私たちは、穏やかで幸せなものから必死になって何かしているものまで、様々な種類の夢を見ます。誰もが夢を見ます。動物もです。それはなぜでしょうか。また、なぜ私たちは見た夢を忘れてしまうのでしょうか。これからこの疑問を解決していきましょう。
夢についての研究は夢学と呼ばれています。これは見た夢がどんな意味を持つか、夢の解釈についての研究ではなく、夢を見る基本的なメカニズムの研究です。多くの場合、科学者は神経学的研究を利用して調査をします。
長い間、夢は科学的、宗教的、哲学的な関心の対象でしたが、何故夢を見るかのは謎のままです。 ジークムント・フロイトによると、夢は無意識の欲望であり、抑圧された記憶(夢の解釈)に関係しているそうです。 夢に関する最も興味深い事実をまとめてみました。
真実
21.私たちは通常、脳が覚醒状態に近いレム睡眠(急速眼球運動)の段階に夢を見ます。
20.夢はレム睡眠以外の睡眠段階でも発生する可能性がありますが、一般的にレム睡眠の段階の夢ほど記憶に残りません。
19.スタンフォード大学の研究者によると、私たちは、実際に面識のある人のみ夢に見ます。脳は新しい人を作り出すことができますが、その特徴は、すでに見たものに基づいています。
18.ストレスは通常、不眠症や覚醒過多などの睡眠障害に関連しますが、悪夢よりも不安になる夢を多く引き起こす傾向があります。
17. 3〜6歳の子供の約10%〜50%が悪夢を見ます。
16.予知夢を信じますか? 科学的根拠はありませんが、多くの人が夢は未来についてのメッセージだと信じています。
15.平均して、10歳以上の人は少なくとも1晩に3回は夢を見ます。 夢は数秒から30分続くものまであります。
14.視覚障がいのある人も(先天的、後天的問わず)夢を見ますが、夢の中では映像を見ているのでしょうか? ある研究は、そうであると示しています。
13.研究では、動物も夢を見ることが示唆されています。 これらの夢は通常、起きている時間の活動内容に関連しています。
12.不十分な根拠ではあるものの、深夜の食習慣が頻繁に悪夢を見ることに繋がる可能性を示す研究があります。
11.女性は男性よりも恐ろしい夢を見る可能性が高いです。
10.米国、韓国、インドで実施された研究では、大多数の人々が夢は自分の欲望と信念を表していると信じていることがわかりました。
9.夢は問題解決に役立ちます。2010年にボストンにあるイスラエル・ディーコネス・メディカルセンターで実施された研究では、研究者は約100人の参加者に3D迷路をナビゲートするように依頼しました。 しかし、最終セッションの前に、参加者は1時間半の休憩を取るように指示されました。
休憩中に、本を読むよう指示された人もいれば、昼寝をするように言われた人もいました。 興味深いことに、昼寝をした人の中で迷路についての夢を見た人は、その他の人に比べて、パフォーマンスが優れていました。
8.夢を見ると、身体の筋肉が麻痺し、身体を動かすことができなくなります。 レム睡眠中、私たちの体の運動ニューロンは部分的に不活性になります(過分極のため)。 この状態はアトニアとして知られています。
7.大多数の人はカラーの夢を見てると言いますが、そうでないと主張する人もいます。 ダンディー大学で2008年に実施された研究では、子供の頃に白黒テレビを見た人は、白黒の夢を見ることが示唆されました。
興味深いことに、20世紀前半に行われた同様の研究では、50年代以前はほとんどの人が白黒の夢を見ていたことが示されました。 傾向は60年代から劇的に変化し、考えられる理由としては、カラーテレビの人気の高まりが挙げられます。
6.夢には共通のテーマがあります。追いかけられている、試験に失敗している、飛んでいる、転落しているなどの夢を見るのは、あなただけではありません。 夢は主に私たちの個人的な不安や経験に基づいていますが、報告されている共通の夢があります。
2008年、約450人の参加者を対象に実施された研究により、一般的な夢の内容が数多く明らかになりました。 例えば、追いかけられたり、飛んだり、倒れたりする夢です。 さらに、トイレを見つけることができない、試験に失敗するなどの夢も見ます。
5.ネガティブな夢は一般的であり、実際、ポジティブな夢よりもネガティブな夢を多く見ます。 アメリカの心理学者、カルビン・ホールは、すべての年齢層の人の夢50,000以上をまとめました。
彼は、夢は基本的に私たちの思考の視覚的表現であると信じていました。 「夢は無意識の自己概念を反映している」ともです。 ホールの経験的研究では、不安、怒り、放棄、恐怖が夢の中でどのように作用するかを示しています。
4.夢を制御することは可能でしょうか。夢を見るという事実はわかっていましたが、これまで夢の制御は出来ませんでした。しかし、2017年に、アデレード大学のデンホルム・アスピー博士が率いる研究チームが、新しい夢誘導技術を試験しました。 参加者は、夢を見る可能性が17%であったと報告されています。
3.男性と女性で夢の違いがあります。数十年にわたる研究により、夢の内容に関して、性別が考慮すべき重要な要素であることがわかっています。 カルビン・ホールが行った定量的研究もこのことを示唆しています。
男性は車、武器、暴力行為について夢を見る可能性が高いのに対し、女性は衣服や人間関係の夢を見る可能性が高いと報告しています。 平均して、女性は男性よりも頻繁に夢の詳細を思い出す傾向があります。
研究者は、この理由は生物学的または社会的違いである可能性が高いと考えています。 もしくは、2つとも正しい答えである可能性があります。
2.なぜ夢をほとんど思い出せないのか不思議に思ったことはありませんか。学術ジャーナルNeuronで公開された研究に答えがあります。
私たちが眠り込んだ直後に脳のすべての領域が動作を停止するわけではなく、最後に停止する領域の1つは海馬です。 大脳皮質の下にある海馬は、短期記憶を長期記憶に移動させる脳の重要な構成要素です。
海馬が眠りに落ちる最後の1つである場合、目覚める時も1番遅い可能性があります。 したがって、目覚めたとき、海馬はまだ活動していないため、脳はその記憶を長く保持することができません。私たちの脳は、目覚めた後、記憶を開始するためには約2分必要です。
1.夢は人々の行動と判断に影響を与えます。アメリカの心理学会によると、夢は人々の行動に影響を与える可能性があります。 ボストン駅で182人の通勤者を調査した研究をAPAが発表しました。
回答者は、予定されたフライトの前夜に発生する可能のあるアクシデントを想像するように求められました。 その結果、飛行機事故の夢を見ることは、政府の警告や意識的に考えることよりも自分の計画に影響を与える可能性が高いことが判明しました。