・「Flying-V」と名付けられたこの新しいコンセプトは、飛行機のデザインにまったく新しいアプローチを取り入れている。
・ 燃料タンク、貨物倉、客室をウィング内に統合している
・ 空気抵抗が小さく、要する燃料は現在の先進的な飛行機より20%少ない
20世紀に入ってからというもの、航空業界では数多くの実験的な航空機の設計が行われてきました。成功したものも何機かありましたが、ほとんどは惨敗でした。計画、デザイン、テストの過程は小型のターボプロップでは最長4年かかり、大型の商用機ではそれ以上の時間がかかります。
近年オランダの航空会社KLMが、ウイング内に客席を設置する、これまでにな航空機の開発に資金提供する意向を発表しました。また、同社はデルフト工科大学と協力する新たな提携契約を結びました。奇をてらった計画にも思えますが、KLMは長年にわたってさまざまなレベルの持続可能性イニシアティブを開発し、投資してきました。
革新的なフライトコンセプト
「Flying-V」と名付けられたこのコンセプトは、飛行機のデザインにまったく新しいアプローチを取り入れています。飛行機のエネルギー効率的を良くし、将来的に長距離飛行ができるようになると考えられています。この飛行機は燃料タンク、貨物室、客席を主翼内に統合してた、V型の構造になっています。
この構造の設計は、客席の配置、バスルーム、心地よい旅のためのフライトなどをインターネット設計を用いるという、興味深い経験を技術者に与えることになりそうです。
翼幅は、現在の最新鋭機エアバスA350と同じです。これにより、開発者はゲートや滑走路などの既存のインフラストラクチャを、よりスムーズに使用できるようになります。
設計仕様によれば、Flying VはエアバスA350より小型・軽量ですが、エアバス350と同数の乗客と同量の貨物を運ぶことができます。小型化により空力抵抗は小さくなります。A350に比べて燃料消費量は20%少なくなる見込みです。プロトタイプはこの秋の終わりまでに完成する予定だが、実際のバージョンは2040年までサービスが開始されません。
今日、航空産業は世界の二酸化炭素排出量のほぼ2.5%を占めています。航空産業は急速に拡大しているため、より持続可能な航空機を開発する必要があります。
技術者は、重量のある、非効率的な電気航空機を開発することはできません。現在の技術を考慮すると、完全な電気飛行機を作ることはほぼ不可能であす。そのため大手航空会社は、燃料の燃焼を別の方法で減らすことができるこの種の設計に投資しなければならないのです。