今や当たり前のようにサイトでオークションが開かれていますが、実際にそれが流行ってきたのはここ10年ほどの出来事です。それはいったいなぜでしょうか?この質問に明確に答えられる専門家なんていないでしょう。それほどまでに我々の生活に浸透しているオークションですが、今回は、eBayスタイルのオークションサイトを自力で立ち上げたい、というあなたに耳寄りの情報をご紹介したいと思います。
今回は、次の内容を順番に説明していきます。
1.未開拓分野とメイン顧客
2.eBayの欠点と使い方
3.プロジェクトにふさわしいオークションタイプ
4.技術面(どこから着手すべきか)
5.サイトの開発コスト
中古品、中古車・・・何を販売するか?
1995年、eBayにはまだ競争相手がいませんでした。サイト内では、簡単にユーザーの好みをチェックすることが出来たのです。第一段階では、進行中のプロジェクトに対して様々な改善がなされ、第二段階でもさらに修正が加わりました。”顧客”を厳選したことで、eBayは売り手にも買い手にも人気のある、巨大なプラットフォームへと成長したのです。
しかし、現状は大きく変化しました。Amazon、Etsy、Craigslist、Rakuten、eBidなど、少なくとも10社以上の競合他社が出現したのです。中小規模の関連会社も、多数進出してきました。eBayのようなオークションサイトを立ち上げようと思ったら、損益を防ぐためにも、物事を正しく処理した後に競合相手のリサーチは欠かせません。
参入するビジネス分野が決まっているのであれば、今すぐ競合相手のリサーチに専念しましょう。
1.どんなビジネスモデルを提唱しているか?
2.どんなサイトがサポートされているか?
3.どんな顧客をターゲットとしているか?
4.どんなデザインやインターフェースがユーザーに好まれて/嫌われているか?
そして、プロジェクトに対する投資にも目を向けましょう。人気がはっきり数字に表れているのであれば、マーケットに進出する良いタイミングでです。過去数年で投資価格が下落しているようであれば、他のプロジェクトに方向転換した方がいいかもしれません。
サポート不足、高額な手数料・・・eBayに対するユーザーの不満とは?
オンラインオークションの先駆けであるeBayの人気と成功には、知識が必要不可欠です。しかし、それだけで完成するわけではありません。eBayの欠点を見直しし、今後のプロジェクトに活かすことが重要です。サイト立ち上げ時によく起こりがちな問題点をいくつか挙げておきます。
1.高額な手数料
eBayでは、委員会を通じて売り手にチャージが課せられます。有名なサイトゆえに、その手数料も高額になってしまうのです。
・月の投稿リストが50を超えた場合、リスト一つにつき35セント
・リストの更新(文章の編集、タイトルの変更、写真やカテゴリの追加など)は別途料金が発生
・他社サイト(1〜5%)に対し、eBayのチャージ額は合計10〜15%
2.配達サービスがないこと
Amazonには売り手のための保管倉庫や商品配達サービスがありますが、eBay は単に売り手と買い手を結びつけるだけで、金銭取引の面倒しか見てくれません。
3.売り手だけの優遇対応
eBayが贔屓にしているのは、サイトにとって有益な存在である売り手と広告主のみです。同時に、買い手に対しては強い偏見さえ持っています。
・最新技術や情報によるサポート
・虚偽のレビューやPRには一切のサービスなし
・怪しい場合は顧客側を支持
横暴な取引や粗雑な商品の取り扱いであった場合、買い手の損失を防ぐために、売り手の収益を回収するケースはよくあります。
4.激しい競争率
eBayは、他社サイトが閉口してしまうほど大量の売り手を抱える巨大なオークションサイトです。では、どうやったら新規顧客を獲得出来るでしょうか?一つの方法としては、価格の面で諦めることです。他社サイトはすでに、少しでも利益を上げるために価格を大幅に削っています。
5.顧客との連絡制限
eBayでは、売り手と買い手の連絡回数が制限されています。また連絡することが出来るのは買い手のみで、売り手はそれに返事をすることしか出来ません。外部での取引も禁止されています。マーケティングポリシーに基づくと、これは非常に不便です。購入してくれた顧客に対し、類似商品をアプローチする機会がゼロになってしまいます。
以上の欠点を今後のサイトに活かすには・・・
1.プロジェクト立ち上げの際は手数料を最小限に押さえ、サイトの人気が高まってきたところで徐々に引き上げましょう。最初はリスト数の制限を解除しておいた方が、顧客に商品を紹介する機会もグンと上がります。
2.配達サービスに頼らなくても、その土地で調達出来るものであれば広い場所に倉庫を構えることは可能です。オークションサイトのために商品の価値や将来性を調査しておくことはとても重要です。
3.会員の権利保護のためにも、第三者も含め公平で中立なルールを設けてください。
4.立ち上げ初期は、まだサイトには競合相手は存在しないと思います。しかし、新規の売り手がマーケットに参入した場合のサイトポリシーをあらかじめ考えておいた方が良さそうです。例えば、サービスや売り手が保険に入っていれば、新規顧客が違反をしたとしても保証を受けることが出来ます。当然ながら、有料の保証です。
5.売り手と買い手の取引でトラブルが起きた場合、解決策は二つあります。一つは、以前の顧客と連絡がとれる有料オプションのご案内です。もう一つは、ユーザーが個々で直接取引をしなくても連絡がとれる巨大な広告マーケティングを紹介することです。
これらはみな、eBayの短所から学ぶいくつかの例に過ぎません。さらに考えを詰めていけば、もっと良いアイデアが浮かんでくるでしょう。
ダッチ・オークション、スカンジナビアン・オークション、イングリッシュ・オークション・・・どんなタイプがふさわしいのか?
定番のイングリッシュ・オークションとは、入札価格に売り手が同意するまで値段が釣りあがっていく方式です。買い手によってスタート時の最低金額が定められ、オークションが始まります。金額は一定の割合で上がっていきます。
またイングリッシュ・オークションは、二つの種類に分かれます。
1.ダイレクト
スタート時の金額が決まっており、オークションの参加者が金額をどんどん上げていく仕組みです。入札価格が最も高い参加者が落札者です。
2.リバース
買い手一人に対し売り手が複数いるオークションです。買い手が最高金額を設定したあと売り手はそれを下げていき、買い手が商品を決めて購入する仕組みです。
ファーストプライス・オークションとは、スタート時と落札時の価格が分からないシステムのオークションです。入札価格は参加者によって匿名で上乗せされ、最高金額を宣言するのは落札者一人のみです。オークションの対象は、不動産、自動車、企業契約などがほとんどです。
セカンドプライス・オークションとは、ヴィックリー・オークションとも呼ばれます。基本的なルールは同じですが、落札者は自分が提示した入札価格ではなく、他の人が提示した二番目に高い価格を支払う点のみ異なります。主なオークションの対象は、コレクションアイテムです。eBayにはこの手のオークションが多く、匿名による入札方式で最低限の金額の提示が求められます。
ダッチ・オークションでは、ハーブや牛肉などあらゆるものが短時間でオークションにかけられます。参加は有料で、最高金額からスタートした商品は、買い手が決まるまでの間、秒単位、分単位、時間単位で価格が減少していきます。
また匿名方式で価格が変動し、売り手はマーケティング価格(別名:開始価格)で商品を提示します。開始価格の閲覧にはお金がかかりますが、手続きを踏めば価格を下げることが可能です。直近の入札価格に同意した人が商品を購入することが出来ます。スカンジナビアン・オークションとは、1ドルからでも商品を提示出来るオークションです。参加は有料で、入札価格によって金額が上がっていきます。最後に宣言した人が落札者です。
これらの他にも、ジャパニーズ・オークション、ダブル・オークション、ヤンキース・オークションなどがあります。サイトの分野に合わせて使い分けることをおすすめします。例えばeBayではセカンドオークションが使われていますが、これは決して人気が高いわけではなく、見込み利益もさして多くはありません。しかし買い手にとってはありがたいことで、実際にかかるコストを少しオーバーしても、その10倍以上もの莫大な入札を得られるのです。
機能面と技術面・・・どこから手をつけるべきか?
現段階で決めておくべきサイト機能は、以下の通りです。
1.SNS、通話、Eメール経由の登録と許諾
2.売り手リストの管理と商品管理
3.ユーザーの契約をまとめる運営者用の管理画面
4.財務計算ツールを用いた発注管理や、完売商品の把握
5.価格、サイズ、位置情報などの徹底した商品リサーチ
6.商品情報や売り手に関する紹介文
7.落札した商品を一括決済出来る仕組み
8.契約者や代表者と相互やりとりが出来ること
9.クレジットカード、オンライン決済、暗号通貨、その他サービスによる支払い方法
10.顧客の信頼を後押しする匿名のレビュー評価
WordPress、Laravel、Yii・・・オンラインオークションの作り方
1,000ドルから15万ドル・・・ウェブサイトの立ち上げにかかるコスト
チェックリスト
1.ターゲットの設定
2.競合他社の調査(強みと弱み)
3.オークションタイプとビジネスモデルの選定
4.コンセプトの決定
5.開発のためのアプローチ
6.デザインの構築
7.開発スタート
8.MVPの作成とそのテスト
9.サイトの立ち上げ
10.見直しと改善