・熟練のプロかつ初心者向けAIプログラミング言語”Gen”が新たに開発
・かつてのプログラミングシステムの性能を大きく上回る3Dモデルと画像解析技術
人口知能、ロボット工学、自然言語処理、認知科学、機械学習、統計学とともに、確率モデルと推論パラダイムはさまざまな分野で活躍しています。
推論アルゴリズムの実行は極めてややこしく、エラーも起きやすので、自動処理化には非常に高度なプログラミングスキルを要します。しかし、一般的な実用プログラムとしては不向きです。ロボット工学やコンピュータビジョンの分野には対応していないので、やや難しく感じられるかもしれません。
中には、1つのドメインにしか適合しないような、限定的なモデル言語を使用しているシステムもあります。例えば、GoogleのTensorFlowでは、ディープラーニングに特化したモデルに限定されています。
そこで、MITの研究者は”Gen”と呼ばれる新しいAIプログラミング言語を考案しました。熟練のプロだけでなく、初心者でも簡単にディープラーニングのモデルが習得出来るようにするためのシステムです。
高度な統計モデルを自動生成しての解析とパターン予測が可能
Genは、統計学、ロボット工学、コンピュータビジョンなどの様々な分野でAIアルゴリズムを開発するために使用されます。複雑なコーディングマニュアルや方程式は必要ありません。推論アルゴリズムと哲学モデル用いて、実現する前の予測を立てるのが熟練のプログラマーの仕事です。
研究チームにより、現実世界におけるアプリケーション、ヒューマンマシンインタラクション、自立システムなどの複雑なタスクを、単一のGenコードから推察出来ることが証明されました。その背景では、あらゆる可能性のシチュエーション、ディープラーニング、グラフィックスレンダリングのシステムが実行されています。
研究者たち曰く、以前のシステムよりも短時間で正確な結果を残すGenは、誰にでも使えて簡単なものだそうです。数学や科学の専門知識がなくてもユーザーがアクセス出来るようなAIの作成と、その生産性を上げることが今後の目標といえそうです。
Genでは高度な統計モデルが自動的に生成され、解析と特殊パターンの予測がデータ内で行われます。
このプログラミングシステムはJuliaに組み込まれているので、ユーザーによってモデル定義がなされます。帰属する言語に基づく高度な推論プログラムが実行され、次のような機能があります。
1. 推論アルゴリズムの設計から論理を切り離して生成するインターフェース
2. 独立する条件の共通パターンを組み込んだ3つのインターフェース
3. 互換性のある3つのモデル言語:統計解析、チューリング完備、TensorFlowベース
この新たなAIプログラムをすでに導入している企業もいくつかあります。例えばIntelでは、研究チームと協力して深度画像から3Dモデルを推定し、時系列の構造を推測するためにGenが使用されています。
また、MIT-IBM WatsonにあるAIラボでは、1歳半の子供の持つ常識モデルの構築を目的としたプロジェクトが行われています。MIT Lincoln Laboratoryでは、災害対応と人的支援のために、空中ロボット工学の開発に対してGenが使われています。
興味がございましたら、ソース元であるGitHubからもご確認いただけます。