衣服や車や場所など、余っているモノを人と貸し借りするシェアリングサービス。宿泊サービスの「Airbnb」や配車サービス「Uber」など世界的に有名なものは日本にも上陸しています。
サービスが登場して間もないシェアリングサービスに対して、世間はどのような意見を持っているのでしょうか?利用率はどのくらいなのでしょうか? 気になる世論をアンケート結果とともにご紹介します。
認知率は70%を超えるが、利用率は1%以下
まずはシェアリングサービスの認知度についての調査結果をご紹介します。
インターネットだけではなく新聞や雑誌でも紹介されているからか、認知度は高く7割強。「内容まで詳しく知っている」は9.4%、「聞いたことがある程度」は61.8%となっています。高年代層ほど「聞いたことがある程度」の比率が高く、10代は「知らない」が7割強と、世代によって認知度が大きく違っているようです。
しかし、認知度は一定数あるものの、直近1年間に貸す側でシェアリングサービスを利用した人は0.6%、借りる側では0.8%となっており、統計的にみても実際に利用している人は1%程度という結果になりました。
カーシェアリングが一番人気
利用自体は少なくても、シェアリングサービスを借りる側で「利用したい」と考えている人は10.0%となっており、「利用したくない」は57.3%です。
どのようなサービスを使ってみたいかという質問には、「個人間カーシェア」が37.2%で最大で、他には「レジャー・旅行用品のシェアリング」「知識・経験のシェアリング」「ライドシェア」「人手のシェアリング」がそれぞれ2割弱となっています。
シェアリングサービスを使いたい理由とは?
直近1年間にシェアリングサービスで借りたことがある人に、利用した理由を聞いたところ、「低価格で利用できる」「短期間・数回しか使わないのでもったいない」「維持管理をしなくてよい」が上位にあがっています。以下、利用したい理由、利用したくない理由、どちらともいえない理由の世間の意見です。
▼ 『利用したい』
・海外では浸透していることだし、一度利用してみたら良いかもしれないと考えるから。(女性23歳)
・数回しか利用しない子供用フォーマルウェア等は買うより借りた方が効率的。(男性64歳)
・今は企業が運用しているカーシェアリングサービスしか使ったことがないが、仲介サイトを通せば個人間の貸し借りだと範囲が広がったり、もっと融通が利くような気がするから。また、個人の間に仲介サービスがいればトラブル回避にもつながりそう。(女性47歳)
▼ 『利用したくない』
・貸し借りは問題が起きた際面倒であり、借り物を使っているまたは貸しているという不安は大きくストレスになるため。(男性21歳)
・自分の使いたい時に使えるとは限らないし、人と何かを共有するのはいやだから。(女性48歳)
・レンタル会社のものならいいけど、個人所有のものを借りると、壊してしまったりしないか心配だから。会社所有のものなら金銭で解決できるけど、個人のものは所有者にとっては多少でも思い出のあるものだろうから申し訳ない。(女性41歳)
▼ 『どちらともいえない』
・経験・知識を教えるのはいいが、個人の品物を貸す・借りるのには抵抗がある。(男性42歳)
・手続きが面倒な印象を受け、また、全く知らない人から借りるのは、何となくリスクが潜んでいるような気がする。ただ、実際に借りて見たら、印象が変わるかもしれない。(男性63歳)
最後に
まだまだ抵抗感がある人は多いものの、シェアリングサービスの規模は確実に拡大しており、勢いのあるスタートアップも数多く世に出ています。「利用したくない」「どちらともいえない」という意見の人の多くはトラブルに巻き込まれるリスクを煩わしいと考えているようなので、そのリスクをどのように軽減されるかがこれからのシェアリングサービス普及のカギになってくるのかもしれません。
詳細情報
調査会社:マイボイスコム株式会社
実施期間:2016年6月1日~5日
データ数:11,323件の回答
【調査結果】 http://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=21513