消費者の感情的なリアクションや知的なリアクションは、その製品がどう見えるか、どう感じられるか、どう機能するかなどに基づいて引き起こされます。これは物理的な世界であろうとデジタルな世界であろうと変わりません。そして商品がポジティブな経験をもたらしたかネガティブな経験をもたらしたかは、このリアクションに表われるでしょう。もちろんそれは製品のセールスにも影響することになります。オンラインビジネスでは、ポジティブなUXが35%以上も売上を伸ばすことがわかっているのです。
UXが関わるのは、Webアプリケーションやモバイルアプリケーションのデザインだけではありません。UXは、すべてのデジタルコラテラルに関わるものであって、購読者に送信する電子メールもその例に漏れません。
すべてのマーケティング担当者の大多数(89%)は、電子メールを、潜在顧客を生むための最も効果的なツールとみなしているということを考えれば、電子メールでのマーケティングキャンペーンにおけるUXへの注意の重要性もまた推して知るべしというところでしょう。
本記事では、正しいUXデザインで電子メールマーケティングを最適化する方法をご紹介します。
Email-UXのつながりはどんなものか
UXの専門家であるJakob Nielsenは、平均的なユーザーがマーケティング電子メールに費やす時間はわずか51秒であると述べています。これは、ユーザーにとって情報は溢れているため、受け取ったコンテンツの大半を見ていなくても、その気になればすぐに本当に興味深いコンテンツや重要なコンテンツを見つけることができるからです。
送信する電子メールのテキストが重かったり、スキャンが難しかったり、ダウンロードが必要とかいった場合、または読み込みが遅いといった場合には、UXは欠陥だらけだと言えます。購読者にメールを読んでもらうためには、いくつかの重要なUXの問題に特に注意を払わなければなりません。このUXガイドで順に問題を説明しましょう。
1.関連するコンテンツのみを送信する
コンテンツをただちにUXの向上につなげることはできないと思われるかもしれませんが、ユーザーエクスペリエンスとはコンテンツ経験の全体を指しており、それにはメッセージを開いたり読んだりすることでどのくらいの満足を得られるかということが含まれます。誰も自分に関係のないメールや価値のないメールで時間を無駄にしたくありません。メールコンテンツが受信者に関係し、価値があるものであるということは、きちんと確認する必要があります。
2.CTAを強調表示する
マーケティング電子メールの主な目的は、リンクやボタンをクリックするなど、特定の目的の操作を読者に行わせることです。電子メールが開かれると直ちに、CTAが読者の目に飛びこむようにしてください。読者は、テキストをもう少し読んで、CTAに応えるかどうかを決めることができます。
3.タイポグラフィーに焦点を当てる
マーケティング電子メールが主にテキスト(またはテキストグラフィック)ベースである場合、タイポグラフィには特に注意を払わなければなりません。あなたは、テキストが読みやすく、背景があまりにも騒がしくない、または気を散らすことがないようにする必要があります。
ビジュアルコンテンツは常にテキストより有利ですが、読み込み時間をあまり遅くしないように配慮しなければなりません。さもないとせっかく頑張ってビジュアルコンテンツを作成しても見もされずに削除されてしまうでしょう。
4.リンクのテスト
ニュースレターのプライマリリンクが実際に有効であるかどうかを何重にもチェックするなんて、ほとんど強迫性障害ではと感じるかもしれませんが、それはUXを確保するのに必要な仕事です。実際、電子メールマーケティングキャンペーンのSOPの一部にしておいてよいぐらいです。電子メールのリンクは、有効でなければ潜在顧客を生みませんし、受取人は送り主の会社をお粗末だと思うでしょう。
5.リンクは関連するランディングページへ
もちろん、電子メール受信者を自分のホームページに誘導することもできます。しかし、読者が見たいものを実際にリンク先で提供しなければ、送られた側は電子メールに関係するウェブサイトの関連ページを検索することを余儀なくされます。
単にホームページにリンスする代わりに、電子メールメッセージに直接関係しているランディングページにニュースレターをリンクして、電子メールで見られるよりもたくさんの情報を適切なCTAといっしょに提供できるようにしてください。
6.タイプミスのチェック
当たり前のようで見落とされがちなもう一つの作業は、できあがった作品の文法、スペル、またはタイプミスをチェックするための構成編集作業です。間違ったスペル、または不適切なコンテンツは、読者に否定的な印象を与え、そういった欠陥のあるメールは(たいてい)ゴミ箱にねじ込まれます。
7.モバイル向けデザイン
すべての電子メールの半数以上(54%)がモバイルで読み取られていることをご存知でしたか? スマートフォンで何かを読んでみたことがあるなら、すべてのコンテンツが画面に収まらないことで、どれほどイライラさせられるかを知っているはずです。すべてを見るために横に移動する必要があるのです。
さて、そんな状況で、リンクをクリックするどころか、苦労してまで電子メールメッセージ全体を読む気になるでしょうか? メールはモバイル仕様にすれば、クリックスルー率を大幅に改善させることができます。
8.デザインの一貫性を保つ
電子メールメッセージの外観とトーンがサイトのブランディングと一致するようにして、すぐにそれとわかるようにします。ブランドを反映したロゴ、色、フォント、ビジュアルコンテンツを使用します。
9.アクセスしやすくする
ニュースレターをデザインするときは、アクセシビリティについて考えるべきです。読者の中には視力が弱い人がいるかもしれませんので、テキストの空白とのコントラストがよく、フォントが読みやすいものである必要があります。また、CTAボタンやリンクがクリーンで、携帯端末でも簡単に見つけてクリックすることができるようにします。
10.UXテストをする
電子メールマーケティングキャンペーンを最大限に活用するために、健全なemail-UXのつながりを確保するための最良の方法は、おそらくテストメッセージを送信することです。ニュースレターがさまざまなデバイスやクライアントでうまく機能しているかどうかを確認します(3〜5秒以内にすばやく読み込まれ、リンクが動作することを確認してください)。
テストの受取人から直接フィードバックをしてもらい、開かれた率やクリック率をチェックします。また、Litmusのようなツールを使用すれば、メールを送信する前に、さまざまなメールプラットフォームやブラウザ、デバイス間でメールが互換性があるかどうかを確認することもできます。
おわりに
電子メールマーケティングは、マーケティング戦略のレパートリーとしてシンプルで効果的なツールです。ポジティブなUXは、その効果を計り知れないほど高めることができます。
▼こちらの記事もおすすめです!