3月に開催された検索マーケティングエキスポ(SMX Munich)でGoogleのJohn Muellerと議論を交わした時に、現時点でGoogleがサイトの表示速度をどのように評価しているかについて興味深い情報の一部を教えてもらいました。
私がSearchLove San Diego(というデジタルマーケティングに関する会議)でそれを1週間後に言及したとき、それに関心を示す人たちがいたので、私は自分の理解を明確にするために、Johnとともに追加調査を行いました。
端的に述べると、現在Googleは、サイトの表示速度(とランキング)の評価の情報源として選ばれたChromeユーザーから集計したパフォーマンスデータを使用しています。 個人的には、これは良い傾向だと思います。というのも、これはGoogleのサイトの表示速度の最適化と、ユーザーのためのサイトの最適化を別の作業として扱う必要がないということを示しているからです。
以前は、Googleがサイトの表示速度をどのように評価しているかについてはっきりしていませんでしたが、サイトを訪問するGooglebotによって測定されていると一般的に考えられていました。これは、Search Consoleにスピードチャートが存在することで広く信じられてきました。
しかし、JavaScriptを有効にしたWebクローリングが始まったことで、Googleが何をしているのか、はっきりしなくなりました。最も現実的なデータが得られることを望まれているのは確かなのですが、これは難しい課題です。
Googlebotは、 実際にサイトを訪問する人がサイト上でどのような体験をしているかを再現するようには設計されていないため、クローリングのタスクが複雑になるにつれて、Googlebotは、その仕組みが変更されない限り、最良の選択肢ではないことが分かってきました。
この記事では、こういった状況に関する情報を短くまとめて、ユーザー側から見たときにどんな意味があるのかを説明したいと思います。
Google Search Console
まずは、Google Search Consoleで「ページのダウンロードに費やされた時間」の指標がどのようなものかを理解しておく必要があります。ほとんどの人たちは、このようなグラフを目にすることでしょう:
最近まで、私はこのグラフが何を示しているのかをあまり理解していませんでした。しかし、John Muellerはこれについて詳しく教えてくれました。
Johnによると、このグラフは以下の事を示しています:
技術的に説明するなら、「ページのダウンロード」ではなく、「URLによるページ指定に対する反応としてデータを受信する」です。ページのレンダリングに基づいているわけではないのです。
そして:
これ指標は、ある一日全体を通してのリクエスト全体を反映しています。
Googleは、サイトをクロールしている際、毎日異なる種類のリソース群を取得している可能性があり、このグラフはページのレンダリングとは関係ないため、「ページのダウンロードに費やされた時間」はサイトの実際のパフォーマンスを測る指標としては役に立たないのです。
こういった理由により、Johnは次のように指摘しています。
盲目的にその指標に固執することは無意味です。
これに関しては、私も同じ意見です。この指標は、バックエンドの問題の細かい原因を特定するのに役立ちますが、この目的のためには、例えば私のお気に入りのWebPageTest.orgなどのもっと良い方法が他にあります。
さて、この指標の仕組みと、それが表している内容が理解できたなら、今度はGoogle WRSについて見ていきましょう。
GooglebotとWebレンダリングサービス
Google WRSは、Search Consoleの「Fetch as Googlebot」などに使用されるChrome 41をベースにしたヘッドレスブラウザであり、Googlebotがページをクロールする際に使用されるケースが増えてきています。
しかしこれは、Aymen LoukilとGoogleのGary Illyesとの間でTwitter上で交わされた会話から、Googleがページを評価する方法ではないということが明らかになっています。 Aymenはこれに関する詳細を記したブログ記事を書きましたが、決定的だったのはGaryが、WRSはサイトの表示速度を評価する用途では使用されていないことを裏付けるコメントを残したことでした。
当時、Garyはサイトのパフォーマンスを評価するために何が使用されているのかを公にすることができませんでした。おそらく、Chromeユーザーエクスペリエンスレポートがまだ発表されていなかったためでしょう。 しかし、あの時以来、状況には進展が見られるようです。 Googleは当時と比べると、もう少し詳しいことを教えてくれているので、Chromeのユーザーエクスペリエンスレポートを読んでみる価値はあります。
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※本記事は、Google Confirms Chrome Usage Data Used to Measure Site Speed を翻訳・再構成したものです。
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