・角運動量の高い光線の研究をしている際に、研究者達は光の新しい性質「セルフトルク」を発見しました
・研究者たちは、実験的にこの新しい特徴を使った光線を作り出しました
物理学では、光は電磁分光の特定の部分内の電磁放射線とされています。エネルギーと運動量の両方を持っているので、照らす対象物にわずかだが検出可能な圧力をかけることができます。
1992年、科学者たちは光もねじれることを発見しました。より具体的には、光線の空間的な形がその軸に沿ってねじれる際に、光は軌道角運動量(OAM)を持ちます。
高い角運動量をもつ光線はOAMで構成されていて、渦光線として知られています。OAMの存在は裸眼で確認できませんが、光線が何か物体と交わった際に確認することができます。
これらの渦光線は量子光学、微粒子操作、顕微鏡学、光通信を含む様々なアプリケーションで利用されています。
近年、渦光線の研究中に、研究者の国際チームが新しい光の特徴「セルフトルク」を発見しました。一般相対性理論や電気力学のような、物理システムにおいて一般的でしたが、光が、特に外の力が加わっていない場合にそのような特徴を持つことは発見されていませんでした。
新しい特徴を実験的に検証
研究チームはアルゴンガスの雲に2つのレーザー光線を照射しました。光線は重なり合い、雲のもう一方から1つの(渦)ビームとなって出てきました。
好奇心で、研究者たちはその時、光線のOAMを変更しました。どちらの光線も異なるOAMを持ち、正確にシンクロすることはありませんでした。驚くことに、これは段々とねじられるコルク栓抜きのような光線となりました。
研究者達は、異なる視点から調査し、光線の後ろの単一光子は光線の前側の単一光子よりも素早くその中心の周りを動いていることを発見しました。これが、光のセルフトルクと呼ばれているものです。
これは光固有の特徴です。OAMの異なるわずかに同期していない2つの脈で動いている高次高調波発生(HHG)の極端な非線形過程は、極端紫外(EUV)セルフトルク光線を発生させます。
アプリケーション
新たに発見された光の特徴は、構造化された光線開発の新たなドアを開きました。動的な渦脈は原子や超高速時間スケール上のナノ構造の操作に利用することができます。
同じアプローチで、通信機器の周波数を変調するのと同じ方法で、光のOAMを変調することにも利用できます。
結果として、このタイプの動的OAM光線は、トポロジカル、磁気、量子の励起をコントロールし、自然な長さや時間スケールの分子を変調する能力を与えます。