「テレノイド」をご存知でしょうか? 写真の彼?彼女?がそうです。
テレノイドは人間としての必要最小限の見かけと動きの要素のみを備えた遠隔操作型ロボットです。男性とも女性とも、幼い子とも高齢者とも見えるデザインとなっており、個人個人が持つ特徴を極力省いています。このデザインにより、遠隔地で操作している相手があたかも側にいるような存在感の伝達を実現します。
開発者の石黒浩 大阪大学特別教授は、人間そっくりなアンドロイド「ジェミノイド」(Geminoid)の開発者としても知られる日本を代表するロボット工学者の一人です。
テレノイドの顔には髪もなければ眉毛もない、耳さえも省略されており、色のない唇は無表情で、はにわのような真っ白の顔に黒目がちな目があるのみ。手足のディテールも省略、脚もなく、まるで胴体だけのトルソー(マネキン)のような姿は、はっきりいって「異形の生き物」と言わざるを得ません。初見の感想はふつうの人なら「恐い」に尽きるのではないでしょうか。
しかし、それこそが石黒教授の狙いなのだといいます。
「人は情報が足りないとポジティブな想像で補う」という人間心理を活用し、テレノイドと対峙するユーザーが思い思いの姿を投影することが可能になるように意図されたものなのだそうです。
活用方法の可能性は様々にありますが、すでに高齢者施設などで、テレノイドを使った遠隔見守りサービスに活用され、効果をあげているそうです。
テレノイドのことをよく知らない私達にとっては、自分たちの「知らない」を投影したテレノイドは「不気味なやつ」と映りますが、使い手が変わればどのように印象が変わっていくのか。
テレノイドのホームページに掲載されている実例がとてもわかりやすいのでご紹介します。
誰ともコミュニケーションができなくなってしまった認知症の女性患者さんが、唯一テレノイドに心を開き、人とのコミュニケーションを取り戻した実例のお話が掲載されています。
その方はテレノイドを連れてきた介護コンサルタントの女性を「お母さん」、テレノイドを「その子供」と認識し、子育ての苦労話やアドバイスなどを語ったそうです。
これが異形のテレノイドの潜在能力なのか!と考えさせられます。
認知症コミュニケーションのコツとテレノイド活用の可能性
http://telenoid-planning.jp/medi_001/utako001
さて、そんなテレノイドですが、8月3日(水)から8月14日(日)まで、新宿髙島屋11階特設会場で開催される「新宿高島屋開店20周年記念 ・すぐそこの、ミライ 暮らしとロボット展」にて、ベータ版の先行販売予約受付・本体体験会・本機の展示が実施されています。
一般の人の前に広く公開され、体験が可能となるのは今回が初めてということで、大いに注目を集めています。
また、ロボット展の会場来場者限定で、開発中のベータ版テレノイドを1台限定で販売が行われます。価格は、本展示会限定の108万円(税込)とのこと。
体験会は、8月3日(水)・6日(土)・7日(日)・13日(土)・14日(日)の5日間で開催。テレノイド本体を用いた会話体験と、PCを用いた遠隔操作の体験を行うことが出来ます。
興味のある方はぜひ、高島屋までお急ぎください!
【新宿高島屋開店20周年記念 ・すぐそこの、ミライ 暮らしとロボット展】
会 場:新宿髙島屋11階 特設会場
開催期間:2016年8月3日(水)〜14日(日) 12日間
開催時間:10:00-20:00
※但し、5日(金)、6日(土)、12日(金)、13日(土)は10:00-20:30
最終日14日(日)は、10:00-18:00
入 場 料:一般:500円 大学・高校生:300円 中学生以下無料(すべて税込)
【テレノイド計画について】
テレノイド計画は、大阪大学石黒教授が開発したアンドロイド「テレノイド」を用いた事業化のため設立されました。テレノイドの特長を活かし、要介護高齢者の方々とご家族の会話促進、A.I.分野でのインターフェイスの開発など全く新しいコミュニケーション·サービスを企画·提供する事業を行っています。
■テレノイド計画HP:http://telenoid-planning.jp/
■公式 Facebook:https://www.facebook.com/telenoidplaning
■公式 Twitter:https://twitter.com/telenoid_jp
※トップ画像は公式Facebookより引用
※「テレノイド」「Telenoid」は、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の登録商標で、株式会社テレノイド計画は、ATRから使用の許諾を得ています。