キャラクターイベント大好きな方、そして大きなお友だちの皆さん。
お待たせしました、往年のあの「いたたまれなさ」を解消する音声テクノロジーが誕生したようです。
その「いたたまれなさ」とは、幼少期に見たテーマパーク等で開催される戦隊ヒーローショーでしばしば味わうアレのことです。
華麗なステージパフォーマンスで悪を討つヒーロー。おそらくプレスコ(※編集註:アフレコの反対で、あらかじめ録音された音声に合わせて演技をつける)を用いて、ステージ上ではいつもテレビで聞くあの声で饒舌に話すヒーローたち。
そしてステージ終了後、「握手&撮影会」が始まりますね。
ところが!!
ステージではあれほど饒舌に話していたヒーローは急にだんまりを決め込むのです。
声を枯らしてヒーローの名を叫んでも、ヒーローたちは「うんうん」と頷いたり、手を振り返してくれるだけで一声も言葉は発してくれません。だってそりゃ中の人は……
しかしもう未来の子どもたち、そして大きなお友達と中の人もこの「いたたまれなさ」から解放されることでしょう。
クリムゾンテクノロジー株式会社と奈良先端科学技術大学院大学戸田智基客員教授(名古屋大学教授)の研究グループが共同で開発した「リアチェンvoice」の登場によって!
「リアチェンvoice(プロ版)」の仕組みは上図です。
まず事前にショーアクター(中の人)とオリジナルのキャラクター音声を録音しておきます。それを学習システムに記憶させ、音声変換モデルデータ(Pupack)を作成します。さらにこのデータをキャラクター音声変換装置にインストールすることで、ステージ上のショーアクターの声をオリジナルのキャラクターの音声に変換することができるのです。
早い話が、この音声変換装置を通せば中の人が何をしゃべってもオリジナルのキャラクター音声として声が出力されるというわけです。
「いつも応援してるよ!」と声をかければ「ありがとうっ!」という返答があの声で期待できますし、「手術なんか受けたくないんだ……」と言えば「勇気を出して!私も戦うから」と励ましてくれるかもしれません。
なんともすごいテクノロジーですが、一方で今後は中の人のアドリブ力・トーク力が問われるようになるかもしれませんね。
ちなみにこの「リアチェンvoice」の初お目見えは、下記スケジュールです。
■第3回ライブ&イベント産業展
日時:2016年7月6日(水)~8日(金)
場所:幕張メッセ4・5・6ホール