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プロジェクトで失敗!そこからデザイナーである私が学んだこと キャリアと将来の展望に与える影響

本記事は、Doomed Projects and Failure Assessment
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約4分53秒

デザイン分野では、よく似たトピックを中心にした記事が並んでいることに気づきました。多くはデザインシンキング方法論での課題に焦点を当て、最終的にこれらのケーススタディから学ぶべき教訓を示しています。

 

しかし、失敗がデザイナーのキャリアと展望にどのように影響を与えるかについては、わずかな記事を除いて、実際に目にすることはありませんでした。「面倒なプロジェクト」と私が呼ぶのは、結果が様々なところで影響を与えるプロジェクトですが、ここでは、その面倒なプロジェクトで私が経験した2つの状況と、それらを経験することによって私のキャリアにも与えた影響を具体的にご説明します。

 

そもそも失敗とは何でしょうか。

ウェブスター辞典では、失敗を「発生または実行の省略」および「通常の機能を実行できない状態」と定義されています。人々の期待が途絶えてしまい、失敗と見なされてきたものやその背景についていろいろ読みました。(ジョールーカスでさえ、1986年に「ハワード・ザ・ダック」が失敗と言われた経験者です)。

 

デザイナーにとっての失敗とは、個々のパフォーマンスに限定されるものではなく、チームのパフォーマンスにも密接に関係しているものです。デザイナーが優秀であるのは、協力しての取り組みがあるからで、パフォーマンスの成功あるいは失敗は、全員の努力の表れです。 私は、複数のソフトウェア会社、教育機関、デザイン会社で仕事をしてきました。ここでは、その経験の一部をケーススタディとしてご紹介したいと思います。

 

プロジェクト1

私が、最も魅了させられたプロジェクトは、私が最も失敗したプロジェクトの1つでもあります。このプロジェクトは、テクノロジー業界で長年の存在感を示していたクライアントのウェブプレゼンスのリニューアルデザインでした。プロジェクトを依頼された後すぐから、私は数ヶ月間の長期に渡り苦悩しました。クライアントとの関係は、様々なことが起こって緊張していました。クライアントが望んだ結果を出せずにいたのです。

 

問題について多くの知識がなく、質問をすることもなく、制約や背後関係、スケジュールなども理解することなしに、私は問題を解決することを任かされ、問題解決を託されたのです。私はクライアントと面談し、非常に限られた時間の中での課題を確認し(そのほとんどは私が知らなかった、そして正しく知らされていなかったものでした)そんな中でも解決策を提供しました。

 

その後、私はプロジェクトの目的、ブランドの設定、ユーザーの目的を理解するためにもクライアントと面談をお願いしました。デザインプロセスと開発は進み、激しくなってかなりの時間がかかりましたが、プロジェクトは完成し、満足しているとは言えないクライアントのもとに届けられたという訳です。

 

評価と教訓

これまでの説明で述べたように、このプロジェクトは失敗と見なすべきものです。プロセスの不備、透明性の欠如(クライアントとデザインチームおよび開発チーム)、ほかにも様々なものが欠如したもので、プライベートな時間までも無駄にし、誰もデザインチームのために責任を負うという人はないまま、プロジェクトは終了したのです。

 

それよりも重要なのは、クライアントやユーザーの満足が得られなかったということです。透明性、誠実さがあり、デザインプロセスが理解されている、あるいは少なくとも理解してもらうようにすることができる環境で仕事をする必要性を実感したプロジェクトでした。

 

質問をし、問題を理解し、状況をよりよく把握するために調査し、他の共同研究者からの情報も調べて参考にしながら評価することが重要です。デザイナーは、ほとんどの場合、プロアクティブチームメンバーであり、そのことを実感し、自分のエリアのものではないと感じられないタスクでも、自身のキャリアのために実行することがあると認識しておく必要があります。

 

プロジェクト2

私が関わったもう1つのウェブ主導プロジェクトは、テクノロジー企業のデザインリニューアル中心にしたものでした。このプロジェクトの目標は、ブランドをさらに強化しながら、ウェブ内での存在感を高めることで、市場分析、測定基準、カスタマーサポートがあり、もちろん社内関係者など、多くの人がこのプロセスに入りました。

 

顕著に現れて始めていた問題は、みなが克服する必要がある問題点を理解していましたが、誰もが追い求めるキャラクター(およびカスタマー)を理解していなかったということです。

 

評価と教訓

このプロジェクトは、非常に円滑なもので、私がこれまで経験したことがない、またはそれ以降に経験したことのない性質のものでした。しかしデータ、知識、すべてが揃ってまとめられたにも関わらず、プロセス自体は成功しませんでした。それはイライラするプロジェクトでしたが、透明性と成熟性は本当に必要だという非常に重要な教訓をくれました。どんな種類のプロジェクトでも成功するためには、チームメンバーがお互いに透明でオープンであることが不可欠です。

 

デザインプロセスは、理解、探索、具体化が関わってきますが、これらすべての段階で連携して、チームの統合、信頼性、そして最終的には複数の観点からの最適なソリューションの作成を目指します。透明性を通して達成することができるものです。また、成熟はこれらの種類の努力にとって同様に重要です。それは誠実さと倫理観も結びつける言葉で、仲間を尊重し、平等にコミュニケーションをとることは重要です。

 

誰もがプロジェクトは、チーム全体での努力の賜物であることを常に頭に入れておくべきです。優れた製品を作り出す、ユーザーの洞察、ブランド設定およびリリース戦略などの要素の中で、成功する製品およびソリューションを生み出すのは、チーム内で生み出される価値と貢献だからです。それを否定することは、チーム内の達成感を奪ってしまいます。

 

デザイナーは、プロジェクトが継続する価値があるのかどうかどう見極めるべきか?

 

うまくいけば、これまでのご紹介してきた事柄に基づいて、プロジェクトが、やりがいがあるものか、問題があるものかを判断できるかもしれません。プロジェクトや製品ソリューションを始めるとき、私をいつも助けてくれたのは、イニシアチブを支えるリサーチプロセスでした。

 

デザイナー(またはデザインチーム)が担当するトピックを理解しているプロジェクトが始まれば、イニシアチブの一部となるチーム、それを取り巻くタイムライン、ビジネス目標、ターゲットとしている顧客、 最終的に浮上するであろう別のトピックなど、デザインシンキングプロセスが実際に始まる前であっても、デザイナーが準備することが重要です。

 

通常、その問題の背景が何であるかを理解することが必要です。組織の背景、製品、現在の状況につながった原因は何か。市場、業界、関連製品、機能、顧客のカテゴリ、地域および多文化のトピック、アクセシビリティに関する洞察など、可能な限り多くの情報を収集し、周囲に何があるかを認識しなくてはいけません。何が潜在的に構築されているのか、混雑中のどこにいるのかを理解する。これは、これから何が重要なのかを教えてくれます。先にあるものに光を当て、その道がどこに向かっているのか、そしてそれが続けるに値するのかを示してくれるのです。

 

チームメンバーとして、デザイナーとして、あるいは開発者、プロジェクトマネージャー、ビジネスアナリスト、在庫管理者、カスタマーサポート担当者として、そしてプロジェクト関わる者として、自由と勇気を持って取り組むことも不可欠です。それが、即応性の欠如、関連情報の欠如、そしてプロジェクトの貢献度にも繋がってくるのです。

 

何人かのチームメンバーがプロジェクトにうまく適合しないこともあるでしょう。プロジェクトは、それに取り組んでいるチームの努力の賜物です。ビジョンがあり、成熟度が高く、焦点があっていることが、デザイナー(または他のプロ)がそのプロジェクトの進化を理解するのに役立ちます。

 

最後に、第一はチームメンバーとして、そして第二にデザイナーとして、私たちはプロジェクトをパズルのようにではなく、調理や化学反応のように見なければなりません:すべての材料が存在し、調和して(最適なタイミングで)調理され、出される必要があります。ちょっとしたアクシデントで、全体の結果が最悪になる可能性もあるのです。

 

結論

 

私は失敗の話題についてのマヤアンジェロウの言葉で締めくくりたいと思います:

「あなたは多くの敗けに遭遇するかもしれませんが、あなた自身は敗けてはいけません。負けることが必要かもしれません。負けることで、あなたは自分が誰であるか、何から立ち上がるのか、現状から抜け出す方法を知ることができるのですから。」

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