副業の賛否
昨今では「副業」という言葉が「働きかたの多様性(ダイバーシティ)」の文脈で語られるようになりました。大小さまざまな理由がつけられそうですが、単純にインターネットと大容量データ通信の普及で、誰でも自宅で簡単に副業を行える環境が実現したという極めて現実的な要素が一番大きいのかもしれませんね――Webクリエイターの方ならクラウドソーシングサービスなども充実してきていますので、副業をはじめるハードルはさらに下がっています。
さてそんな「副業」ですが、大半の企業の就業規則では禁止されています。しかし一方で政府をはじめ副業を推奨する企業も出始めています。また筆者が以前勤めていた企業では「(本業の)業務と関連性のない事業なら可」と部分的に認めるような規則もありました。
まさに「副業」をめぐっていま雇用者―雇用主双方が揺れていると言っても過言ではない状況ですが、上図のアンケート結果は「フリーキャリア総研」を運営する株式会社もしもが行った調査結果(インターネット調査、n=722)です。
さらにこれを年齢層のセグメントで分類したものが下図になります。
興味深いのは、「30代」の賛成率が81.0%と各年齢層中で最多だったことで、この年齢層では「転職」というややリスクを伴う選択肢よりも「本業でベーシックインカムを得ながら、副業で+αを得よう」という志向の方が多くなるのかもしれませんね。
実際に、こうした30代の回答者の声に耳を傾けると、
「少子高齢化なので1人当たりの働く価値を高めた方が良い」(30代・男性)
「複数の会社や職業につくことで、1つの企業だけに勤めているよりもはるかに視野や考え方が広がる」(30代・女性)
と、単なるお小遣い稼ぎというよりも社会的なバリューやキャリアアップを副業に求めている視線が印象的です。
一方で、「反対派」の声は、
「1つの仕事に専念すべき」(50代・女性)
「本職だけでやっていける世の中にすべき。」(40代・男性)
となっています。確かに一流のデザイナーを目指す人がデザイン以外の副業に精を出している姿には違和感を感じるでしょうし、また政府が後押しするのは副業ではなく従業員の給与が上がる仕組みを作ることでは?という指摘も一理ありますね。
「賛成派/反対派」双方の意見がありますが、Webクリエイターにとってはかなり身近な存在である「副業」。あなたは賛成?それとも反対?
【フリーキャリア総研】