WordPressは2003年に登場して以来、上位1千万件のWebサイト中27%以上で利用されています。2017年11月16日にWordPressFoundationはTiptonという名称でバージョン4.9をリリースしました。
これまでのメジャーアップデートと同様、機能強化と改善により開発者にとってより優れたUXとツール群が提供されています。
どんな変更が加えられたのか見ていきましょう。WordPress4.9で追加された10点の主要機能を次のように紹介します。
サイトデザインの公開予約
WordPress 4.9では、サイトのテーマデザインを変更することができます (「外観」>「テーマ」)。 投稿の下書きを作成、編集し公開予約するのと同じように、テーマデザインの変更を日時指定して公開予約できます。
さらに印象的なのは、デザイン変更の公開予約前にチームや顧客にプレビューリンクのコピーを送信してフィードバックを受けられる点です。
WordPress4.9には複数のチームメンバーが同じデザインに対して作業する場合を想定した、デザイン編集衝突防止機能もあります。
投稿編集の衝突防止機能と同様に、あるメンバーによる変更が別メンバーによる変更を上書きしたり、作業結果が消されてしまうのを防止します。また、未保存の変更はプロンプトで保存するように促されます。
新しいギャラリーウィジェット
WordPress 4.9では独自のギャラリーウィジェットが追加されたため、ウィジェットエリアにギャラリーを追加するサードパーティのプラグインはもう必要ありません。
また、このバージョンではテキストウィジェットが提供されています。テキストウィジェットにメディアを追加し、Facebook、TEDライブストリーム、9GagなどoEmbedに対応するサイトの動画や音声ファイルを埋め込みできるようになりました。
シンタックスハイライトとエラーチェック
WordPressはシンタックスハイライトに対応するようになり、エラーチェックがしやすくなりました (HTML、XML、CSS、および PHPコード対象)。間違いのハイライト表示、構文の誤り、不完全な関数やミッションエレメントにヒントが表示されるため、コードの確認が楽になり、エラーをより短時間で修正するのに役立ちます。
プラグインまたはテーマのファイルをダッシュボードから直接編集する場合、WordPress 4.9は危険な行為であることを警告し、変更前にファイルをバックアップするように促します。
この素晴らしい機能は間違いを犯しがちな新しい開発者にとっては特に重要です。 ただし、自信がある場合は、「ユーザー」 < 「プロファイル」ページでこのオプションをオフに切り替えることができます。
テーマの参照
テーマの参照が大幅に改善され、カスタマイザーから直接テーマを参照しインストール、プレビューできます(「外観」 < 「カスタマイズ」)。 検索結果を絞り込むためのフィルターもあります。 これにより、テーマ セクションに戻って新しいテーマをインストールする手間を大幅に省略して、さまざまなデザインを迅速に試すことができます。
メニューパネルの改善
メニューパネルのレイアウトがわかりやすくなりました。パネルには、まず利用できる全メニューが表示され、次に場所が表示されます。これにより、編集中のメニューに応じた調整が簡単になります。例えば、メニューがない場合、パネルはユーザーに新しいメニューを作成するよう求め、実行すべき手順を表示します。
テーマ切り替えの改善
テーマを切り替える際に、一部のウィジェットが消えたり、ランダムな位置に移動してしまう現象がなくなりました。新バージョンでは、サイトのテーマを切り替えても、ウィジェットとメニューは同じ場所にとどまります。
メールアドレス変更時の確認メール
これまでのWordPressバージョンと違い、アカウントに関連付けられたメールアドレスを変更すると、WordPressから確認メールが送られるようになりました。とても優れたセキュリティ機能です。
開発者向けカスタム JS APIの改善
WordPress 4.9では、カスタマイザーJS APIが改善され、PHP API と同様に簡単に操作できるようになりました。新しいペースコントロールテンプレート、global/section通知、date/timeコントロール、ユーティリティメソッド、changeset update リクエストのアップデートなどがあります。完全なリストを確認してください。
CodeMirror
WordPress 4.9では、CodeMirrorと呼ばれる新しいコード編集ライブラリが導入されました。JavaScriptやCSSのプラグインでのコーディングや体験を強化します。CodeMirrorは Lint、シンタックスハイライト (構文エラーのその場での通知を含む)、オートコンプリートを特徴としています。エラーを含むコードは保存できないようになっており、コード編集へのセキュリティレイヤーが追加されています。
さらに、開発者はWP_Customize_Code_Editor_Controlクラスを使用して、CodeMirrorテキストエディターのカスタム インスタンスを追加できます。
MediaElement.jsの改善
MediaElement.js はバージョン4.2.6 にアップグレードされました。jQueryへの依存関係は完全になくなり、UI はモダン化 (flexboxを使用)、アクセシビリティが向上、新しいAPI 利用のためにYouTubeとVimeoのレンダリングがアップグレードされました。また、HTTPSを使用するWebサイトのMacOS、iOS10対応が追加されました。
その他のマイナーな変更
約8年前にSWFUploadでの開発を中止したため、WordPressFoundationはコアからのSWFUploadライブラリ削除を決定しました。
WordPress 4.9では、プラグインや翻訳ファイルをきめ細かく管理できるようになりました。また、利用可能なユーザーの役割と権限をより信頼性が高い一貫性のある方法で更新できるように、マルチサイトでのサイト切り換えプロセスも改善しています。
次はどうなる?
メジャーリリースとなるWordPress5.0が2018年中頃に予定されています。バージョン5.0では新エディターGutenbergが導入され、より小さなブロックや高度なレイアウトオプションが追加される見込みです。投稿やページの作成が簡単になり、現状ではカスタムHTMLやショートコードが必要な作業がやりやすくなることを目的としています。