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ひと口に「コンピュータ」と言っても5種類あります。それぞれの機能と目的は?

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本記事は、5 Different Types Of Computers | By Function and Purpose
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約5分2秒

コンピュータは、プログラムと呼ばれる一般化された一連の操作に従って、極めて広範な作業を行います。スマートフォンや産業用ロボットなどの工場用機器をはじめ、様々な民生機器や産業機器の制御システムとして利用されています。

 

最初の機械式コンピュータは、19世紀初頭にイギリスの数学者チャールズ・バベッジによって発明されました。彼はプログラム可能なコンピュータの概念も提唱しましたが、現代のコンピュータの基礎は1936年にイギリスの数学者アラン・チューリングによって発表されました。

 

現在、コンピュータはいくつかの方法で分類することができます。この記事では、デジタルコンピュータをその目的と機能に応じて分類しています。

 

1. マイクロコンピュータ

 

例:スマートウォッチ、産業用組込みシステム、ゲーム機

 

マイクロコンピュータ(またはパーソナルコンピュータ)は、マイクロプロセッサ、メモリ、入出力回路を1枚のプリント基板に組み込んだ比較的安価な機器です。

 

20世紀後半、高性能のマイクロプロセッサの登場により普及しました。その前身であるミニコンピュータやメインフレームは、比較的高価でかさばるものでした。

 

マイクロコンピュータの現代版として、デスクトップパソコン、ゲーム機、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、プログラマブル計算機、車載コンピュータ(ナビゲーションやエンターテインメントのために自動車に組み込まれる)などがあります。

 

注:組込み型コンピュータもこのカテゴリーに含まれます。特定の作業を行うために設計されたもので、不揮発性メモリ【外部からの給電がなくても記憶内容を維持することができるタイプの半導体メモリ】に格納されたプログラムを実行します。例えば、洗濯機はマイコンを1つだけ搭載した組み込み型コンピュータです。

 

2. ミニコンピュータ

PDP-8/e

 

例:PDP-8、LINC

 

ミニコンピュータは、1960年代にIBMとその直接の競合他社が開発した中型のコンピュータです。シングルチップCPUマイクロプロセッサの登場により、マイクロコンピュータと最小のメインフレーム・コンピュータの中間に位置するマシンを意味するようになりました。

 

ミニコンピュータは、BASICやFortranなどの高水準言語で記述されたプログラムを実行することが可能でした。また、独自のアーキテクチャ、オペレーティングシステム、ソフトウェアを持つほか、計測器や通信交換用に設計されていました。

 

1980年代の終わりには、ミニコンピュータはマイクロコンピュータ、ファイルサーバー、ワークステーションに取って代わられました。これは、安価なマイクロプロセッサベースのハードウェアと、簡単に導入できるローカルエリアネットワークシステムが登場したためです。

 

3. メインフレーム・コンピュータ

IBM z13メインフレームの内部

 

例:IBM zEnterprise System、日立zSeries

 

メインフレームは、ミニコンピュータやマイクロコンピュータよりも処理能力の高い大型のコンピュータです。大規模な組織で、大量のデータ処理、トランザクション処理、企業資源計画、その他の重要なアプリケーションに主に使用されています。

 

大量のデータを短時間で処理することが可能なマシンですが、現在のメインフレーム・コンピュータは、動作速度よりも、次のような要素が特徴となっています:

 

・信頼性が高く安全な内部設計
・メモリとプロセッサのホットスワップ【電源投入状態での周辺機器の交換】
・旧プログラムとの後方互換性
・入力・出力設備の拡張
・印象的な高い計算機利用率

 

これらのコンピュータは、しばしばサーバーとして使用されます。サーバーとは、「クライアント」と呼ばれる他の機器やプログラムに対して機能を提供するシステムのことです。このクライアント・サーバー・アーキテクチャは、例えば、クライアントのために計算を実行したり、複数のクライアント間でリソースやデータを共有したりするなど、様々な機能(サービス)を提供します。

 

サーバーの種類としては、ファイルサーバー、データベースサーバー、Web・アプリケーションサーバー、メールサーバー、ファイルサーバー、ゲームサーバーなどが代表的です。

 

すべてのサーバーは、RAIDディスクシステム、二重電源、ECCメモリ、ブート前の大規模なメモリテストと検証などのハードウェアの冗長性を含んでいます。ミッションクリティカルなサーバーは、ダウンタイムを最小限に抑えるため、故障率の低い特殊なハードウェアを使用し、非常に高い耐障害性を持っています。

 

4. スーパーコンピュータ

世界最速のスーパーコンピュータ「Summit(サミット)」の構成要素
画像出典:Carlos Jones

 

例:IBM Summit、Sunway TaihuLight、Tianhe-2

 

スーパーコンピュータは、他のどのクラスのコンピュータよりも高いレベルの性能を備えています。その性能は一般に1秒あたりの浮動小数点演算数(FLOPS)で測定されます。

 

暗号解読、物理シミュレーション、分子モデリング、天気予報、気候研究、量子力学など、様々な分野で計算量の多いタスクに使用されています。

 

計算速度、メモリサイズ、帯域幅、レイテンシ【通信の遅延時間】、入出力技術などの観点から、スーパーコンピュータは最も強力で非常に高価(数千万円)なマシンです。バッチ処理やトランザクション処理など、平凡なタスクに使うのは費用対効果が悪いでしょう。

 

2019年現在、Summitと名付けられた世界最速のスーパーコンピュータは、200 PetaFLOPSのピーク速度に達することができます。さらに、ゲノム解析中に1.88ExaOpsのピークスループットを達成した最初のスーパーコンピュータでもあります。

 

世界最速のスーパーコンピュータは、すべてLinuxベースのOSを搭載しています。2018年現在、トップ10のスーパーコンピュータを合わせると、1ExaFLOPS(1018)の大台を超えました。

 

現在、アメリカ、中国、日本、台湾、欧州連合など複数の国が、さらに高速で技術的に優れた(1秒間に5億回の計算が可能な)スーパーコンピュータの開発に向けた研究を行っています。

 

メインフレームとスーパーコンピュータの違い

1. メインフレームはバッチ処理やトランザクション処理に重点を置き、スーパーコンピュータは科学や工学の複雑な問題に使用されます。

 

2. メインフレームの性能はMIPS(ミップス:Million Instructions Per Secondの略称、100万命令/秒)で測定されることが多いのですが、スーパーコンピュータの性能はFLOPS(フロップス:floating point operations per secondの略称、コンピュータが1秒間に処理可能な浮動小数点演算の回数を示す単位)やTEPS(traversed edges per secondの略称、スーパーコンピュータにおいて通信容量と計算力の両面を評価する指標)で測定されています。

 

5. ワークステーション

HP Z820ワークステーションの内部

 

例:HP 9000、ソニーNEWS、Sun Ultra 20

 

ワークステーションは、科学技術用途に特化して設計されています。これらのマシンは、一度に一人のユーザーにサービスを提供することを目的としており、通常、ローカルエリアネットワークに接続されます。

 

「ワークステーション」という言葉は、主にネットワークに接続されたパーソナルコンピュータからメインフレーム端末までのすべてを指します。

 

パーソナルコンピュータに比べ、CPU、グラフィック、メモリ、マルチタスクなどの性能が高くなっており、複雑な工学シミュレーション、高画質のアニメーションやレンダリング、3次元の機械設計など、複数の種類のデータを操作するために最適化されたマシンもあります。

 

昨今のワークステーションは、x86-64マイクロプロセッサを使用し、Apple macOS、Microsoft Windows、Linuxディストリビューション、Oracle Solaris、FreeBSDなどの様々なオペレーティングシステムを実行しています。

 

ECCメモリ、複数のプロセッサソケット、強力なプロセッサとグラフィックカード、マルチディスプレイ、パーソナルコンピュータでは利用できない高度な機能を持つオペレーティングシステムを搭載しています。

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