最近くだらないものを買った記憶はありますか?
これって結構あるはずです。なぜなら人の消費行動は生活必需品だけを買って終わるほどシンプルで合理的なものではありません。
例えば、帰り道になんとなくコンビニに寄り、特に欲しいわけでもないお菓子を買う――これってもう「消費のための消費」としか言いようがありません。何かを買いたいけれど、特定の何かを買いたいわけじゃない。でもなんとなく買い物がしたいので、安価な駄菓子で消費欲求を満たす、そんな「純粋な無駄を志向した無駄のための消費」。
早い話が、私たちは本質的に「無駄遣い」をしたがる生き物なのです。同時にこうした「無駄遣い」はかなり高度な消費行動と言えるのではないでしょうか。
さてそんな「純度の高い無駄消費欲求」を満たしてくれるWebサービス(?)がこの世には存在するようです。
それが上図の「HIGHSCORE.MONEY」。(※編集註:アクセスすると音楽が流れます)
このサービスで何ができるかと言うと課金ができます。そして課金額に応じたランキングに名前を載せることができます――以上です。
一応実利的なことに触れておくと、ランキングには名前とWebサイトへのリンクが張れます。そのためこの「HIGHSCORE.MONEY」上で自サイトの宣伝をすることはできるかもしれません。またランキング上位に掲載されることで、ちょっとした承認欲求も満たしてくれるかもしれませんね。
ちなみに運営者によると、これまで同サービスに課金された総額は「770米ドル(=約85,000円)」。また現在(2016年5月)のランキング1位は「JasonDoesStuff」という自称「行動者」の方。
どんな人か気になったのでちょっとプロフィールを覗いてみると、
(2009-2013年) 頼まれたTシャツを着る「IWearYourShirt」というWebサービスをローンチし、1,600社以上の企業のTシャツを着用。結果100万米ドル(=1億1,000万円)以上を獲得。
(2012年) 自分の名字を売る(しかも二回)。最初の落札者は「Headset.com」という企業だったため、この契約時期の名前は「Jason Headset.com」氏だったそうです。
(現在)自身の 未来を売っている。
……危険な香りがするのでこちらの方にはこれ以上立ち入らないことにして話を戻すと、注目すべきは「HIGHSCORE.MONEY」のアイデアの画期性ではないでしょうか?なぜなら、もし、万が一、この「HIGHSCORE.MONEY」がたくさんの人の話題に昇りトラフィックを集めることになれば、媒体価値が上がります。そうなるとランキング上位に掲載されるための課金額は高騰し、「HIGHSCORE.MONEY」は自走し始めることになります。
なに一つ生まない他力本願で厚かましいビジネスモデルですが、「HIGHSCORE.MONEY」はWebサイトの価値とはなにか?を世に問う大いなる実験とも言えるのではないでしょうか?