ある雑誌編集部にインターンとしてやって来たライラは、その企業の代表と面接する機会を得ました。長年の夢が叶うかもしれないと興奮するライラは、万全の準備を整え面談に望みました。ノート、ペン、カメラ、聞きたいことのメモに加え、スマートフォンに入れていたボイスレコーダーアプリも忘れずに更新しました。
面談が始まり、ライラはレコーダーの録音ボタンを押し、必死にメモを取りながら面談をこなしました。面談を無事に終えたライラですが、スマートフォンの画面を見て真っ青になります。レコーダーは最新のアップデートで「録音開始には長押しが必要」という新機能を搭載していたのです。
このライラは架空の人物ですが、話自体は実際にあったものです。このストーリーで、私はユーザビリティテストの重要性を再確認するに至りました。
ユーザビリティテストが重要な理由
適切な手法、タイミング、スタッフでテストを行えば、製品のミスを防ぎ、時間や資金を節約できます。早い段階でテストを行うと、製品の修正に必要な時間や金額が小さくなります。成熟した製品をテストすれば、ユーザがタスク完遂に必要な時間などがわかるでしょう。
ユーザビリティテストを行う理由は大きく5つ挙げられます。
- 1.製品がユーザーの期待に応えられているか確認する
- 2.実際の使われ方からビジネス上の決定を行う
- 3.製品の問題点を取り除く
- 4.どれだけのユーザーがタスクに成功しているか分析する
- 5.ユーザーの反応やフィードバックを得るのに役立つ
テストに必要な人数は?
テストを行うには、参加者を集めなくてはなりません。その人数についてはさまざまな見解があるため、2つの意見を引用させてもらいます。
「入念なユーザビリティテストはリソースの無駄です。優れた結果を出すならば、参加者は5人以下にとどめ、小さなテストをできるだけ多く行うのが良いのです。」ジェイコブ・ニールセン氏
「テストの参加者は5人で十分だというのが、広く知られた認識です。ある研究で、60人の参加者から無作為に5人を選択し、テスト結果に漏れがないかを調べました。その結果、いくつかの5人グループは問題の99%を発見しましたが、他のグループは55%しか見つけられませんでした。グループを10人に増やすと、最も成績の低かったグループでも問題の80%を見つけ、グループを20人にすれば95%を見つけられました。」ローラ・フォルクナー氏
テスト計画はどう作る?
実際にユーザビリティテストを行う場合には、どのように計画すればいいのでしょう?ポイントは、一度で全てを見つけようとしないことです。
次の3点を考慮に入れておくと、効果的なテストが行えます。
- 1.集中すべきエリアを決定しておく
- 2.ユーザビリティにおける潜在的な問題点を想定しておく
- 3.どのタスクについてテストするのかを決めておく
いかがでしたか?ユーザビリティテストは、製品の問題点を修正するのに欠かせません。適切に行えば、リソースの節約にもつながります。優れた製品を作るには、必須のプロセスと言えるでしょう。
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※本記事はWhy is it important to do usability testingを翻訳・再構成したものです。