Windows、MacOS、Linuxなど、世界中で利用されているOSは定期的にアップデートされていますが、その基礎にあるものは数十年前に作られたものです。このままでは、これからの急速なハードウェアの進歩についていくことができなくなるのではないか、と考えたエンジニアが新しいOSを生み出しました。
Minoca OSです。
2016年10月31日、Minoca OSがオープンソース化されることが発表されました。
そのすべてのソースコードは以下URL先にて公開されております。今後、コミュニティを形成し、多くの開発者の協力によってMinoca OSはより洗練されたOSとして開発が進むことが期待されます。
Minoca OSとは何か
Minoca OSは汎用的なオペレーティングシステムで、デバイスの電力やメモリー、ストレージなどのリソースを極力必要としないコンパクトな設計になっています。Minoca OSは、現存するソフトウェアとの互換性を持った運用効率の良い“無駄のないOS”を目指しており、小型デバイスでも搭載できる“フル機能のOS”として開発されています。
一方、アプリケーションに関しては、パッケージマネージャー(opkg)やPython、Ruby、Git、Lua、Nodeを採用しています。Minoca OSはカーネル層とデバイスドライバーのコミュニケーションに強力なドライバーモデルを搭載。それによって、カーネル層のコンポーネントをアップグレードする際にデバイスドライバーを再コンパイルする必要がありません。
Minoca OSが必要な理由
Minoca OSは2人の開発者によって数年間かけて開発されました。
彼らがMinoca OSを手掛けた理由は、主要なOSは開発されてから既に25年もの月日が経っており、それらのOSはハードウェアの目覚ましい性能向上に上手く適応できておらず、新しいOSが必要だと感じたからです。
カーネル、ドライバー間のインターフェイスを刷新することで新しい可能性を見出しました。電力管理、サービサビリティ、リソースアイソレーションなど現代のデバイステクノロジーには欠かせない機能をシンプルかつ少ないプログラムコードで実現することに挑戦しています。
今後の課題
今、Minoca OSの一番大きな問題は単純に広く利用されていないというところにあります。
開発者としても今後の改善としていくつか目星はついているものの、更なる改善のためにはユーザーからのフィードバックが必要になってきます。現在最新版のユーザビリティーや問題点、クラッシュせず安定的に稼働するか、どのような新しい機能が追加されれば利便性が向上するか、などの情報を集めなければなりません。
もう一つの大きな問題は開発者が2人しかいないということです。OS自体は稼働するのに問題ありませんが、それでも多くの課題が残されております。現在、Minoca OSは開発者を募集しています。
将来性に大きな期待
Minoca OSは全く新しいOSということで、従来のOSのメリット・デメリットを吸収しながら、現代のデバイスに最適化する素晴らしいOSになるでしょう。リソース不足など課題もありますが、完成すればより軽くてシンプルなフル機能OSが誕生することになるので、今後も目が離せません。
ユーザーからのバグレポートはサービス改善のための貴重な貢献だったのですね。
この記事は「Minoca OS: A new open source operating system」を翻訳・参考にしています。