通勤時にスマートフォンで会議の書類を見直したり、スマートフォンの画面で小説を楽しんだり…。
そういったことは「当たり前」かもしれません。しかし、小さい画面のスマートフォンで読んでいると、なんだか理解が追いつかないと感じた経験はないでしょうか?
ウェブ上のコンテンツが、小さいスクリーンのモバイルと大きいスクリーンのパソコンで読まれた場合に理解度に違いは出るのかを調査する実験を行いました。
実験結果
理解度
パソコンではなくモバイルで文章を読んだ場合の方が、理解度が3%高いという結果になりました。
難解な記事の場合
難解な文章と簡単な文章を読んだ際の理解度の差を、モバイルとパソコンで比べました。モバイルで難解な記事を読んだ際の理解度の下がり幅が、パソコンでの同値よりも大きいという結果になりました。
理解度の違い:パソコンVSモバイル
簡単な文章 難解な文章
読解スピード
簡単な文章はモバイルでもパソコンでも同じくらいの速さで読まれましたが、難解な文章は、モバイルの方がより時間がかかりました。
読解スピード(ミリ秒/語):パソコンVSモバイル
簡単な文章 難解な文章
考察
キーポイント
モバイルとパソコンで簡単な文章を読んだ際の理解度はほぼ変わりませんでした。これは、モバイルデバイスがパソコンと同じ程度の機能を持っているということでしょうか。いいえ、違います。
第一に、モバイルの性能は未だにパソコンにはかないません。重要なことは、多くのウェブコンテンツは文章以外の要素を含むということです。特にウェブショッピングサイトなどは多くのナビゲーションや相互作用が関わってきます。
第二に、実験結果から見えるように、難解な文章の場合、モバイルユーザーはパソコンで文章を読むよりも多くの時間をかけなければなりません。
モバイルコンテンツのすすめ
短く、簡単な文章はデバイスに関わらず早く読むことができます。例えば以下のような文章です。
・一般的なウェブユーザーに向けて書かれている(難しい話題/難しい言葉でない)
・エンターテイメントとして提供されている
しかしながら、ウェブ上のある程度の記事は、医療や金融、科学など難解な分野です。これらの記事をモバイル上で理解するためには、読者は時間をかけて努力しなければなりません。また、モバイルでは多くのことを外出中に行うため、周囲の環境によってユーザーの注意力や集中力が揺らぎます。
このことから、大多数のモバイルコンテンツに関して、簡潔さと優先順位が明確であることが必要といえるでしょう。
※本稿はReading Content on Mobile Devicesを翻訳・再編集したものです。