webページ、アプリケーション、ブログ、SNSでコンテンツが生き残ることが重要だという認識が広まるからです。
2017年に向けての希望
Sketchがいいスタートを切り、PhotoshopはUIにより注力し、FigmaはSketchを追い越し、Subformが参戦と競争が激しくなってきました。こういった競争は進化をもたらすので、何が起こったか、そして何が起こらなかったかに注意して、動向を見ていくことが重要です。
(※本稿は「The state of design tools in 2017」を翻訳・再編集したものです)