株式会社電通の社内横断組織「電通宇宙ラボ」は、株式会社アクセルスペースとの協働により、超小型衛星のデータ解析を利用した新たなマーケティングソリューションの開発に乗り出すといいます。
また、株式会社電通デジタルも「電通宇宙ラボ」に参画していくことになりました。
このビジネスが始動することになったのは、「宇宙ビッグデータ」に世界が注目し始めているからだそうです。
超小型衛星からの画像データに加え、GPS位置情報や急速に普及しつつあるIoT技術、それらを処理するAIとの統合により、マーケティング活用も多方面で進み始めており、例えば、
・収穫量のモニタリング(農業)
・人の流れに合わせた出店計画(流通)
・グローバル規模での交通渋滞の把握(自動車)
・世界で発生する山火事などの早期発見(林業)
・北極海氷解時の最短航路計測(海上運輸)
などが挙げられるそうです。
アメリカでは、すでに民間企業による事業化が進んでいるそうですが、日本においても民間の超小型衛星事業の動きが盛んになりつつあるとのこと。
アクセルスペースは2017年に超小型衛星の打ち上げを開始し、2022年までには50基の衛星による世界全土の毎日観測開始を予定しているそうです。GPS位置情報などを含む画像データが、年間数ペタバイト規模で取得されるシステムになる見通し。まさに「宇宙ビッグデータ」と呼ぶにふさわしい新しい情報インフラへと成長していきそうです。
また、6月に発足した「電通宇宙ラボ」は、このソリューションにプロデューサー、デジタルプランナー、データサイエンティストを配置し、衛星の解析データと地上の多様なデータを掛け合わせていくといいます。
大量の画像解析や情報抽出に最新のAI技術を応用し、顧客ニーズに合わせて、カスタマイズしたサービスを提供する予定のようです。
もしかすると、数年後は「宇宙ビッグデータ」をモノづくりなど仕事で用いるのが当たり前の世界になるのかもしれませんね。