‘金属(メタル)’という用語はギリシャ語の‘metallon’が由来であり、地面から‘抽出する’または採掘するという意味があります。私たちの惑星にはたっぷり金属が含まれています。実際に周期表上の118の元素のうち、95が金属です。
金属と無金属の境界線はかなりあいまいなため、この数字は正確なものではありません:メタロイドには基準の定義がなく、またそのように適切に分類されている元素についての完全な同意は存在しません。
精錬された金属の歴史は、1万1千年前の銅の使用から始まった中、その後起きた生産過程においての複数の開発と前進が産業革命を引き起こしました。
今日、私たちは異なる種類の金属を気付かず使用しています。あなたの配管に使われている固定具からこの記事を読むために使っている器機まで、全てが何かの金属でつくられています。それどころか、金属元素の中には酸素の流れや神経の動きの伝達など、生体機能に必要不可欠なものも存在します。また、中には酸中和物として薬に一般的に使用されているものもあります。
周期表上の全ての金属は、各元素の化学的あるいは物理的性質によって分類されます。以下、異なる種類の金属とその実際の使用例をまとめました。
物理的性質による分類
14.軽金属
例:アルミニウム、チタン、マグネシウム
軽金属は比較的に低密度です。これらの金属を見分ける正式な定義や基準はありませんが、5g/cm3より低い密度の硬い元素は、一般的に軽金属と認識されています。
軽金属治金学は初め、19世紀の半ばに開発されました。ほとんどが自然界で発生する中、溶解塩の電気熱と電気分解からも大量に生産されています。
それらの合金は、その低密度と高い機械的特性から航空機業界で広範囲に亘って使用されています。例えばチタン6AL-4V合金は、航空機で応用される全ての合金の50%を占めています。軸車やコンプレッサーの刃、ナセル、そして油圧装置の部品に使われています。
13.重金属
例:鉄、銅、コバルト、ガリウム、スズ、金、プラチナ
重金属は、比較的高密度(1㎤あたり5ℊ)で高い原子量を持つ分子です。あまり反応的ではなく、軽金属と比べると可溶性硫化物および水酸化物がかなり少量の傾向にあります。
これらの金属は地殻の中ではとても稀ですが、現在の生活では様々な場面で存在しています。ソーラーパネルや携帯電話、自動車、防腐剤またアクセルにまで使用されています。
産業上の活動や汚染の進む土、水そして空気の質により、重金属は多くの場合で環境に混ざっていくことがあり、結果的に動物や植物へ健康被害を引き起こします。自動車の排気ガスや採掘、産業廃棄物、肥料、鉛蓄電池、そして海水に浮くマイクロプラスチックは、この文脈での重金属の最も一般的な原料元です。
12.ホワイトメタル
例:一般的にスズ、鉛、蒼鉛、アンチモン、カドミウム、亜鉛からできている
ホワイトメタルは様々な薄い色の合金であり、オーナメントや銀のカトラリーのベースとして使われています。スズベースや鉛ベースの多くが、ジュエリーや方位磁石、可溶せん、ミニフィギュアに使用されています。
ホワイトメタルの合金は、最終的な製品の必要条件により、決められた量の特定的金属を合わせることで生産されます。例えばジュエリーのベース金属は、形取られ、冷やされ、抽出されて、特徴的な鋭く輝く見た目を加えるため磨き上げられます。
また、多目的用途の重方位磁石や中くらいの大きさの内燃方位磁石、電力機器にも使用されています。
11.ぜい性金属
例:炭素銅、鋳鉄、工具銅の合金
金属は硬い場合ぜい性だと言われていますが、衝撃や振動に耐えることができません。そのような金属に圧力がかかると、劣化したプラスチックのように壊れてしまいます。引っ張り強さが低いため、壊れる際はよくパチンとした音がします。
多くの鉄合金は、その加工方法と構成に基づき低温度でぜい性になります。例えば、銑鉄は硬いのですが高炭素な包容量によりぜい性になります。反対に、陶器やガラスはそのイオン結合により金属と比べてよりぜい性が高いのです。
ガリウム、蒼鉛、クロムそしてベリリウムもまたぜい性です。これらは、高ひずみ速度の荷積みを含む様々な民間用、また軍用器機によく使用されています。酸化による劣化に強い鋳鉄は、機械や配管、そしてツールボックスのケースやシリンダーヘッドのような自動的産業部品に使われています。
10.耐火金属
例:モリブデン、タングステン、レニウム、ニオブ
耐火金属の溶解点は異常に高く(2000℃を超える)経年劣化や変形、腐食に抵抗力があります。熱や電気の伝導力に優れていて高密度です。
もう一つのカギとなる特性が耐熱衝撃性に優れているところで:連続な加熱と冷却を加えても拡大したり割れたりしません。しかし、高熱での高応力の負担がかかると変形してしまいます。
耐火金属の耐久性と硬度のおかげで、それらの金属は穴掘工具や切断工具に適しています。耐火金属の炭化物と合金は、採掘や自動車、航空宇宙科学、化学や核技術などのほとんどの業界で使用されています。
タングステンメタルは特に、ランプのフィラメントに使われています。レニウム合金は、ジャイロスコープや原子炉に活用されています。そしてニオブ合金は、液体ロケットの反動推進エンジンノズルに使用されています。
9.フェラスメタルと非フェラスメタル
フェラスメタル:鋼鉄、銑鉄、鉄の合金
非フェラスメタル:銅、アルミニウム、鉛、亜鉛、銀、金
‘フェラス’という用語はラテン語の‘Ferrum’という言葉が由来であり、‘鉄’を意味します。つまりフェラスメタルには‘鉄微粒子入り’という意味があり、非フェラスメタルは逆に十分な量の鉄が入っていない金属や合金のことを指しています。
フェラス素材には特性を大きく変える広範囲に亘る合金分子があるので、全てのフェラスメタルの特性を一つの傘の下でまとめることはとても困難です。しかし、一般化することは可能で、ほとんどのフェラスメタルは硬く磁気性質だと言えます。
フェラスメタルは大きな重荷で低速度の使用に用いられる中、非フェラスメタルは高速度で重荷の一切ない使用が好まれます。
鋼鉄は最も一般的なフェラスメタルです。その活用の幅や高い勢力、低価格、製作の容易さ、そして広範囲に亘る性質から、全ての金属製資源の約80%を占めています。建設工事や製造工業の業界で幅広く使用されています。実際のところ、鋼鉄の生産での増加は産業世界全体の発達を意味しています。
8.卑金属と貴金属(Noble metal)
卑金属:銅、アルミニウム、スズ、ニッケル、亜鉛
貴金属:ロジウム、水銀、銀、ルテニウム、オスミウム、イリジウム
卑金属は、空気や湿気に晒された際他の金属と比べて腐食し、酸化し、または錆びるのが速い金属の中でも一般的で安価や金属です。それらは自然界に豊富で簡単に採掘できます。
産業上、商業上の用途で幅広く使用され、その功利性と遍在性からグローバル経済にとって非常に貴重な金属なのです。卑金属の中には、他の金属には真似できない特徴的な性質があります。例えば亜鉛は、腐食から守るために鋼鉄を刺激するために使用され、ニッケルはステンレススチールをつくるために使われます。
貴金属は逆に、湿気のある空気中でも酸化や腐食に強い金属です。原子物理学によると、貴金属は電子Dバンドをいっぱいにしました。この厳格な定義によると、銅、銀、金が貴金属と呼ばれています。
それらの用途は装飾や冶金術、高技術です。詳しい使い方はその分子ごとに異なります。貴金属の中には、ロジウムのように化学や自動車の産業に触媒として使われています。
7.貴金属(Precious Metals)
ロジウム:パウダー1g、圧縮シリンダー1g、アルゴン弧の再溶解ペレット1g|画像元:Wikimedia
例:パラジウム、金、プラチナ、銀、ロジウム
貴金属は、中でも稀な金属で高い経済価値を持っています。化学的に言うと、貴金属は他の金属よりあまり反応的ではありません(Noble metalを含めて)。そしてより柔軟性が高く、光沢の多い金属です。
数世紀前、これらの金属は通貨として使われていました。しかし現在は、多くが工業製品や投資物として扱われています。多くの投資家たちが、彼らのポートフォリオを多様化するため、そしてインフレーションに勝つために貴金属(主に金)を購入しています。
銀は、ジュエリー(金の次に)に使う貴金属の中でも2番目の人気を誇ります。しかし、その重要性には美しさを超えるものがあるのです。銀は例外的な高熱伝導性と電動率を持ち、極端に低い接触抵抗力を兼ね備えています。これを理由に、銀は電気製品や電池、抗菌剤に幅広く使用されています。
化学的性質による分類
6.アルカリ金属
例:ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム、フランシウム
アルカリは、その金属水酸化物の基本的な性質のことを指しています。これらの金属が水に反応するとき、強い基盤を構成し簡単に酸を無効にすることができます。
とても反応的なので、アルカリ金属はよく他の物質と合体させられた状態で自然界で発見されます。カーナル石(カリウム/マグネシウム塩化物)そしてカリ岩塩(カリウム塩化物)は例えば、水で溶けることから抽出や浄化が簡単にできます。リチウムフッ化物のような水溶解アルカリもまた、地殻の中に存在しています。
アルカリ金属で最も人気のある使用方法は、最も正確な時間と頻度の基準である原子時計で使われるセシウムとルビジウムの活用です。リチウムはリチウム電池のアノードとして、カリウムの合成物は肥料として、そしてルビジウムイオンは紫の花火に使われています。純粋なナトリウム金属は、とても効果的に光を生産できるナトリウムランプに幅広く使用されています。
5.アルカリ土類金属
例:ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、ラジウム
アルカリ土類金属は、基本的に柔らかく白銀なのが特徴です。低密度で、低い沸点と溶解点を持っています。アルカリ金属と比べると反応性は低いですが、簡単に分子と結合することができます。典型的には、アルカリ土類金属のハロゲン化合物を形成するためにハロゲンと反応します。
全てのアルカリ土類金属は、その放射性を理由にラジウムを例外に地殻で発生します。ラジウムは、その比較的短い半減期(1600年)から地球歴史の初めのころにすでに自然崩壊しました。現代のサンプルは、ウランとトリウムの崩壊系列から採取されています。
アルカリ土類金属には幅広い使用方法が存在します。例えば、ベリリウムは半導体、熱導体、電気絶縁体、そして軍事使用に活用されています。マグネシウムは、特定の特性で素材を生産するために頻繁にスズかアルミニウムと合金化されます。カルシウムはほとんどの場合で還元剤として使用され、バリウムはガスを取り除くために掃除機の管で使用されています。
4.遷移金属
例:チタン、バナジウム、クロム、ニッケル、銀、タングステン、プラチナ、コバルト
ほとんどの分子は、他の分子と結合する際その外殻からの電子を利用します。しかし遷移金属は、その2つの最外殻を使ってその他の分子と結合を行います。それは科学的特徴によって、様々な形で多くの異なる分子で実現されているのです。
これらは元素周期表の中心部分を主に占めており、周期表上の2つの部分を橋掛ける役割を果たしています。より詳しい説明をすると、周期表のうち12を通して3グループで遷移金属は38存在します。遷移金属全ては、柔軟性、順応性、そして熱と電気の伝導体を兼ね備えています。
銅やニッケル、鉄、チタンのような金属の多くは、電気製品で構成として使われています。ほとんどがその他の金属と、その他の金属素地と合金を形成します。金や銀、プラチナを含む遷移金属のいくつかは貴金属(Noble metal)と呼ばれており、反応性が低く、酸を跳ね返す力を持っています。
3.ポスト遷移金属
例:アルミニウム、ガリウム、スズ、鉛、タリウム、インジウム、蒼鉛
元素周期表上のポスト遷移金属は、遷移金属の右側に、そして半金属の左側に位置する分子です。それらの特性により、ポスト遷移金属は‘不十分な’または‘その他の’金属とも呼ばれています。
物理的に、これらは砕けやすいく(柔らかい)遷移金属に比べて低い溶解点と力学的強度を持っています。この金属の結晶構造はとても複雑です:共有結合性や方向的拘束力を見せます。
この家族の異なる金属には異なる用途があります。アルミニウムは例えば、窓枠やキッチン器具、缶、フォイル、自動車の部品を作るために使用されていています。その合金は、はんだやしろめ、そして超電導磁石に使われています。
インジウムは薄型画面やタッチスクリーンに活用され、ガリウムは燃料電池と半導体に使用されています。蒼鉛は、特定の細菌によって起きる胃潰瘍を治すための薬にも使われています。
2.ランタニド
例:ランタン、セリウム、プロメチウム、ガドリニウム、イッテルビウム、ルテチウム
ランタニドは。原子番号57-71の希少土類金属です。1787年スウェーデンのイッテルビーという村で珍しい黒い鉱物(ガドリン石)が見つかった際に初めて発見されました。この鉱物は後に複数のランタニド分子へ分離されました。
ランタニドは、6.1kら9.8 g/cm3の密度を持つ高密度金属であり、とても高い沸点(①200-3500℃)と溶解点(800-1600℃)を持つ傾向にあります。
ランタニド合金は、とても強い還元能力を理由に治金使用に用いられています。約15,000ものランタニドが、触媒として、そしてガラスの生産に使用されています。また、レーザーや光増幅器にも幅広く使用されています。
いくつかの研究では、ランタニドが抗癌剤として活用できると示しています。ランタンとセリウムは特に、癌の増殖を妨げ、細胞毒性を促進することが可能です。
1.アクチニド
例:アクチニウム、ウラン、プルトニウム、フェルミウム、ノーベリウム、ローレンシウム
ランタニドのように、アクチニドは似たような特性で希少土類金属の家族を形成しています。これらは原子番号89-103からの元素周期表上の15の継続的な化学分子のグループのことを言います。
これらは全て本質的に放射性があります。合成的に生産されたプルトニウムと自然界でできたウランとトリウムは、地球上で最も豊富なアクチニドです。最初のアクチニドは、1789年に発見されたウランでした。そして現在存在するアクチニド製品のほとんどが20世紀につくられました。
放射能、自然発火性、毒性、および核臨界の放出などこれらの性質から、扱いはとても危険です。現在、(短い命の)アクチニドの多くが調査目的で粒子加速器によってつくられています。
ガスマントル(トリウム)や煙感知器(アメリシウム)など、中には毎日の生活での用途を見つけたアクチニドもありますが、ほとんどが核兵器をつくるために原子炉で燃料として使用されています。ウラン-235は核使用に用いられる同位体の中でも最も重要な役割を果たし、熱増殖炉で幅広く活用されています。