・IBMは、高解像度の天気予報システムを開発しました。
・これは、現在の天気予報モデルに比べて、3倍も正確です。
・これは、世界の2,500の場所で、最大15時間の予測ができます。
現代の天気予報は、1835年の電子テレグラフの発明と共に始まりました。1世紀以上過ぎてから、大気物理学の理解の進歩は、数値気象予測の基礎につながりました。
私達は、気象観測所や浮標、船、衛星、およびその他のソース等からデータを集めています。また、ひとつのポイントだけで観測するのではなく、現在の天気について、包括的な地域の視点を基にし、天気を予想しています。しかしこれらから得られる結果は、精度と解像度低いものになるでしょう。
平凡な気象計器や、アップデートをあまりしないシステム、気象現象を捉えられない低い解像度によって、精度が十分とはとても言えません。
解決策として、IBMは、3kmの解像度で1時間ごとにアップデートをする、グローバル高解像度大気予報システム(GRAF)を開発しました。このシステムの解像度は、現在のグローバル天気予報システムの3倍です。
私達は長い間、高い解像度の天気モデルを使用してきましたが、それは、国レベルまでの短い期間の天気予報しかできませんでした。今まで、先進国のほんのいくつかのエリアでしか、高い解像度の天気モデルにアクセスできませんでした。IBM GRAFでは、世界中の詳細を、高解像度で知ることができます。
IBM GRAFとは何が違うのですか?
最も人気のふたつのグローバル天気予報システムは、アメリカのGFSモデルとヨーロッパのECMWFモデルです。それは、地球の大気を片側平均13 kmと、9 kmのグリッドボックスに分割します。また、これらのモデルは、大気流量方程式を解いて、個々のグリッドセルの予測をします。
一方でGRAFは、可変解像度グリッドを採用し、関心のある地域で、より高い解像度で構成することができます。グリッドの見た目はハニカムのようで、平均陸域3kmの解像度があります。これは、アメリカやヨーロッパのモデルの3~4倍です。
全球気象モデルとGRAFによって生成されたインドのモンスーン予報 | Credit: IBM
IBMは一流のモデルを作成するため、最先端の技術を使用して世界的なスケールで天気を予想している、米国連邦政府資金による研究開発センターの国立大気研究センターと提携しました。
IBM POWER9ベースのスーパーコンピューターで動くGRAFは、頻繁にアップデートをし、より高い解像度を実現します。また、世界中の2,500万か所で最大15時間、IBM弾性ストーレッジサーバーから天気予報を送信するのに、3.5ペタバイトの容量を使用します。
アプリケーションと可用性
人々がどこに暮らしているかに関係なく、GRAFは、世界中の正確な天気の情報を把握することができます。よって、より良い判断が可能です。例えば、
・農民は、雨がいつ降るのかを知ることができるので、農薬や肥料をいつ使用するのかを判断することができます。
・飛行機が、乱気流を避けた効率の良いルートを選択することができます。
・公益事業会社は嵐に備え、停電修理クルーの配置を効率的に行うことができます。
・災害対策部は、悪い天気に備えたより良い準備と、救援リソースの最大化をすることができます。
他の天気予想モデルと同様に、GRAFは、公共の場で直接使用できるものではありません。天気会社やWunderground、The Weather Channelなどからの情報提供を通して、恩恵を受けることができるのです。