・研究者達は異なるナノ粒子組成物を分析するための進化的アルゴリズムを開発しました
・安定したナノ粒子の中には、通常の状態では珍しい化学組成を示すものがありますが、マクロ物質の場合、極端な状態で起こります
ナノ粒子は特に、特性と化学組成において、ガラスとクリスタルのようにマクロ物質とはかなり異なります。ほとんどのナノクラスターは、さまざまな化学的・物理的特性に加えて、ユニークな電子的・幾何学的構造を持っています。
その小さなサイズゆえに、その正確な構造上の特性を実験的に抽出することが非常に困難です。そのため、多くのナノ構造モデルは、理論的な手順を用いて間接的に推測されています。
現在、モスクワ物理技術研究所の研究者たちは、ナノ粒子組成物の種類を調べツ「USPEX」という名前の新しい構造予測アルゴリズムを開発しました。具体的には、触媒反応に必要なナノ構造の2つの種類、セリウム酸素と鉄酸素、を分析します。
魔法のナノ粒子
遷移金属酸化物クラスターの研究のために、チームは「USPEX」アルゴリズム、DFT+U、熱力学を適用しました。まず、彼らは「魔法のナノ粒子」を調査し、与えられた酸素圧力と温度で熱力学的に有利になるそれらの組成物をフィルタリングしました。
その結果、安定性を高める「魔法のナノ粒子」と呼ばれるものは、通常とは異なる化学組成を持つ可能性があることがわかりました。例えば、Ce3O12,、Ce5O6、Fe4O14、 Fe2O6等です。
Ce3O12のような酸素が豊富なナノ粒子は特定の状況下では安定的と考えられていて、最も酸素を含むナノ粒子のように、癌を引き起こす可能性を持っています。
この研究で、研究者達は酸素の温度や部分圧力が変えることによってどのように組成物が変化するかを知るために多くの実験をしました。
彼らは、鉄酸素クラスターでは磁気特性の中にいくつかの変化を発見しました。低酸素クラスター(Fe6O4)は強磁気性で、高酸素クラスター(Fe4O14)は全て反強磁気性という事です。
これは、強磁気性と反強磁気性間の競争は低酸素鉄酸素クラスターの安定性のコントロールにおいて、重要な役割を果たしていることを示しています。激しい酸素圧では、魔法のナノ粒子は過剰な酸素を過酸化物やスーパーオキシド分子として表面に付着させたものです。
何を意味しているか?
単純に、通常の状態において安定したナノ粒子は珍しい科学組成(例:Ce3O12、Si4O18)を示すことがあるということです。一方、クリスタルの場合、これは極端な状態(高気温、高圧)良く起こります。
更に、チームは魔法のナノ粒子が中性子と陽子(魔法のナノ粒子内の鉄と酸素)の2種類の粒子からなるクラスターとも言える原子核と、ほぼ同じ隆起、安定の島、安定の海を持っていることも発見しました。
隆起のトポロジーと安定性の島はナノ粒子の特別な科学変化の実現性を決める重要な基準です。