Webサイトは、もはやブランドにとっての単なる付加機能ではありません。ブランドの存在感やアイデンティティを定義する、無くてはならないパズルのピースとなっています。以前は、Webサイトを持っているだけで、競合他社よりも優位に立つことができました。すべての企業がWebサイトを開設する余裕があったわけではなかったからです。
しかし現在では、毎日何千ものWebサイトが公開されています。競争が激化する中で、誰もがサイトを作成できるようになりました。そのため、他社に差をつけたいのであれば、機能的でSEOに強いWebサイトを持つ必要があります。SEO(検索エンジン最適化)により、Google、Yahoo、Bingなどの人気検索エンジンでWebサイトの順位を上げることができます。
優れたSEO対策の重要な側面は、UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上です。ユーザーエクスペリエンスとは、サイトを訪れた訪問者の体験や旅路(ページ移動)のことです。訪問者がサービスを利用するかしないか、あるいはWebサイトがどれだけ魅力的かという選択に直接影響します。
ユーザーエンゲージメント(顧客とのつながり)の向上に注力しているWebサイト構築者は、コンバージョン率も高くなります。UXとSEOは、訪問者に最高の情報と体験を提供するために連携しています。SEO対策はWebサイトへのトラフィックの誘導に役立ち、UXはそのトラフィックをコンバージョンにつなげるのに役立ちます。ここでは、WebサイトのSEOを向上させるUXのヒントをご紹介します。
1. モバイルの利便性を高める
デスクトップPCよりもスマートフォンでインターネットを閲覧する人が大幅に増えていることは、もはや最近のニュースとは言えません。スマートフォンやタブレットは、人々がより長い時間、より便利にインターネットを利用するための身近なテクノロジーです。そのため、Webサイトはこれらの異なるデバイスに対応し、どのデバイスからアクセスする訪問者にも常に良い体験を提供できるようにしなければなりません。
モバイルでWebサイトを閲覧する場合、デスクトップで閲覧するのとは必ずしも同じ感覚ではありません。画面はよりコンパクトになり、ユーザーは移動しながら情報を見ています。そのため、モバイルフレンドリーで瞬時に読み込まれるWebサイトを作る必要があります。
2. CTAを活用する
視聴者を長時間ページに留めておくために、WebサイトにCTA(行動喚起)を設置しましょう。このボタンは、訪問者にインタラクションの機会を提供します。これによりエンゲージメントが生まれ、より良い体験を提供することで訪問者の注意力をより長く維持することができます。また、CTAは、訪問者を最初のステップから次のステップへと導くナビゲーションの手がかりとしても機能します。
あなたのサイトを訪れた訪問者が、提示された情報を読んだとします。読んだ内容が気に入り、興味を持ったものの、次のステップに進む方法がわかりません。CTAを戦略的に訪問者の目が追うような適切な場所に配置すると、「詳細はこちら」や「お申し込みはこちら」に導かれて次のページに進みます。これにより、サイトの直帰率を下げることができ、WebサイトのSEOを向上させることができます。
3. SEOに配慮したデザインを取り入れる
UXとSEOを共存させるためには、まずデザインに注目しましょう。デザイン性とSEO対策のバランスが取れたWebサイトを作る必要があります。そのためには、検索エンジンがクロールしやすいサイトを作らなければなりません。検索エンジンは、あなたの情報をインデックスするために、あなたのWebサイトをクロールします。これができないと、顧客予備軍がサービスや製品を検索したときに、検索結果にあなたのWebサイトが表示されなくなってしまいます。
検索エンジンがWebサイトをクロールしやすくする方法のひとつは、コンテンツにタイトルタグを追加することです。これにより、クローラーがWebページやWebサイト全体の状況を把握しやすくなります。また、SEOに適したデザイン要素として、ナビゲーションを追加することも重要です。ナビゲーションは、検索エンジンがWebサイトをクロールしてインデックスを作成するのを容易にする、機能的で分かりやすいツールとして役立ちます。
4. 質の高いコンテンツの作成に注力する
コンテンツは、Webサイトの要です。ブランドの理念やサービスを訪問者に伝えるのに役立ちます。コンテンツが充実しているブランドは、他のブランドよりも訪問者を納得させることができ、同時に検索エンジンからも最も信頼できる情報源として評価されます。コンテンツの作成には、様々な形式があります。ブログ、動画、電子書籍、さらにはインフォグラフィックも可能です。サイト上で様々なコンテンツフォーマットを使用して、様々なコンテンツスタイルを可能にし、視聴者の関心をより長く維持できるようにすることが賢明です。コンテンツは、より多くのトラフィックをサイトに誘導するため、サイトのSEO活動に有益です。
人々があなたのニッチでトピックについての情報を検索し、あなたのブログや動画、投稿が検索エンジンの1ページ目にランクインすると、人々はそれに反応します。彼らがクリックすると、あなたのWebサイトから情報を吸収し、そのトピックについて詳しく知ることになります。この後、あなたのWebサイトは彼らに信頼され、もっとチェックされるようになります。このようにして、UXとSEOの両方を向上させることができるのです。
5. イメージタグを利用する
一般的に、サイトにアクセスしたとき、ネットが最高のパフォーマンスで動作していないと、Webサイトは断片的にしか読み込まれません(特に、サイトで遅延読み込みを有効にしている場合)。この場合、訪問者の興味を引くための情報を提供するために、文章やその他の要素が優先的に読み込まれるため、画像の読み込みに時間がかかることがあります。しかし、画像の代わりに何もない空白があると、訪問者は混乱してしまいます。画像が読み込まれるまで、そこに何があるか、わからないのです。そして、サイトが完全に読み込まれるまで、誰もが忍耐強く待ってくれるわけではありません。
画像タグは、画像が正しく読み込まれるまで、その場所に読み込まれるべき画像の短い詳細説明を提供するのに役立ちます。これで、読者は空白部分の文脈や関連性を理解することができます。このタグはまた、検索エンジンが画像を理解し、ブログのテキストとの関連性を理解するのにも役立ちます。これにより、検索結果でのパフォーマンスが向上すると同時に、読者のユーザーエクスペリエンスも向上します。
6. ページ表示速度の向上
検索エンジンで上位にランクインし、ユーザーがリンクをクリックしてWebサイトを訪れたとしても、ページそのものを閲覧するまでにはもう一つのテストがあります。ページ表示速度を考慮しなければなりません。これは検索エンジンにとっても、ユーザーにとっても重要な要素です。あなたのサーバーが応答するまで数秒待たされたら、その人は検索エンジンに戻って他のリンクをクリックし、探しているものを見つけてしまう可能性が高いでしょう。 最近では、モバイルサイトの読み込み速度も検索エンジンのランキング要素となっていますので、特に注意が必要です。
7. セキュリティバッジを表示する
Webサイトのセキュリティは、ユーザーエクスペリエンスにおいて重要な役割を果たします。安全性が正当に保証されていることで、ユーザーの信頼を得ることができます。これは、電子商取引のサイトではより重要です。ユーザーは、銀行口座の詳細や個人情報など、非常に機密性の高い情報を入力する必要があります。堅牢なサイトセキュリティを提供していれば、訪問者にとってより良いユーザーブラウジング体験を保証することができます。
また、セキュリティバッジを表示することで、安全性に対する取り組みを再確認してもらうことができ、検索エンジンからも安全なWebサイトとして認識してもらうことができます。これにより、ユーザーにとってリスクが高く安全性の低い決済ゲートウェイを持つサイトよりも、自動的に優位に立つことができます。
8. Webサイトの構造をシンプルにする
サイトの構造とは、サイト内のページをどのように配置するかということです。サイトの構造が快適で分かりやすければ、Googleがページを見つけやすく、インデックスを付けやすくなります。これにより、オーソリティの高いページから低いページへのリンクジュースの受け渡しが可能になります。また、すべてのページがトップページから4クリック以上離れていないことを確認する必要があります。これにより、ユーザーが混乱することなく、あなたのWebサイトをナビゲートすることができます。
9. サイトのコンテンツの読みやすさを優先する
Webサイトのデザイナーは、Webサイトの美しさだけにとらわれず、読みやすさやわかりやすさの重要性を認識する必要があります。文字の大きさや間隔、コンテンツの量などは、読みやすさに大きく影響します。訪問者がコンテンツに興味を持ち、コンバージョンの意思決定をするためには、Webページの内容を理解する必要があります。そのためには、コンテンツを読みやすくすることがデザイナーの義務です。
また、ページによって必要なコンテンツの量が異なることも理解しておく必要があります。ブログページは、SEO対策を施した長文コンテンツを掲載するのに適していますが、販売促進を目的としたページでは同じアプローチを取ることはできません。セールスページに多くのコンテンツを追加すると、人々を遠ざけてしまいます。セールスページのコンテンツは、簡潔で、より良い表現で、説得力のあるものでなければなりません。
10. より良いメタディスクリプションを書くことに注力する
メタディスクリプションは、SEOに欠かせないもので、検索エンジンがあなたのサイトの目的やコンテンツの意味を理解するのに役立ちます。また、Googleの様々なリンクを閲覧している人が、あなたのWebサイトとその内容をよりよく理解するのにも役立ちます。説得力のあるメタディスクリプションを書くことで、クリック率の向上につながります。
ユーザーに、探している正確な答えをあなたのリンクが持っている、と確信させることができれば、たとえそれが検索ランキングの1ページ目の3番目や4番目の位置にあったとしても、あなたのリンクをクリックするでしょう。メタディスクリプションには、必ず関連するキーワードを含めるべきです。また、300文字という制限を賢く利用して、訪問者予備軍にとって魅力的な宣伝文句を作成する必要があります。
11. ビジュアルを最適化する
SEOは、テキストだけでなく、Webサイトの他の多くの要素に影響を与えます。その逆もまた然りです。様々な種類のビジュアルは、ページランキング、ひいてはWebサイト全体のランキングを向上させる上で重要な役割を果たします。そのためには、高品質の写真や動画をサイト全体に配置することが必要です。しかし、高解像度のメディアだけを優先すると、Webサイトのスペースが増え、読み込み時間にも影響します。これでは、検索エンジンのランキングを上げることはできません。
そのため、これらの高解像度メディアファイルをSEOに最適化し、品質とサイズの適切なバランスを見つけることが不可欠になります。同様に、新しいWebサイトを立ち上げる際に、まだ必要なサービスがあるとします。その場合、完成してから完全に追加するのではなく、「Coming Soon」のページをWebサイトに設けた方が良いでしょう。Webサイト上のすべてのメディアは、Webサイトの意図を反映し、それらの間に何らかの相乗効果をもたらすものでなければなりません。
12. ソーシャルメディアボタンをデザインの一部にする
最近では、ほとんどのサイトでソーシャルメディアでの共有オプションが必須となっています。視聴者が自分のソーシャルメディアでコンテンツを簡単に共有できるようにすると、エンゲージメントが高まります。これにより、あなたのサイトに戻ってくる口コミによるアクセスの範囲が広がります。ソーシャルメディアボタンをサイト内の関連ページに設置し、Webサイトの一部のように見えるように配置しましょう。
13. JavaScriptの負荷を減らす
WebサイトのすべてのページでJavaScriptを使いすぎると、検索エンジンでの上位表示の可能性に影響します。Webサイトを公開すると、クローラーはインデックスされたコンテンツを深く調べ、SERPリストにインデックスされるようにスキャンします。JavaScriptを多用していると、クローリングの問題が発生し、インデックス作成に失敗することがあります。そのため、Webページをシンプルに保ち、JavaScriptの負荷を減らすことで、検索順位をより早く向上させることができます。
以上が、あなたのWebサイトのSEOを向上させるUXの13のヒントです。この提案をあなたのWebサイトのデザインにぜひ取り入れてください。検索エンジンでのランキングを上げるのに役立ちますし、訪問者にとっては、よりアクセスしやすく、親しみやすいWebサイトになります。訪問者は、あなたのサイトを閲覧する時間を楽しみ、何のためらいも障害もなく関連情報を見つけることができるでしょう。初めて訪れた人に優れたユーザーエクスペリエンスを提供し、ユーザーの意図に沿うことができれば、リピーターになってくれるでしょう。そうすれば、あなたのサイトに安定したトラフィックがもたらされるのです。