・研究者たちはナノファイバー配列を作る最先端の方法を開発
・これらのナノファイバーは驚くべき可能性のある新しい物質を作ることができます
・この新しい方式は、水を弾く蓮の葉や重力に逆らうヤモリの足からヒントを得ています
繊維の配列の表面は、自然界で普遍的なものです。様々な機能を提供しており、例えば、断熱性(ホッキョクグマの毛皮)、可逆性接着性(ヤモリの足)、極度の潤い(蓮の葉)、感知性(有毛細胞)、物質輸送の促進(微小管)などです。
蓮の葉は水を弾くために蝋細工配列で覆われています。ホッキョクグマの毛は熱を逃さないようになっています。ヤモリの足の裏の毛は重力に打ち勝って表面に接着します。
これらの特徴を合成で再現するには、組成、繊維形態、繊維の高次配列の精密制御など、マルチスケールな工学が必要です。
最近では、ウィスコンシンマディソン大学とミシガン大学の研究者たちが、偶然驚くべき機能を持つ新しい物質を作り出すナノスケール繊維配列を作る強力な技術を発見しました。
研究者達は時計回りと反時計回りに捻った繊維を一緒に編む事によってこの特別なナノ繊維を作りました。これらの繊維は、2本まっすぐに伸びた繊維配列と比較してより強固に結びついていました。
こうしてできたナノ繊維は蓮の葉のように水を弾くことができます。研究者達は光学特性を実験し、光る構造物を作り出しました。また、彼らはそれぞれの繊維構造物はホッキョクグマの毛皮のような働きをすると考えています。
偶然の発見
分子のカーペットは計画的ではありませんでした。研究者たちはそれぞれの分子を検出するセンサーを作ろうとしていました。液晶の上に、高分子(分子が多数集まって非常に長い鎖を形成している物質)を乗せました。
これらはパソコンやテレビで使われているような電子ディスプレイと同じ液晶です。通常の実験の中では、研究チームはそれぞれの連鎖を蒸発させ、表面上にそれを凝縮します。
しかしながら、高分子の薄い層は時々予想とは異なる動きをします。液体の上に留まるというより、この連鎖は液晶を通じて滑り、スライドグラス上に固着しました。繊維の形は液晶によって誘導され、底から進化していき最終的にナノスケールの繊維カーペットが形成されました。
研究者達はこの結果に驚きました。というのも、無秩序な液体にもかかわらず、液晶が直径と長さが明確に定義されたナノ繊維の形成を精密に誘導ていたからです。液晶の内部秩序を変えることで、まっすぐな繊維だけでなく、微細な階段やバナナのような曲線の繊維も作ることに成功しました。
結果的に、この方法はプログラム可能な化学、形状、長距離の横方向の配置でナノ繊維の配列の製造を可能にします。これは研究者達が三次元に表面を作ることを可能にする方法に複雑さを追加しています。