レポートツールとは、さまざまなソースから多種多様なデータを取得し、チャートやテーブルといった視覚的なフォーマットに変換するシステムです。より簡単に言えば、生のデータを知識に変換するためのツールです。
このレポートツールは、さまざまな業界やビジネス環境においてますます不可欠なものとなってきています。意味のあるレポートを作成できるだけでなく、意思決定やビジネス・インテリジェンス機能も備えたものもあります。
この記事では、ビジネスのリアルな状況をビジュアル化するのにぴったりなレポートツールをいくつかご紹介します。財務やマーケティング報告のプラットフォームから高度なレポート機能を備えたビジネス・インテリジェンス向けのものまで、あらゆる種類のツールを網羅しています。
SolarWinds Security Event Manager
良い点
・ITセキュリティリスクの問題とシステムの健全性のトラッキング
・自動脅威検出と諸問題への対応
・フィルタリング機能とソート機能:ログの絞り込みの際に威力を発揮
・ログファイルの保管場所を提供
悪い点
・一部のログがうまく解析されない
・ダッシュボードやレポートの読み込みが比較的遅い
最適な用途:コンプライアンスレポートやフォレンジック分析
価格: 2,600ドルから|30日間の無料トライアルあり
Solar Winds Security Event Managerは、何万ものソースからログ・データを収集し相関させることができるソフトウェアです。このソフトウェアは監査機関向けに特別に設計されており、インフラ全体のあらゆるソースから、リアルタイムのログ分析とクロスイベントの相関関係を行います。
このツールを使えば、ポリシー違反や脅威の検出が容易になり、ITコンプライアンスのレポートを効率化することができます。HIPAA、NERC CIP、SOX、PCI DSSなど、外部および内部の規制コンプライアンスに対応した複数のデザインテンプレートがあらかじめ用意されています。
レポートコンソールを活用することで、それぞれのユーザに合わせたカスタムレポートを作成することができます。また、定期的にレポートを生成するオプションもあります。各レポートは、さまざまなフォーマットで印刷またはエクスポートすることが可能です。
全体として、このツールはすべてのアプリケーション・サーバーを1つのメンテナンスの傘下に置くのに役立ちます。
ThoughtSpot
良い点
・インタラクティブなダッシュボードの作成
・自然言語によるクエリの作成
・細かなユーザーアクセスコントロール
・クロスソース分析とどこでもドリル機能を提供
・優れた顧客サービス
悪い点
・定期収入用ダッシュボードのサンプルがない
・クラウドオプションが非常に高価
最適な用途: AIによる隠れたインサイトの発見
価格: データ容量に応じて250GB単位で購入可能|30日間の無料トライアルあり
ThoughtSpotは、事実に基づいたレポートを作成するための最新のアナリティクス・クラウドソフトウェアです。人工知能と自然言語処理技術を活用して、クラウドデータのエコシステムから価値ある情報を見つけ出すことができます。
このツールは、変化するパターンやトレンドを常に監視しています。数十億行のデータを分析する能力を持ち、ビジネスを改善するための異常やチャンスを迅速に検出します。
特定の権限を持つメンバーのみがレポートを閲覧できるようにするために、ThoughtSpotでは特定の行や列、インテリジェンスのセクションにアクセスできるメンバーを厳密にコントロールすることができます。また、表示される検索候補を規制するように設定することもできます。
Walmart、Workato、BT、Royal Bank of Canada、Daimlerなどの多くの大企業が、ThoughtSpotを用いて従業員や顧客がデータを活用できるようにしています。
Zoho Analytics
良い点
・視覚化オプションの豊富さ
・フィルターを適用して基礎データを表示
・タイプと関連するビューによるレポート分割機能
・グーグルスプレッドシートとの相性が良い
悪い点
・ダッシュボードの設定に時間がかかる
最適な用途:様々なソースからのデータを統合し、意味のあるレポートを作成する場合
価格: 月額30ドルから|14日間の無料トライアルあり
Zoho Analyticsは、大量の生データを実用的なレポートやダッシュボードに変換することができる、セルフサービスのビジネス・インテリジェンスおよびデータ分析ソフトウェアです。さまざまなソースからデータを抽出しブレンドすることで、分野横断的なレポートを作成することができます。
Zohoは、主要なビジネス指標の追跡や異常値の特定、隠れたインサイトの発見、長期的なトレンドの確認などに役立てることができます。ZohoにはZiaというAIアシスタントが搭載されており、自然言語で質問をするとレポートの形で回答を得ることができます。また、過去のデータをもとにトレンドを予測することも可能です。
Zohoのモバイルアプリケーションを使えば、リモートでのデータ追跡や同僚とのコラボレーションを簡単に行うことができます。このアプリケーションはまた、何億行ものデータを解析し、モバイル・アナリティクス・ダッシュボードを作成することができます。
このように、Zohoでは重要なデータにリアルタイムにアクセスすることができます。これにより、チームがより良い意思決定を行い、脅威や機会に迅速に対応してビジネスをより成長させることにつながります。
Supermetrics
良い点
・Google Sheets、Excel、Azure、Amazon S3との連携の良さ
・豊富なデザインテンプレート
・顧客とのレポート共有が簡単
悪い点
・カスタマーサポートが悪い
・クエリの作成には少し学習が必要
最適な用途:デジタルマーケティング会社が複数のソースからデータを統合する場合
価格: 月額40ドルから|14日間の無料トライアルあり
データビジュアライゼーションツールでダッシュボードを作成したい。ドキュメントで本格的な数値計算をしたい。マーケティングデータを単一のプラットフォームに移行したい。…そんな方におすすめのツールがSupermetricsです。データの保存先を選択するだけで、すぐに使い始めることができます。
Supermetricsは、一般的に必要とされるあらゆるメトリクスとディメンションをサポートし、分析やストレージプラットフォームを提供します。PPCツール、ソーシャル分析、ウェブサイト分析、EコマースやSEOツールのデータをまとめることが可能です。
データをアップロードするだけで、すぐにフィルタリングや整理を始めることができます。数字を見て、何がうまくいっていて何がうまくいっていないのかを判断し、最適化に取りかかることができます。
このプラットフォームは、現在世界中で400人以上のマーケターに利用されています。例えばそのトップクライアントとして、Accenture、BisLenz、Nestle、15000Cubits、Dentsuなどが知られています。
Whatagraph
良い点
・操作が簡単
・カスタムデータの追加
・インタラクティブなグラフの作成
・すぐに使えるテンプレート
・顧客にレポートを自動配信
悪い点
・レポート作成時にバグが発生する可能性がある
・機能の割には価格が高い
最適な用途: デジタルエージェンシーでのマーケティングレポートの作成
価格: 月額120ドルから|7日間の無料トライアルあり
Whatagraphは、マーケティング担当者が様々なチャネルのキャンペーン結果を簡単に追跡できるように設計されています。様々なチャネルやキャンペーンのパフォーマンスを正確にモニターし、すべて1つのダッシュボード内で比較することができます。
このプラットフォームは、Google Ads、Facebook、Instagram、Twitter、LinkedIn Ads、YouTube、MailChimp、Microsoft Ads、Google Ad Manager、TikTok Ads、Semrushなど、20以上の一般的なソースとの統合をサポートされています。複数のソースからデータをインポートして、意味のある情報を抽出することができます。
このツールの最大の特徴は、数分でマーケティングパフォーマンスレポートを作成できることです。あらかじめデザインされたテンプレートが豊富に用意されているので、ゼロから始める必要はありません。もちろん、ウィジェットを追加、変更、削除して、思い通りのレポートを作成することができます。
カスタムドメインやロゴを追加することで、顧客専用のレポートを作成することができます。さらに、このカスタマイズされたレポートを定期的にクライアントに自動的に送信することもできます。こうすることで、クライアントは何度も問い合わせる必要なくいつでもレポートにアクセスすることができます。
Knime
良い点
・操作が簡単
・特定のワークフローステップの分離と修正が容易
・様々な機械学習フレームワークや手法を統合できる
・CoreNLPやOpenNLPのようなテキスト解析オプションがある
・クロスプラットフォームの相互運用性が高い
悪い点
・学習コストが高い
・UIが煩雑
最適な用途: データサイエンスのワークフローを本番環境に導入する場合
価格: 年額14,500ドルから|無料版あり
KNIME(Konstanz Information Minerの略)は、オープンソースのデータ分析・レポート作成ツールです。ビジネス・インテリジェンス・リソースとしても利用できますが、特に予測分析を用いたデータサイエンス・ワークフローを構成するために設計されています。
このツールの大きな利点は、視覚的なデータフローを作成できることです。分析のステップを選択的に実行し、インタラクティブなビューで出力を確認することができます。KNIMEのコアバージョンには、何百ものモジュールがすでに組み込まれています。これらのモジュールは、テキストマイニング、イメージマイニング、時系列分析などのために構築されています。
KNIMEを使えば、人工知能や機械学習を簡単に活用することができます。例えば、ロジスティック回帰、深層学習、ツリーベースの手法を用いて、分類、回帰、クラスタリングなどの機械学習モデルを構築することができます。
データの可視化には、古典的なグラフ(散布図、棒グラフ)と高度なグラフ(ネットワークグラフ、ヒートマップ、平行座標)の両方が用意されています。これらはすべて、顧客の要望に応じてカスタマイズすることができます。レポートが完成したら、PowerPointやPDFでダウンロードしたり、一般的なファイル形式やデータベースに保存したりすることができます。
Cyfe
良い点
・データの同期が高速
・レポートとウィジェットアラートが自動化されている
・統計データの色別で表示することが可能
・予算重視ユーザーに優しい価格設定
・すべてのプランでデータのエクスポートが無制限
悪い点
・文字での説明が少なく、分かりにくい
・ウィジェットの個別設定がない
最適な用途: 高度な分析を行い、具体的なインサイトを得たい場合
価格: 月額29ドルから|14日間の無料トライアルあり
Cyfeは、ビジネスデータのモニタリングと分析を行うためのオールインワン・ソリューションツールです。メール、広告、ソーシャルメディア、財務、販売、ウェブ解析の各アカウントからデータを引き出すことができます。
このプラットフォームは、Google Ads、Salesforce、Mailchimp、Twitter Ads、Microsoft Adsなど、100以上のサービスと連携しています。
ダッシュボードの設定は非常に簡単です。使いたいダッシュボードのテンプレートを探し、データと接続し、KPIのモニタリングを開始するだけ。5分で完了します。 全く異なるサービスから得られた関連性のない測定基準を突き合わせて、新たに意味のあるインサイトを生み出すことができます。
SMSやメールによるアラートを設定しておけば、デスクトップから離れていても重要な指標をモニタリングすることができます。また、Cyfeは詳細なカスタマイズやホワイトラベルオプションにより、ビジネスデータの柔軟で安全に共有することができます。権限のあるメンバーが、レポートをJPEG、PNG、CSV、およびPDF形式でダウンロードできます。
Wrike
良い点
・直感的なUI
・プロジェクトのタイムラインやガントチャートの作成
・プロジェクトの進捗状況のスナップショットとレポート
・優れたドキュメントと自社のヘルプセンター
悪い点
・大量のデータを扱うアカウントでは、時折ラグが発生する
最適な用途: 高度な分析を行い、具体的なインサイトを得たい場合
価格: 無料版あり(タスク制限つき)
Wrike Analyzeは、ビジネスの状況のより良い理解や上層部にデータを提示するために、重要度の高いKPIに関する詳細な分析や強力なビジュアライゼーション・レポートを構築できる、素晴らしいツールです。
タスク関連のデータは分かりやすいインフォグラフィックで表示されるように設計されています。データを視覚的に表現する方法は15以上も用意されており、ピボットテーブル、カレンダーヒートマップ、円グラフ、ピボットテーブルなど、最適な方法でデータを表示することができます。
チャートは一定期間ごとに最新のデータで自動的に更新されるので、毎回新しい情報を引き出したり、レポートを作り直す必要はありません。
プロジェクトやフォルダごと、タイムスタンプ、タスクの種類などのパラメータに基づいたフィルタをデータに適用できます。また、よりカスタマイズ性の高いダッシュボードを作成するために、フィールドを追加したりデータ変換の数式を記述するオプションが用意されています。
Google Data Studio
良い点
・ほぼすべてのデータソースに接続可能
・リアルタイムのデータ統合が可能
・高速かつ信頼性が高い
・レポートの共有が容易
・他のGoogleサービスとのシームレスな統合
悪い点
・データ統合オプションが少ない
最適な用途:大規模データの視覚化と共有
価格: 無料
Google Data Studioは、企業向けのGoogle Analytics 360スイートに含まれているサービスです。Google Ads、Bing、LinkedIn、MySQL、Facebookなど、ほぼすべての主要なソースからデータを取得し、自在にカスタマイズ可能なデータレポートに変換することができます。
このツールを使えば、SQLクエリを作成したり複雑なコードを書いたりすることなく、あらゆるデータを思い通りにフィルタリング、結合、探索、変換することができます。ドラッグ&ドロップでチャートやグラフを作成したり、画像や図形を追加したりできるだけでなく、ダイナミックコントロールを挿入したり、ロゴや色などの細かい要素を必要に応じてカスタマイズすることができます。
レポートへのアクセス権を個人またはグループに付与し、表示または編集の権限を与えることができます。権限を与えられたメンバー(従業員または顧客)は、ダッシュボード上で編集や共同作業を行うことができ、変更をリアルタイムで確認することができます。
このツールは、ウェブパブリッシャーやアプリ開発者にとって非常に有用です。ユーザがウェブサイトやアプリをどのように操作しているかを理解し、製品のマーケティングや成長のための潜在的なギャップを特定するのに役立ちます。
<その他のレポートツール>
DashThis
複雑な機能のないデジタルマーケティングレポートツールをお探しなら、このDashThisがお勧めです。34以上の接続された統合機能とカスタムデータマネージャにより、すべてのデータとKPIをすぐに利用することができます。
DashThisでは、デジタルマーケティングレポートの配信を自動化することで、作業時間を短縮しています。さらに興味深いのはその料金体系です。どのプランを選択しても、無制限のデータソースと無制限のユーザーにアクセスできます。必要なダッシュボードの数だけ課金されるのです。初心者であれば、3つのダッシュボードを設定すると月額39ドルになります。
SAP Crystal Reports
SAP Crystal Reportsではほぼすべてのデータソースが利用可能であり、ウェブやモバイルアプリを用いて、オンラインでもオフラインでアクセスできる、インタラクティブな情報に変えることができるツールです。
ピクセル単位の完璧な請求書、明細書、販売・業務レポート、プロモーションキャンペーン、ロイヤリティカードのレポートを作成し、効率的に共有することができます。レポートの表示、更新、エクスポート、印刷などの権限を設定することで、セキュリティ設定を行うこともできます。
Yellowfin
Yellowfinは、アクションベースのダッシュボードと業界をリードする自動分析やデータストーリーテリングを効果的に融合さたツールです。マーケティング担当者、データアナリスト、および開発者のニーズに応え、データに関して行動するためのユニークな方法をユーザに提供します。
主な機能としては、予測分析、オンライン分析処理、インタラクティブなレポート作成、標準ロールとカスタムロールをサポートするユーザープロファイル管理などがあります。Yellowfinは、どのブラウザからでも、またデスクトップやスマートフォンのアプリからでもアクセス可能です。
IBM Cognos Analytics
Cognos Analyticsは、発見から運用までといった分析サイクル全体をサポートするビジネス・インテリジェンス・プラットフォームです。よりスマートなセルフサービス機能を提供することで、インサイトを正確に把握しそれに基づいて行動することができます。
ビジネス全体で起こっていることを示すだけの従来の分析ソリューションとは異なり、IBM Cognos Analyticsは人工知能を使ってインサイトを得て、なぜそれが起こったのかを解明します。このツールを使えば、高度な分析とデータサイエンスを日常業務に取り入れ、情報に基づいた意思決定を行い、成長の機会をつかむことができます。
<よくある質問>
Q. レポーティングツールにはどんな種類がありますか?
A. レポーティングツールは、主に5つのグループに分類されます。
・セルフサービスツール:社内の情報をもとに自分でレポートを作成
・可視化ツール:チャートやマップを使ってデータを意味のある形で表示
・アプリケーション・パフォーマンス・ツール:アプリケーションのパフォーマンスや、最も収益を上げているユーザーなど、ビジネスの成長に役立つ同様のパラメータを表示
・ビジネス・インテリジェンス・ツール:社内外のシステムから膨大な量の非構造化データを収集し、処理することが可能。ビジネスの状況に関する詳細な情報をユーザーに提供し、十分な情報に基づいた意思決定を行うのに役立つ
・データサイエンスツール:データの抽出、操作、前処理、予測の生成が可能。詳細な分析を行うためには、追加の統計ツールや短いスクリプトが必要になることが多い
Q. レポートツールを使用するメリットは何ですか?
A. レポートツールを使うと、現在の市場における自社のビジネスの真の地位を構想することができます。リアルタイムのデータを活用して、重要なビジネス上の意思決定を容易に行うことができます。その他にも、高度なレポートツールやビジュアライゼーションツールが生成するデータを愛用する理由はたくさんあります。
・ビジネスの健康状態の把握
・絶えず変化する仕事量を管理し、マーケティングに集中
・将来計画の戦略化
・「もしもの時」のシナリオの作成
・従業員や顧客との重要な情報の共有
Q. レポーティングツールを選ぶ際の注意点とは?
A. 最適なレポーティングツールを選択するためには、まず自分のビジネスの目標を把握し、どのような情報やレポートが将来的に役立つのかを確認する必要があります。
一般的に、優れたレポートツールには、数多くの高度なチャートやグラフ、あらかじめデザインされたテンプレート、短い間隔で自動的に(接続されたソースから)データを抽出する機能が備わっています。
レポート作成ツールにおけるもう一つの重要な点はカスタマイズ性です。画一的なレポートしか作成できないツールでは、デザインが限られているため使い勝手が悪くなります。本格的に特定のツールに投資する前に、少なくとも1週間は試用してみることをお勧めします。ほとんどすべてのレポーティング・プラットフォームでは、無料のトライアルが提供されています。