FacebookとTwitterは、新しい機能を追加して広告の透明性を高めることを決定しました。マーケティング担当者にとってこのことが持つ本当の意味は何なのでしょうか。そしてどのようにマーケティング戦略に影響を与えるのでしょうか。
FacebookとTwitterはほぼ同時に、今後広告の透明性の確保に注力するという発表をしました。アップデートに関する計画はありませんでしたが、両社のアナウンスのタイミングはマーケティングの慣習に変化をもたらしました。
はじめのうちは混乱を招く可能性があり、また、広告主、出版社、ブランドにどのような影響があるのかという疑問が浮かびます。
Facebookの発表の詳細
Facebookは、広告の透明性を高めるために重要な措置を取ると発表しました。同社に関する否定的な見出しの記事が嵐のように次々現れた後、これからはすべてが透明になることを私たちに分かってもらおうとしているのです。
これにより、誰もが任意のページのすべてのアクティブな広告にアクセスできます。たとえば、好きなサイト運営者が掲載しているアクティブ広告の数が不明な場合は、そのページにアクセスして「情報と広告」セクションにアクセスするだけでよいのです。
広告が特定のオーディエンスのターゲットになっている場合は、分析するロケーションを選択することもできます。
この変更により、今後Facebookの説明責任が増し、同社はフェイクニュースや根拠のない中傷が今後一切起こらないようにできると期待しています。
さらに、政治広告の透明性がさらに高まります。すべての政治広告は別のセクションにアーカイブされ、5月7日以降に掲載されたFacebook広告とInstagram広告をすべて見つけることができます。すべての広告はアーカイブに7年間保存され、それを確認したいユーザーが、広告掲載終了後も利用できるようになります。
だから、掲載されていたことを知らなかった広告を検索しなければならない場合には、それらのターゲットオーディエンスではなかった可能性があります。この透明性により、Facebookはすべての人に責任を負わせることができ、アーカイブが広告機能の悪用を防ぐのに役立つはずです。
Twitterの広告の透明性の変更について
Twitterは最近のFacebookと同じレベルで大衆からの反発に苦しんでいるわけではないかもしれませんが、Twitterのユーザーがプロフィールを管理する方法について、数多くの報告を受けています。
今回のポリシーの変更は、今後確実に広告の透明性が確保されるようにしたかったためだと考えられます。
新しいツールは「広告透明性センター」と呼ばれ、ここでアクセスできます。あなたは過去7日間に宣伝されたツイートを見るためにアカウントを検索することができます。
アメリカの政治広告には、広告費用、インプレッション、人口統計、請求情報などの追加情報が添えられています。将来の新たな問題が発生するのを防ぐために、透明性のレベルを1ステップ高めるのです。
Facebookの機能との違いは、Twitterアカウントを持たなくてもこのデータにアクセスでき、アクティブなものだけでなく過去7日間に掲載された広告にもアクセスできることです。
Twitterの今後の計画には、広告の透明性確保の一環としてのオプションの改良と、このプラットフォーム上に広告を掲載している全ての広告主を調査できる機能の追加が含まれています。
マーケティング担当者にとっての広告ポリシー変更の意味
ここまでに述べた変更は全て、広告掲載環境をより透明にして潜在的な問題からプラットフォームを守るとともに、ユーザーが任意のサイト運営者の広告にアクセスできるようにすることを目的としています。
マーケティング担当者にとっては、最初の発表は、これが良い変化であるかどうか分からないという混乱をもたらしました。最初は、Facebook広告の承認が遅れていたため、Facebook広告の将来についての懸念が生じました。すべての広告が精査されるために、承認プロセスの遅延が発生するのではないかと恐れられているのです。
これはプラットフォームとその評判にとっては良いことですが、広告主は日々の作業が遅れるのを避けるため、このプロセスがスムーズになることを願っています。
また、多くの人たちが最初に考えたことの1つは、これらの変更はダークポストの終焉をもたらすのではないかということです。
ダークポストとは、自分のページに公開せずに広告に使用する投稿のことを指します。こうすることで、適切な視聴者に適切なコンテンツを、無関係な広告だと知られずに宣伝することができます。この戦略は、すべてのファンをないがしろにすることなく複数のオーディエンスをターゲットにしたいと考えていた大手ブランドにとって有益な手法でした。
エンゲージメントは、すべての視聴者が異なるコンテンツにアクセスしているために、高くなる可能性がありました。この戦術は完全には廃れていませんが、これからはだれもがあなたの広告にアクセスできるようになるために、ブラックではなくグレーゾーンの技術になるでしょう。
今回の変更は良いことかもしれない
そしてこれは、私たちにとってこの変化が喜ばしいものであるもっともな理由の一へと私たちを誘うのです。これからは、競合他社のアクティブな広告を監視して、方法、ターゲティングキャンペーン、場合によってはその目標を十分に理解できるようになります。
これは、掲載されている広告について秘密になっていることが無いために双方にとって有益で、その結果最も効果的なマーケティング担当者は、競合他社との競争に勝つだけのスマートさを持った人ということになります。
つまり、競合他社の広告に関する以下のような貴重な情報を得ることができうようになるのです。
掲載されている広告はいくつか。
どの製品を宣伝されているか。
何語がつかわれているのか。
関連する創造的活動は何か。
広告のタイプは何か。
季節限定のキャンペーンを計画しているか。
ソーシャルメディアは徐々によりオープンになる方向へ変化してきており、私たちはこの新しい時代に適応しなければなりません。透明性は常に歓迎すべきものであり、初めの一歩のよう思えるかもしれませんが、私たちは広告戦術をよりよくするために、この変化を味方につける努力をすべきなのです。
※本記事は、Facebook and Twitter focus on ad transparency – what does this mean for marketers?を翻訳・再構成したものです。
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