AIを搭載したロボットによる接客が話題になっていますが、一方で一般生活の女性からはそうしたロボット接客に対して、ちょっと厳しい意見が上がっているようです。
人材会社iDA(アイ・ディ・アクセス)が20 代~40代の女性801人を対象に行った「ファッションに関するアンケート調査」によると、アパレルショップでのロボット接客の利用に対する一般女性の反応は、上図となりました。
なんと「利用したくない」と答えた回答者が7割ほど。
また回答者の年代別に見ても、
「利用したくない」と回答した女性は、比較的新しいテクノロジーへの順応が高そうな若年層の20代女性(70.8%)が最多となりました。
その理由として挙がっているのは、
全体では「客それぞれに合う対応は人間にしかできない(39.3%)」で最多でしたが、上図の年代別で見ると「20代女性」がその次に多く挙げた理由が「人間に相談がしたい(31.2%)」。
同社はこの結果を、「まだ接客は機械より人間のほうが良い、という考え方が主流」であり、また「高額な商品などは特に、機械ではなく人間によるコンサルテーティブな接客を基本」とすることを指摘しています。
つまりこれらの結果を踏まえると、消費者は単に最適な商品を選んでいるのではなく、販売員とのコミュニケーションもショッピングの一環として消費していることがうかがわれます。
確かにいくら高機能なAIを搭載したロボットでも「このお客さんは本当は腹の中で購入意思が固まっているんだけど、誰かから背中を押してくれる一言を待っている」のような消費者の「機微」の部分にうまく触れられるかは、ちょっと疑問……。
そこで仮に「そちらの服よりも、こちらの服のほうがあなたにお似合いです」という「的確な」アドバイスでも飛ばしてしまうと、そのお客さんは何も買わず帰ってしまうかもしれませんね……。
一方で、「利用したい」と回答した層に目を向けてみると、
「気を遣わなくていい」という回答が最多となりました。
こちらはこちらで欲しくもない商品を「こちらの商品も合わせていかがですか?」と営業される煩わしさを経験した方なら、頷いてしまう結果ではないでしょうか。
いずれにせよ、今回の7割程度がアパレルショップでのロボット接客にネガティブな意見を持っているというのは無視できない数字です。
かつて「カリスマ店員」なる存在がスポットを浴びていましたが、この存在が象徴するようにファッションはショップ店員がもつキャラクターやスタイルに惹かれる部分も少なからずありそうです。
今後AIがこのあたりの「微妙なところ」をどう織り込めるかは課題となりそうですが、今回の結果は言われてみれば納得……な調査結果となったのではないでしょうか。
【調査概要】
1. 調査の方法…株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
2. 調査の対象…全国の20~49歳の有職者※女性801人を対象に実施
3. 有効回答数…801人(20代女性267人、30代女性267人、40代女性267人)
4. 調査実施日…2016 年6月17日(金)~ 19日(日)
調査レポート全文