開催前、SeleQtでもCEATEC JAPAN 2016について、記事で開催概要や出展情報をお伝えしていたのですが、やはり、どのようなイベントなのか気になりまして、先週6日(木)午後、実際に千葉県の幕張メッセに足を運んできました。
今年のCEATEC JAPANはコンセプトやエリア構成を大幅に見直した「IoT総合展」という位置づけだったようで、ビジネスでIoTに関わる方はもちろん、そうでない方にとっても興味深いイベントだったのでは?と思えました。
JR東京駅から京葉線経由でJR海浜幕張駅まで向かい、駅から幕張メッセまで徒歩15分ほど。会場に一歩入ると多くの人、人、人が行き交っていました。入場料は当日登録で一般1,000円・学生500円でしたが、WEBで事前に登録を行うことで無料となりました。
会場内はテーマ別に6つのエリアに分かれて各社ブースを設置して製品やサービスの紹介をしていたほか、各会議室などでは多数のコンファレンス。講演・セミナーが実施されていました。
今回は、筆者が最も興味を持ったCPS/IoTを支えるテクノロジ、ソフトウェアエリアからのレポートを中心にお送りします。
たくさんの展示ブースが並ぶなか、筆者が目を奪われ興味を持った製品・サービスを中心に取材をさせていただきました。この場をお借りしてですが、快く対応をいただきました各社の皆様、本当にありがとうございました。
手書きは一切不要に?AI配置機能でちょうど良い場所に文字を上書き入力してくれるソフト「すごい位置合わせPRO9」
まず、最初に興味を持ったのは、株式会社シルバースタージャパンのブース。同社は「すごい位置合わせPRO9」をプロモーションされていました。
仕事や業務で使う書類、例えば見積書や企画書。パソコンでサクサク入力をして終わらせたいところです。しかし、あらかじめエクセルやビジネスアプリなどで作成された定型フォーマットに入力するだけならカンタンなのですが、役所や銀行、取引先など自社以外のオリジナルフォーマット様式に記入する場合だとそうはいきません。
エクセルでフォーマットや様式を同様に再現しようとすれば時間と手間がかかりますし、仕方なく手書きに。筆者もそのような場面に何度も遭遇しているのですが、その度にこういうソフトがあればいいのに…と思っていました。
「すごい位置合わせPRO9」は、自社以外のフォーマットや様式をスキャナーで取り込むことでフォーマットを瞬間再現。文字を挿入したい場所に直接上書き入力できてしまいます。
また、このソフトのすごいところは「AIオブジェクト配置機能」完備。ソフトが様式を自動的に分析、最適な場所に文字枠を設定してくれるのです。
繰り返し使う場合はテンプレートとして登録し、いつでも呼び出して作成が可能に。
こういうソフトって正直、高いのでは?と思っていたのですが標準価格7,800円+税とお手頃なのです。
興味のある方は体験版も利用できる下記サイトまでアクセスを。
http://www.ichiawase.jp/
技術・IT・特許など2000分野の専門用語を網羅した株式会社ロゼッタの翻訳サイト「熟考」
出展ブースのなかでもシンプルなのに目を惹くディスプレイで目立っていたのが「熟考」です。また、出展ブースで商品説明をされていたのが、さわやかな笑顔が印象的な株式会社ロゼッタMT事業部の胡さんでした。
熟考は、インターネットとAI技術を融合した次世代自動翻訳サービスで、次のような特徴を持っているとのこと。
1.前後の文脈を判断し膨大な辞書データをもとに精度の高い翻訳を実現
2.ワード・エクセル・PDFなどもそのまま、Webサイトはレイアウトを維持して翻訳
3.単語を翻訳するときに専門分野別に使用頻度を解析しスコアで表示する「究極の辞書」
4.最終的に翻訳者が修正してくれるリライトオプション
5.ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)なのでインストール不要
6.中国語・韓国語も追加可能
7.平日のみ安心の電話によるユーザーサポートあり
なお、リライトオプション(英語⇔日本語)の料金、初期費用、年間利用料など詳細は株式会社ロゼッタにお問い合わせください。
熟考ホームページ
http://www.jukkou.com/z/
【テクトロニクス社】表示画面がカッコいい、IoT時代のUSBリアルタイム・スペアナ
多くの展示ブースのなかで最も近未来の様相を醸し出していたと思われる華やかなブース。特にテクトロニクス社のブース外観は一際目立っていたと思います。
同社はスペアナ(スペクトラム・アナライザ)を展示していたのですが、やはり目を奪われたのは測定結果画面のビジュアルです。とにかくカッコいいんです。
あくまでも筆者の個人的な感想ですが、光源がきれいでなめらかに見え、ストレスを感じない美しさがそこにはありました。
スペクトラム・アナライザは、カンタンに言えば周波数と電圧・電力をグラフで表示する電気測定器のこと。具体的にどのようなことができるのかといえば、RF評価、IoTデバイスの通信テスト、ノイズ測定、無線LAN/Bluetooth/無線モジュールの評価・解析、RFコンポーネント評価、IEEE802.11p変調品質測定、他、多岐にわたるそうです。
同社のシリーズ、RSA306B/RSA500Aシリーズ/RSA600Aシリーズは、PC上のソフトウェアとUSB接続のフロントエンドで構成されたもので、軽量タイプ、フィールド測定タイプ、本格的な高性能タイプの3つを展開しています。低コスト・低価格でRF評価を行いたいとお考えの企業や部門、部署の方は一見の価値があるかもしれません。
Tektronix テクトロニクス社
http://jp.tek.com/
ウェアラブルグラス×Wi-FiでLIVE中継ができる!株式会社エヌアイデイ「グラスライブ・コネクト」
エリア内出展ブースで筆者が興味を持った最後の製品はビュージックスのウェアラブルグラスです。
メガネ装着タイプで、ディスプレイ・マイク・スピーカーが一体となっているコンパクトな機器です。microUSBコネクタ完備で充電やデータ通信、ファームウェアのアップデートも行えます。
このウェアラブルグラスで可能となるのがLIVE中継「グラスライブ・コネクト」です。
例えば、作業者が装着し、遠隔地の指導者がパソコンやスマホで作業者側のビューイングを見ながら指示を出し、相互に確認をしながら間違いなく作業を行うことができます。これで、指導者の移動や作業者の教育コストの削減だけではなく、作業のやり直し防止やトラブル発生時の備えにもなるのだそう。
また、株式会社エヌアイデイ営業本部の中田さんによると「このスマートグラスは、取引先同士や店員と顧客もつなぐこともできるんです。すでに導入している店舗もあるんですよ」と言います。
店員が装着し商品を手にとって取引先の方や一般の消費者に見せてあげることで店舗に来店しなくてもリアルなお買い物の実現やサポートができるように。また、ショールーム見学や不動産の物件内覧も可能にします。
商品・サービス提供者はもちろん、忙しい、遠いなどという理由で足を運べない方々にとってもこのスマートグラスの恩恵を受けることができそうです。
なお、このLIVE中継は良好な画質音声で行うためWi-Fi環境が必要。初期費用も30,000円、継続費用も1回線あたり月額30,000円程度。本体も税込99,900円と10万円を切っています。
作業をより効率化したい、顧客の来店機会の拡大を狙いたい事業責任者や経営者の方は、ぜひ、このスマートグラスとグラスライブ・コネクトを導入してみてはいかがでしょう?
株式会社エヌアイデイ
http://nid.co.jp/
CEATEC JAPANは、もうすでに来年の開催も決定しています!
会場でいただいたコンファレンスプログラム&会場案内図のなかに次回開催予定として2017年10月3日(火)~6日(金)と明記されていました。
CEATEC JAPAN に興味を持たれた方はぜひ、来年の同時期、幕張メッセに行かれてみては?