新しいレポートによると、デジタルビデオはデスクトップ、モバイル、ノンリニアTVなどのあらゆる場所で消費者と関わる重要な手段として広告主の間で普及しています。
IAB Video Advertising Spend Reportは350社のマーケティング担当者や代理店の意思決定者にインタビューを行いました。その調査結果は有力なソーシャルメディアプラットフォーム以外のフォーマットやチャンネルを模索することに熱心なバイヤー間でのビデオ広告への注目を感じさせます。
ODVとATVの急成長
重要なトレンドは、企業や代理店によるビデオ広告への支出が増え続けており、2019年には1,780万ドルに達したことです。これは2018年から25%の増加です。
レポートによるとすべての分野で成長しています。メディア&エンターテインメント、ファッション/アパレルなどの主要セクターでは、昨年からそれぞれ75%と45%の大幅な増加が見られました。
オリジナルデジタルビデオ(ODV)はこの成長を牽引しています。2018年から2019年の間に31%増加しました。いまやデジタルビデオの売上の約半分(52%)がODVによるものです。
これに加えて、アドバンストTV(ATV:Addressable Linear TV、Connected TV、Over-the-Top TVなどの従来のリニアテレビの外部で配信されるビデオ)も広告主の間で投資が伸びています。広告購入者の59%が今後12か月間でATVの支出を増やそうと考えていると答えています。
ビデオコンテンツが配信される場所
今年のビデオにとって大きな節目となるのは、モバイルによるアクセスがデスクトップによるものと同レベルになるという点です。
2019年、広告主が予算の一部をモバイルに移行し続けているため、モバイルビデオとデスクトップビデオはデジタルビデオの中でそれぞれ31%を占めています。
チャネルに関して、IABのデータではデジタルビデオが提供されているWebサイトや出版社の種類がかなり異なっています。
ソーシャルメディアサイトにわずかな優位性があり、ビデオの予算の22%を占めています。オンラインテレビ番組(18%)とニュースサイト(14%)がそれに続いています。
動画広告フォーマットの詳細
レポートによるとデジタルビデオの予算は、アプリ内・アウトストリーム・インストリームの各形態に均等に分散されています。
このデータは6秒広告、縦型広告、ストーリーのすべてが半数以上の回答者によって購入されているという新しい広告フォーマットの人気の高まりを浮き彫りにしています。マーケティング担当者はショッピング可能な広告やインタラクティブ広告などの双方向的にユーザーを誘える形式を使用するようになっています。
ネイティブ広告も流行しています。広告主の52%が、過去1年間にネイティブ広告への支出を増やしたと答えています。さらにレポートによると広告主のビデオ広告の購入は自動化されています。2019年には半分以上の動画広告が機械的に購入されると予測しています。
その他の調査結果
この包括的なレポートは他にも注目すべき傾向を強調しています。
・Direct to Consumer(DTC)ブランドは、デジタルビデオにもっと投資することを計画しています。Facebookのような有名なソーシャルメディアサイトと同じくらい多くをパブリッシャーサイト(CNS、Condeなど)に割り当てます。
・インフルエンサーは広告バイヤーの間で人気があり、70%が使用しており、さらに9%が今後12ヵ月以内に使用する予定です。
・マルチプラットフォームの購入ソリューションは、マーケティング担当者の間で好まれています。10人中8人以上の広告主がデジタルとテレビの統一購入ソリューションが重要であることに同意しています。
学ぶべき教訓
IAB Video Advertising Spend Reportは広告主の間で動画広告の価値と機会、そしてそれに続くチャネルが注目されている点を強調しています。
増え続けるネイティブ形式および対話形式のフォーマットにより、マーケティング担当者はアプリ内およびオンラインのさまざまなパブリッシャーサイト同様に様々なデバイスで消費者と関わるための多くの選択肢を得られます。
ATVの人気とマルチプラットフォームの購入ソリューションも注目に値します。消費者はチャネル間でのメッセージの一貫性を期待していますが、スマートテレビからアプリ内ビデオまでのすべてのデジタルコンテキストは、ビデオコンテンツが正しく配信されるようにするために独自の仕組みを必要とします。
広告主はこれらのアプローチに検討する必要があります。特にチャネル、コンテキスト、フォーマットは多様化し続けています。