40%のマーケティング部門の幹部達は、パーソナライズがビジネスの成果をもたらすと考えていますが、46%が導入を望んでいるわけではないことがわかりました。課題は何でしょうか?そして成功しているリーダーが他と一線を画すものは何でしょうか?
アマゾンにとっては大きなニュースの週でした。 eコマース界の巨人のシェアは、ウォルマートのシェアを上回りました。アメリカの Amazonは、レストランの配達サービスの終了を発表し、その一方で、パーソナライズを改善する目的でAIレコメンドサービスのクレジットカードを開始しました。
そして、ブランド価値の前年比52%の増加のおかげで、WPPとカンターの最も価値のあるブランドの年間ランキングで、Appleを押しのけAmazonはトップの座に躍り出たのでした。
後者の2つは確かに関連しています。今のところほんの一握りの地域で利用可能なレコメンドサービスはマーケティング担当者がウェブサイト上、アプリ内、コンテンツ管理と電子メールマーケティングシステム内でユーザーごとのおすすめ商品と好みに適合した検索結果を組み込むことができるものです。これはAmazon Personalizeと呼ばれており、同社の特徴とされているものです。
その洗練されたレコメンデーションシステムは、Amazonの収益の35%を占めています。
そして、Forbes InsightsとArm Treasure Dataによる最近の意思決定マーケティングリーダーの調査によると、収益を占めるのはAmazonだけではありませんでした。調査対象となった200人の経営幹部のうちの40%が、パーソナライズが、ダイレクト販売チャネルにおける売上、バスケットサイズ(あわせ買い)、利益の最大化に直接に影響を及ぼしていると述べています。
パーソナライズ化は顧客の生涯価値と取引頻度の向上に役立ち、ロイヤルティプログラムの利用を後押したと多く報告されています。
パーソナライゼーションへの主な課題
パーソナライゼーションと業績の相関関係にも関わらず、その導入は思ったより普及していません。
翌年のロードマップ(計画表)にあるものとは対立して、マーケティング担当者の中で、パーソナライズが最優先課題だと考える人はほとんどいません。結果は、経営幹部の46%は、導入を望むところまで至っていないことがわかります。
パーソナライズには、個人の基本情報(年齢や場所)、嗜好や行動に関する豊富なデータでいっぱいの、オムニチャネルの顧客プロファイルが必要となります。それが課題なのです。
特に、データ品質、縦割りデータ、適切なデータを見つけることに苦戦するという点などが不十分です。簡単に言えば、データが多くなればなるほど、組織はそれを管理し、そのソースを検証することに予算を投資しなくてはならなくなるのです。
データセットのマーケティング担当者が理解できないのは彼ら自身の問題です。調査対象となった多くの幹部は、パーソナライズには大きなROI(投資利益率)があることを理解していますが、どのチャネルがどのようにして最大のROIをもたらすかについては分からないのです。
ショッピングカート、電子メール、モバイルデータが最も測定されていますが、指標を追跡できるのはマーケティング担当者の40%のみです。
一方で67%がウェブサイトのパーソナライズのROIを計算するのが困難といっています。さらに驚くべきことは72%がカスタマーサービスセンター内のパーソナライゼーションの測定にさえ苦労しているということです。
リーダーが一線を画するところ
ForbesとArm Treasure Dataは、マーケティング担当役員を2つのカテゴリに分類しました。ラーナー(学習者)と、少数のリーダー(21%)です。後者は不釣合なほどの数の小売店舗を有し、他の回答者と比較して大きく成功を収めています。
昨年の収入目標を達成したのはラーナーのうち3分の2以上でしたが、超過して達成したのはは15%に過ぎません。一方、リーダーグループの54%が超過達成を果たしています。リーダー達は、パーソナライゼーションをとても重視しています。彼らのほぼ全員がこれを最優先事項と考えており、マーケティング予算に投入しようとしています。
データが課題となります。それはまたチャンスでもあります。統一された顧客プロファイルを達成するためには、高度なテクノロジスタックが必要です。リーダーは、顧客データプロファイルを適切に設定し、あらゆるチャネルで十分な精度のセグメントの上、リアルタイムのパーソナライズがしやすくしています。
ラーナーがリーダーに大きく遅れを取っているもう1つの分野は、人工知能です。パーソナライズから最も結果が得られると見込んでいるのは、AIを使用する人たちです。71%のリーダーがAIを使用してパーソナライズを測っている一方で同じことをしているのはラーナーのうちの57%でした。