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火星には「氷」がある! 地表下に、厚さ100メートルも

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本記事は、Mars Has 100 Meters Thick Ice 1-2 Meters Below The Surface In Some Locations
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約2分52秒

・NASA の研究者たちが、火星の薄い表面の下に、非常に厚い氷の層がある 8 つの地域を発見した。
・水の氷が100メートルもの厚さがある場所もあり、火星の気候の歴史についての手がかりになるかもしれない。
・人類は、シャベルとバケツを持ってそこに行けば、必要な水をすべて手に入れることができるだろう。

 

NASAはMRO(マーズ・リコネッサンス・オービター【火星探査機】)を使って、火星表面の下にある厚い氷の層が、侵食された斜面に露出している場所を8カ所発見しました。この8カ所は傾斜が55度と急で、火星の中緯度にある地下氷床の層構造について多くのことを示しています。

 

NASAによると、この氷は大昔に雪として降り積もったものです。そして、この純水の氷は、塵や小さな岩の1〜2メートルの厚さの層に徐々に覆われていきました。このことは、火星の気候の歴史についての手がかりを握っています。これまでの推定よりもはるかに容易に、凍った水を手に入れることができるのかもしれません。

 

オデッセイ【2001年4月に打ち上げられたNASAの周回探査機】は16年、MROは11年という長寿命であることと、これらの火星周回探査機に搭載された多くの機器が連携して活用されたことが、この研究の成功につながりました。

 

科学者は、MROに搭載された地中レーダー装置を使って、これらの場所を特定し、調査します。南半球と北半球の緯度約55度から58度の範囲にあります。

 

地下の氷

現在利用できる技術により、科学者は地下の厚い氷床を直接見ることができます。オデッセイに搭載された分光計、MROの高解像度カメラ(HiRISE)、マーズ・エクスプレス(欧州宇宙機関が打ち上げた火星探査機)の衝突クレーターの観測で地下の氷を発見し、地下に広がる氷の層を急斜面から垣間見ることができるのです。

 

HiRISEから見た急斜面の地下氷の着色処理画像(青)
出典:NASA【米航空宇宙局】

 

2008年、火星探査機フェニックスが北緯68度の地下水の氷を調査しました。NASAの科学者たちは、これらの特定の急斜面がどのように形成されたかを決定していません。しかし、もし火星が大気にさらされれば、氷の昇華により、急斜面はより高く、より広くなるでしょう。

 

埋もれた水の氷の厚さは約100メートルです。MROのCRISM(小型観測撮像スペクトロメータ)がその切れ端をいくつか調べ、明るく光っているのが凍った水にほかならないことを確認しました。

 

以前、科学者たちはMROに搭載したSHARAD【火星表面下を探査するレーダー】を使って火星の中緯度にある広大な地下氷床をマッピングし、凍った水の層の上に約10メートル弱の土の層があると推定しました。しかし、このレーダー技術では、それを正確に測定するのに十分な解像度がなかったのです。

 

北端(上部)の急斜面では、厚い地下氷床が露出している

 

今回の研究により、中性子スペクトロメータや新鮮なクレーターの観測から、地表からわずか1〜2メートルのところで水の氷層が始まっている場所があることが確認されました。

 

埋もれている凍った水の垂直構造は単純に見えます。1メートル程度の浅いところでは塵埃や小岩を含む氷が発生し、深さ数十メートルまで広がっています。氷は石質物質で薄く覆われていることもありますが、これを表面的な時間差を持った広大な氷と正確に区別することはできません。

 

急斜面の色では、浅いところの氷がわからない場合があります。それでも、構造は氷単位全体でつながっています。凍った水までの見かけの深さの変動は、最上部の氷を覆っている岩屑と、氷の含有量の真の不均一性から生じる可能性があります。

 

急斜面の層序【地層のできた順序】は、ユートピア平原やアルカディア平原【いずれも火星に存在する広大な盆地に付けられた名称】のような氷に富む堆積物のある他の地域にも関連する可能性があります。低緯度の構造は、不安定な状態がより頻繁に起こり、安定性が低いため、より複雑であったり、氷を含んだ土壌が厚くなったりすることが推測されます。

 

火星の水を手に入れる

地下の凍った水は、その潜在的な資源としての価値以外に、火星の気候の歴史に関する重要な証拠を含んでいるため、科学的な価値があります。つまり、火星の水が非常に長い期間にわたってどのように変化してきたかを示す物語の一部なのです。どれくらいの水が氷の形になっているのでしょうか? いつ減少するのでしょうか? 残りはどこへ行くのでしょうか?

 

現在の火星の自転軸は、地球の傾いた軸の自転と似ています。中緯度の氷の蓄積は、火星が傾くほど、より多くなります。何百万年もの間に、氷と塵が異なる気候条件のもとで様々な割合で堆積してきたのでしょう。

 

今のところ、火星の地下水は広範囲にわたって薄い層になっています。新しい研究では8つの場所が検出されましたが、人類がシャベルとバケツを持ってそこに行けば、必要な水をすべて手に入れることができるのです。

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