バックエンドフレームワークの使用時に、選択肢は無数にあります。各バックエンドフレームワークにはそれぞれ独自の長所と短所がありますが、最終決定を下す前に考慮しなければならない要因もいくつかあります。 今回は、最良のバックエンドフレームワークを選ぶのに役立つように、試行錯誤されたものと新しいフレームワークの両方を詳しくご紹介します。
バックエンド 対 フロントエンド
始める前に、まずバックエンドとフロントエンドの違いについて見てみましょう。 ウェブ開発の世界に慣れていないのであれば、バックエンド開発とフロントエンド開発の違いはそれほど明確ではないかもしれません。 ただし、両者の違いを知ることは重要です。以下はフロントエンド開発者がバックエンド開発者にどういう役割を果たしているのかの簡単なご紹介です。
・フロントエンド開発 : フロントエンド開発者は、ユーザーが目にするものの大部分に関わっています。フロントエンド開発者が作業する3つの主なツールはHTML、CSS、そしてJavaScriptです。主に、優れたユーザーエクスペリエンスを作成し、デザインとレイアウト、ウェブサイトまたはウェブアプリケーションが全体を通してまとまりのあるものになるようにしています。
・バックエンド開発者 : 一方、バックエンド開発者は、舞台裏で起こっている問題に取り組んでいます。バックエンド開発者は、ライブラリ、API、ウェブサービスなどを扱っています。データベースシステム、さまざまなウェブサービス間の通信の確保、バックエンド機能の生成などを担当します。
ベストバックエンドフレームワークのリスト
ここでご紹介するバックエンドフレームワークのリストでは、1つのプログラミング言語に固執したくはありません。さまざまな言語からの最高のバックエンドフレームワークをご紹介します。もちろん、以下のリストはすべての言語に対するバックエンドフレームワークを提供するわけではありませんが、まだどの言語を使うべきかわからない、または単に何かを試したいという時に、役に立つものです。 注:以下のフレームワークのご紹介の順序に意味はありません。
Laravel
LaravelはPHPベースのバックエンドフレームワークで、その大規模チームへの対応能力と最新のツールキットの機能性に優れています。LaravelはMVCのアーキテクチャーパターンに従って、広範囲のバックエンド開発を容易にします。Laravelは独自のデータベース移行システムも備えています。
特徴
・シンプルで高速なルーティングエンジン
・独自のCLI
・強力なテンプレートシステム(ブレード)
・優れたドキュメンテーション
CakePHP
CakePHPは2005年にリリースされた最初のPHPフレームワークです。それから長い道のりを経て、今では開発者が素早く作業できるように作られた現代のPHPフレームワークとして知られています。CakePHPはクリーンなMVCコンベンションを使用しており、非常に拡張性があり、大規模アプリケーションと小規模アプリケーションの両方を構築するのに最適です。
特徴
・迅速な構築が可能
・バッテリー同梱
・セキュリティが万全
・複雑な設定は不要
Django
Djangoは、バッテリー同梱という考えのもとに構築された高レベルのPythonフレームワークです。開発者が望むほとんどすべてのことが、最初から入っているという意味です。したがって、サードパーティのプラグインを使用する必要性は少なく、Djangoですべてが連携して動作します。
Djangoはより大きなアプリケーション向けに作られています。 したがって、小さいものを構築することを計画している場合、Djangoは、不要な機能で小さなプロジェクトが巨大化する可能性があるため、この場合は、最良の選択肢ではないかもしれません。
Djangoで構築された大規模ウェブサイトの例としては、Disqus、Mozilla、National Geographic、Pinterestなどがあります。
特徴
・高度カスタマイズが可能
・迅速な開発が可能
・非常にスケーラブル
・広範囲なコミュニティ
Ruby on Rails
Ruby on Railsは、Rubyプログラミング言語で書かれたサーバーサイドのウェブフレームワークです。 Djangoと似たようなデザインとコンセプトを提供し、さらにRubyプログラマーにとって身近な環境を提供しています。 Rubyは、MVCやDRYなどのデザインパターンの使用を推奨しています。
Ruby on Railsで構築された大規模Webサイトの例としては、Shopify、SoundCloud、Basecamp、GitHubがあります。
特徴
・利用可能なプラグインの大規模ライブラリ
・非常に明確な構文
・大規模なコミュニティ
・小規模プロジェクトは開発と管理が容易
Flask
FlaskもPythonベースのバックエンドフレームワークです。 ただし、Djangoとは異なり、軽量で小規模なプロジェクト開発に適しています。 FlaskはJinja 2テンプレート、安全なクッキー、ユニットテスト、そしてRESTfulリクエストなどのサポートを提供しています。 また、Djangoに同梱されている機能を全部は必要としていないPythonプログラマーにとっては優れたソリューションです。
特徴
・非常に柔軟
・Djangoより軽量、小規模プロジェクトに最適
・優れたドキュメンテーション
・プロトタイプを素早く作成する機能
Phoenix
PhoenixはErlangの仮想マシンと連携するバックエンドフレームワークで、Elixirで書かれています。Elixirは関数型言語であることを考えると、他のオブジェクト指向言語ほど普及していないかもしれませんが、スケーラブルなアプリケーションを構築するためにデザインされたものです。Phoenixは、機能的プログラミングでの新鮮なアイデアと真のテクノロジーの組み合わせを使用しています。
特徴
・非常に早い
・耐障害性がある
・データベースオプション内蔵
・優れたデザイン
・優れたドキュメンテーションと活発なコミュニティ
Express JS
ExpressはNode.js用の高速でシンプルなフレームワークです。 Node.jsの機能を曖昧にすることなく、基本的なウェブアプリケーション機能を提供しています。さらに、数々のHTTPユーティリティメソッドとミドルウェアを利用して、APIの構築が簡単にできます。Feathers、KeystoneJS、MEAN、Sailsなどの多くのサーバーサイドおよびフルスタックフレームワークでExpressが使われています。
Expressを使用している大規模Webサイトの例は、Uber、Accenture、IBMなどです。
特徴
・優れたルーティングAPI
・ミニマルでシンプル
・設定が簡単
・多数のプラグインが利用可能
Spring Boot
Spring BootはJavaをベースにした開発フレームワークです。作業の快適性を高めることを目的としてSpringによって作成されたもので、プロダクショングレードのSpringベースアプリケーションを提供しています。 Spring Bootは、Springプラットフォームとサードパーティ製作のライブラリビューを揃えているので、最小限の手間で作業を開始できます。
特徴
・Springスタンドアロンアプリケーションの作成
・非常にスケーラブル
・優れたドキュメンテーション
・クラウドアプローチ使用の大規模アプリケーション構築
バックエンドフレームワークを選択する際に考慮すべきことは?
最適なバックエンドフレームワークを選択する前に考慮すべきいくつかの重要な要素があります。 以下が留意点です。
・学習曲線:各フレームワークには、ネーミング規則、ディレクトリ構造などの点で違いがあります。フレームワークを使用したことがない場合、この学習曲線は避けられないものです。特定のプログラミング言語に既に慣れている場合は、時間節約のためにも、その言語を利用するフレームワークを選択することをお勧めします。一方、まだ特定の言語に慣れていない場合は、Pythonを使用するDjangoフレームワークを使用するのが非常に簡単でいいでしょう。
・ドキュメンテーション/コミュニティ:バックエンドフレームワークに関するこれまでの経験がない場合は、広範なドキュメンテーションおよび/または大規模なコミュニティを含むフレームワークを選択することをお勧めします。 行き詰まった場合は、適切なドキュメントを検索するか、コミュニティの誰かに助けを求めることができます。
・ライブラリ:いくつかのフレームワークはライブラリでより柔軟性があり、多くの選択肢を提供しています。開発者にとって、時間がかかるまたは不可能である特定のタスクの実行するためで、非常に役に立つものです。
・セキュリティ:セキュリティは非常に広いトピックであり、アプリケーションによっては、バックエンドフレームワークに他のものよりも優れたパフォーマンスを発揮させるセキュリティ機能が必要になる場合があります。また、選択したフレームワークを定期的に更新して、よくある攻撃や新しく出現した攻撃から守ることも重要です。
・スケーラビリティ:多くの一般の人のアプリケーションを構築している場合は、フレームワークが自分のニーズに合わせて拡張できるようにする必要があります。キャッシング機能が大きな役割を果たし、アプリケーションを拡張することがどれほど簡単かを決定します。
最高のバックエンドフレームワーク – まとめ
バックエンドフレームワークには、それぞれ独自の長所と短所があります。 どのバックエンドフレームワークが最適かを判断するのは、やろうとしていること、学習曲線などに左右されるため、どちらかといえば主観的な選択です。新しいプロジェクトを始めるのか、それとも基本を学ぶだけなのかをまず選択することをお勧めします。