Zion Market Researchのレポートによると、禁煙の目覚ましいIT技術の進歩によって、次の5年間で毎年9%ずつの成長するだろうといわれているスポーツベットの市場規模。だからこそ、今新しいwebサービスを始めるなら、スポーツベットがアツいんです。この記事では、スポーツベットサイトの正しい、そして合法的な立ち上げ方を紹介します。
スポーツベットサイトの開設の6つのステップ
1. 運営に適したスポーツを選ぶ。
(サッカー、バスケットボール、乗馬、Eスポーツなど)
2. サイト構築の方法を考える。
3. 適切なブックメーカーライセンスを取得する。
4. 最適な決済サービスを導入する。
5. ページを構築する。
6. ベッティングシステムを選ぶ。
1・運営に適したスポーツを選ぶ。
betway.comや、888sport.com、 bet365.comなどの大手オンラインブックメーカーは、あらゆるスポーツでサービスを展開しています。多額の初期投資をマーケティングにかけない限りは、このようなサービスに太刀打ちすることはできません。予算が限られているのであれば、特定の分野、特定のスポーツに特化したほうが賢明なのです。
特定の分野に特化することで、より良いユーザー体験を提供し、サイトを認知してもらいやすくなります。実際にどうすればよいかというと、
1. ページデザインとインターフェイスを特定の分野に最適なものにする。
2. そのスポーツに特化したベット方法の提供。
サッカーベットの場合、最初にゴールやファールをする選手、イエローカードの枚数、などです。ビデオゲームであれば、最初の負傷者はだれか、最多キルはだれか、などが考えられます。
3. 特化したマーケティング戦略の構築。
4. ターゲット層を狭く絞っているので、より効果的なマーケティングや広報戦略を練り、顧客のローヤルティを挙げることができます。
どの地域でサービスを展開するかも、対象スポーツを選ぶ重要な要因です。例えば、ヨーロッパではサッカーが非常に人気ですが、アメフトはほとんど見受けられません。反対にアメリカでは、もっぱらアメフトが人気で、サッカーは見向きもされないといっても過言ではありません。グーグルトレンドなどを使うと、地域ごとにどのスポーツが人気なのか、調べることができます。
アメリカの人気スポーツにおけるベットリクエストの分布
グーグルトレンドにキーワードを入力し(「スポーツの名前」+「ベット」)地域と期間を選ぶだけで、人気のスポーツが調べられます。キーワードは対象とする地域で使われている言語で入力しましょう。抽出する期間は1年以上とします。地域選びはターゲット人口がある程度確保できることを考慮に入れて、選びます。
2・サイト構築の方法を考える。
ギャンブルに関係するソフトウェアの開発は、通常のソフトウェア開発とは異なります。ユーザーが、かけ金を盗まれる心配や、勝率操作の疑いをせずに、ハッキングや不正アクセスに対するセキュリティーが確保されていることがわかり、安心して利用してもらうために、ギャンブル運営のソフトウェアは規制からライセンシング、開発者の信頼性になどが、大切なカギとなるのです。
だからこそ、この業界では有名ソフトウェア企業のソフトウェアを利用することが一般的で、一から開発するケースがほとんどありません。オンラインスポーツベットの場合、規制はそれほど厳しくありませんが、既存のソフトウェアを使うほうが、企業にとっても顧客にとっても、安心できるサービスになるのです。
主な方法は次の3つ。
1.完全オーダーメイド型
この方法で必要なコストの例をBet365で見てみましょう。
このウェブサイトはジブラルタルで登録されていて、登録料は$30,000です。そして、$100,
000ドルが税金として支払われています。(ただし、このサービスはスポーツベット以外のライセンスも多数保有しています。)ウェブ開発は$80,000~100,000ほどの資金を要します。(携帯用サイトでも同様です。)また、プロモーション費用として数百万ドルもつぎ込みます。つまり、Bet365のようなウェブサイトには$300,000~3,000,000程度の開発費用が掛かっていると考えられます。
特定の分野に絞れば、マーケティングコストを抑えることができますが、多額の費用に対して節約効果はわずかでしょう。この方法のメリットとしては、プログラムコードが独自のものだということです。
2.ホワイトレーベル型
この方法でかかる費用は$10,000~350,000程度です。高額になると、一定のカスタマイズ機能を持ったwebサイトとアプリ、決済処理、そしてプロモーション費用も含まれるので、デザインと大まかな使用方法を考えるだけwebページを開くことができます。その代わり、利益の一定の割合を利用料として支払っていきます。一般的には、予算が限られている場合に一番用いられる方法です。
3.ライセンシー型
$5,000~60,000ほどの予算で選べる方法です。この方法は、誰かのライセンスの下でエージェントとして集客を行い、コミッションを貰うことになります。つまり、マーケティングが主な業務となります。
いずれの方法にしても、ソフトウェアに欠かせない要素は以下のものです。
・複数の通貨の取り扱い
・カスタマーサポートセンターと顧客管理システムの開設
・スポーツベットへの理解
・複数のベット方法の提供
・ライセンス許可が下りているソフトウェアの使用
3・適切なブックメーカーライセンスを取得する。
ネット上にスポーツ関連のビジネスを展開するのは容易ではありません。多額の費用と適切なライセンスが必須となります。このような業種を禁止し、サービス提供者だけでなく利用者まで罰せられる国々もあるため、ライセンスはどこでも手に入るというわけではありません。
«Simon’s Guide to Online Gambling Legal Status and Laws»のウェブサイトでは、各国のオンラインベットの規制状況が公開、随時更新されています。アメリカの場合は州ごとの法律によって規制が異なります。最新の規制状況や業界の動きを把握するには、gambling
compliance.comがおすすめです。
ギャンブルサービスの提供者は、所定の管轄にライセンス申請を行わなければならず、この検証には数か月から1年ほどかかる場合があります。
申請地を選ぶときには以下のことに気をつけましょう。
• そのエリアの評判(汚職に対する対応や政権の安定度)
• ライセンス取得に必要な法人登録や資本金
• ライセンス取得に必要な費用と期間
• 税金やその他費用
多くのブックメーカーが登録している自治体には、以下のような地域があります。
1.キュラソー島
ブックメーカー、カジノ、ゲームスロットなどのライセンスの細分化がなく、一つのライセンスと取得すればこれらの事業を展開することができます。申請要件もシンプルで、手続きも複雑ではないため、素早く処理されます。税率は2%と、ほかの国に比べて低いです。キュラソー島自身が許可証の迅速な発行によって税収増を狙っているため、ライセンス取得に適しているといえます。
2.コスタリカ
治安の安定した、ベット事業に好意的な国ですが、クリアしなければならない条件が二つあります。国内IPアドレスをブロックされているため在住者はサービスを利用できないこと。そして、実店舗、事業所を国内に持たなければならないことです。ライセンスの費用は年12,000ドルで、課税はありません。
3. マン島
あらゆるギャンブル関連事業の運営が可能です。事業体によってライセンスの種類が異なり、最低$50,000で取得できます。収益が$20,000,000に満たない場合は、1.5%の軽減措置も適用されます。また、登録先の自治体とトラブルを最小化し、個人情報保護などの法律が適用するためにも、サーバーは登録地に設置することが望ましいといわれています。
4・最適な決済サービスを導入する。
スポーツベットのビジネスを開始するには、複数の決済サービスシステムと提携することで、利用者がプラットフォームかけ金のデポジットや出金を行いやすくなります。利用者の使い勝手を考えれば、なるべく多くの決済サービスを導入することが望ましいです。併せて、ビジネス展開するエリアの特徴をよく理解し、適応した決済サービスであることが欠かせません。
下記の表では、大手3社の決済サービスの比較を紹介しています。
この3社と導入することもできますし、もちろんほかのサービスを利用することも可能です。サービス選定の大切な決め手は自分のサービスの顧客にどのサービスが適切か、そして、サービス展開する地域で利用可能か、という点です。また、仮想通貨の利用を取り入れてみるのもよいでしょう。
5.ページを構築する。
次に、スポーツベットサイトのページで必須の機能を見ていきましょう。
ユーザーパネル
1. ログインボタン
登録やログイン操作を、ログインIDとパスワード、eメールアドレスとパスワード、ほかのSNSアカウントと連携したログイン、などいくつかの方法でできるように設定しましょう。
2. ベット選択
シンプルで簡単に、今ベットできるスポーツやチーム、選手、イベントなどをリアルタイムで表示できるようにしましょう。表示する項目はスポーツによっても異なってくるので注意が必要です。チームだけでなく、選手単位でベットできることが重要になってきます。
3. 試合の放映
サイトやアプリ上で試合の中継を放送します。これによってユーザーエクスペリエンスが向上し、ほかのビジネスモデルを展開することが可能になってきます。
4. ユーザーガイド
ベットの賭け方や、入出金の方法などをわかりやすく説明するスクリーンショットや動画を用意しましょう。その際、ツールチップを用いることで、初めてベットサイトを利用する人にも使いやすくなります。利用者がチームや選手の成績や情報を確認できるページを用意し、チームや選手の強み弱み、また戦績は受賞歴などを簡単に閲覧できるようにデザインします。
5. 試合スケジュール
試合スケジュールをカレンダー上で公開すると、ユーザーの賭けプランに大いに役立ちます。サッカーの試合をベットで選んだらサッカーの試合を表示するなど、ユーザーのル用内容に応じて表示させることが大切です。
6.ベットタイプの選択
ベットのタイプや組み合わせは、スポーツごとに、またユーザーの好みで変えられるようにしましょう。
7. 利用者同士の交流
利用者同士がリアルタイムでベット内容や結果予想などについて交流できる場を設けましょう。チャット形式はSNS形式などで、展開の方法はさまざまです。
8. ベット結果
ベット内容についての勝敗数や、ベットの履歴をベット方法やスポーツごとに表示できるようにしましょう。
9. 決済方法
ベットページから1~2クリックで決済ページへ飛べるようにします。ウェブページやアプリと決済サービスとの連携をスムーズになるようデザインしましょう。
10. 多言語対応
より多くの言語に対応することで、アプローチできる人数も増えていきます。
11. 試合結果
チームごと、選手ごとの試合結果と統計を掲載することで、ユーザーが分析し、次の試合にむけて予想を立てることができます。
管理者ページ
1.ログイン
管理者用ページはオーナー用と従業員用の2種類必要です。従業員用ページは限定された閲覧権限が適用され、サイトの維持管理ができることが目的となりますが、主要項目の変更やかけ金の操作などはできないように設定しましょう。
2.ユーザー管理
プロフィールやレートタイプ、利用内容などのユーザー情報を一元的に閲覧できるダッシュボードを利用して、ユーザーのミニターや管理が行えるようにします。
3.ブックメーカからの情報入力
試合結果やチーム・選手情報、ベット内容の掲載。ブックメーカーがベット内容を総合して分析した、より正確な勝率などの情報を入力できるようにしましょう。
4.ベット結果や支払いの管理
不正や不具合の防止及び対処のために、ゲームの勝利数などを手動操作する画面が必要です。
6・ベッティングシステムを選ぶ。
勝率と勝利数の計算はベットサイトを運営するうえで重要な要素です。サイト上では期待値や還元率の説明を掲載しましょう。
1.ヨーロッパ式
スポーツの試合では、一方に25%の勝率だといわれている場合、オッズはアルゴリズムによって算出されます。あるチームの勝率が25%のとき、還元率はレートx係数という方法で計算されます。例えば、かけ金が$100で係数が1.4の場合、賭けに勝った人は$100×1.4で$40の儲けになります。
2.香港・イギリス式
香港では、アルゴリズムは同様のものを利用していますが、表示方法が1.4ではなく0.4となります。儲ける金額は変わりません。賭けに勝った場合にはかけ金に40%上乗せされて払い戻されます。イギリスでは、5/10と表示させるようなファンクショナルオッズというものを用います。右の数字はかけ金、左の数字がそれに対する還元率です。係数が5/10の場合、かけ金が$100だとすると、勝った時に$50儲ける計算になります。
3.アメリカ式
レートは₊150-250と表されます。右の数字がかけ金を、左の数字が払い戻し金額となります。$250かけて勝つと$150儲かる、という式です。
4.インドネシア式
アルゴリズムのアメリカ式に似ていますが、表示方法は₊1.5-2.5となります。
5.マレーシア式
こちらも+/-を用いた表示ですが、-45₊100のように、まず左側にかけ金を、右側に儲けを示す数字を書きます。(この場合、$45儲けるためには$100かける必要があります。)