Googleは、Androidの8番目のメジャーバージョンを発表し、その名も「Oreo」です。
また、「Nexus 5X」、「Nexus 6P」、セットトップボックス「Nexus player」、タブレット「Pixel」、「Pixel XL」、「Pixel C」の機種向けに、Android Oreoバージョンの公開を開始しました。
この新バージョンには、多くの変更点や新機能が搭載されていますので、ここではAndroid 8.0が、今使っている端末に導入されたときに期待できる、主な機能を紹介します。
今回のリリースで何が新しくなったのか、さっそく見てみましょう。
オートフィルフレームワーク
Android OではAutofill Frameworkが導入されており、ログインフォームやクレジットカードフォームなどへの入力がより簡単になるようです。既存と新規のアプリケーションは全てこのAutofill Frameworkが作動し、Androidにアカウント情報の保存を許可(フォームの初回入力時に尋ねられます)するだけで、次回アカウントへのログイン時、保存された認証情報のリストを表示してくれます。
新しい絵文字
Googleは従来の絵文字を、スタイリッシュで丸みを帯びた新しいアイコンに変更しました。
異なるプラットフォームで使用されても統一して絵文字が使用できるようにしたいとのことです。Android Oreoには、69種類の新たな絵文字が含まれ、ジェンダー表現に焦点を当てているほか、SFキャラクターや楽しいファンタジーも含まれています。
オーディオクオリティの向上
Android 8.0は、Sonyのハイレゾ対応Bluetoothオーディオコーデックである、LDACをサポートしています。これにより、スマートフォンにワイヤレスで接続されている機器の音質が向上します。
さらに、データ転送の時間が短く、高性能なオーディオを必要とするアプリのために、新しいオーディオAPIが追加されました。これは、ワイヤレスヘッドホンを使用している人にとっては、大きなメリットとなるでしょう。
色調整
広色域な色調整が可能に。
広域色の調整は、アプリのマニュフェストでフラグを有効にし(アクティビティごと)、広域色のカラープロファイル (Pro Photo RGB, AdobeRGB, DCI-P3など) が埋め込まれたビットマップを読み込むだけで、域色の設定が可能になります。
アプリの許可
Playストアに掲載されていないアプリをストールする場合、アプリを許可する必要がありますよね。この機能がセキュリティ保護の為、すでに組み込まれています。
Google Play プロテクト
Google Play Protectの特徴は、悪質なアプリやファイルをスキャンし、使っている機種のセキュリティを強化してくれる機能です。有害なファイルが検知された際はアラートを出したり、危機的な状況ではアプリケーションを削除することも可能なのです。この機能はデフォルトで有効になっていますが、「設定」で無効にすることができます(推奨しません)。
フォントサイズの自動調節
Android Oでは、TextViewのサイズに応じて、テキストの縮小や拡大を自動的に設定できるようになりました。これによって、異なるデバイスや動的コンテンツのテキストサイズの最適化が簡単になるでしょう。
キーボードナビゲーションの改善
この機能はChromebookユーザーの方におすすめです。Googleによると、実際のキーボードを使ってPlayストアのアプリの操作を行うユーザーが多い様です。しかし、もしそれがタッチスクリーン用に最適化されたアプリケーションであれば、キーボードでの操作の相性が良くないのはご存じでしょう。Googleはこの問題を解決するために、より高い信頼性と予測性でインターフェースを操作できるようにしました。
「設定」メニューの検索のしやすさ
Androidでは、「設定」画面の検索機能が強化され、いくつかの層のメニューの下に隠れているあらゆるエンティティを見つけることができるようになりました。アプリのデータに素早くアクセスしたり、アプリの修了、キャッシュの削除、権限の管理などが行えます。また、検索されたエンティティのパスも表示されるため、次回から簡単に検索することが可能です。
WiFiの自動オン
Android Oは、オフィスや自宅にいる時、自動的にWiFiをオンにしてくれます。一日中アクセスポイントをスキャンすることもないため、バッテリー消費も抑えます。オフィスにいるときや帰宅した際に、Oreoは持ち主のデバイスの位置情報を使って、あなたが既知のWiFiホットスポットエリアにいることを確認できるので、自動的にWiFiをオンにします。この機能は、「ネットワークとインターネットの設定」で有効にすることができます。
アダプティブアイコン
Android Oreoには、ユーザーのインタラクションに応じてアニメーションするアダプティブアイコンランチャーが導入されています。これらのアイコンは視覚効果をサポートしており、異なるスマートフォンデバイス間でさまざまな形状を表示することができます。
スマートリンクセレクション
Android Oは機械学習を用いて、コピー&ペーストで選択した文字列に適したアプリケーションを検出します。
例えば、「3rankweb@gmail.com」という文字列を選択した場合、gmailやその他の関連するメールアプリを開くことを提案してくれるのです。また、電話番号をハイライトすると、すぐにダイヤラーに飛び込むことができるという便利な使い方もあります。
設定メニューの変更
Googleは設定メニューのデザインを一新し、白の背景にダークグレイのテキストを表示するようにしました。Android 7に導入されていたサイドナビゲーションメニューは削除されています。これは設定画面を、可能な限りシンプルで分かりやすくするためです。
WiFi対応
WiFi Aware機能は、インターネットや、CellularやWiFi Access Pointのような他のタイプの接続を介さずに、デバイスがWiFiで他のデバイスを識別し、直接接続することができます。
これは、WiFiピアツーピア接続よりも信頼性が高い機能です。Bluetoothと比較しても、より長い距離で動作し、高いスループットをサポートしています。さらに、画像共有アプリなど、ユーザー間でデータを共有するアプリケーションにも有効です。
新たなバッテリーメニュー
Android 8のバッテリーメニューは見た目が一新されました。バッテリーセーバーや明るさの調節などが、バッテリー残量のすぐ下に表示され、バッテリー使用量のグラフも少し見やすくなっています。
さらに興味深いのは、画面下に統計が追加され、どれだけのバッテリーが、ディスプレイやモバイルネットワークのスキャンで消費されたかが具体的に分かるようになっています。
バックグラウンド制限
Googleはアプリがバックグラウンドで実行できるアクションに厳しい制限を設けています。これにより、待機時のバッテリー消耗の問題を解決できるのです。この制限により、アプリケーションが不要なバックグラウンドサービスを実行したり、リスナーのサービスを常に起動したままになることがなくなります。
アプリが位置情報の更新ができるのは「1時間に一定回数」のみです。これは、AndroidOreoでも、従来のバージョンでも、すべてのアプリに適応されているものです。
アプリインストール前のテスト
Google Instand Appsは新しいものではなく、5億人のユーザーが利用しています。
ここ数年で多くのアプリやサービスが爆発的に増えたことで、新たなアプリのインストールや、定期的なアップデートが煩わしくなってきました。Google Instant Appsはその悩みを解決してくれます。インストールする前に実行またはテストするのです。そして、ウェブのURLをクリックするだけで、ネイティブでリッチな体験を提供してくれます。
PiPモード
Picture-in-Picutre (PiP)モードにすると、アプリが隅にピンされたウィンドウで動画を再生し、同時に他のアクティビティーをメイン画面で行うことが可能です。スプリット画面よりもマルチタスクが行いやすく、より良いユーザーエクスペリエンスが得られるでしょう。
通知システム
通知システムが再構成され、通知の設定や動作を管理する方法がより一貫したものになりました。これらの変更点は以下の通りです。
通知チャンネル。これにより、表示する通知の種類ごとにカスタマイズ可能なチャンネルを作成することができます。重要度、サウンド、バイブレーション、ライト、「邪魔しないで」の表示、ロック画面への表示を変更することができます。
通知バッジ。ユーザーがまだ見ていない、または解除していない通知を反映します。バッジ(またはドット)の付いたアプリのアイコンをタップ&ホールドすると、通知が簡潔に表示されます。
スヌーズ機能 ユーザーは通知をスヌーズすることができるようになりました。スヌーズすると、一定時間、通知が消えてから再び表示されます。通知は、最初に表示されたときと同じレベルの重要度で再び表示されます。
クイック起動
実際にパフォーマンスの向上が目に見えなくては、アップデートとは言えませんが、Android O は前バージョンに比べて約1.5倍も速度が上がっています(Picel XLにて起動時間を検証済み)。そしてGoogleは、Oreoがこのソフトウェアを使用する全てのデバイスに恩恵をもたらすだろうと主張しています。OSの速度だけでなく、アプリケーションもより速く動作するようになるでしょう。