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あまり知られていない月の真実

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本記事は、Moon Facts | All You Need To Know About The Earth’s Moon
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約6分36秒

長年にわたって重要な調査の対象とされてきた月は私たちの地球に最も近い天体です。太陽系誕生の約6000万年後にあたる45億年程前に形成され、地球の周りを回る唯一の自然衛星です。過去50年にわたって、月の形成、地質、構成、地球への影響など多くの調査が行われてきました。これらのことを踏まえ、月に関する興味深い事実を幾つか紹介します。

 

月の基本情報

 

 

赤道半径: 1738.1 km
表面重力: 1.62 m/s2
脱出速度: 2.38 km/s
平均表面温度: -53.15度

 

 

はやわかりデーター

 

1. 月は”ルナ”(ラテン語)や”セレーネ”(ギリシャ語)の愛称でも親しまれています。

 

2. lunaticやlunacy (精神異常を意味する)は月を意味するラテン語ルナ(Luna)から派生しています。古代ギリシャでは満月は弱った人々に狂気を誘発させ、事故や自殺などを引き起こすと広く信じられていました。 これらが誤解であるということも何度も暴かれてきました。

 

 

3. 左上に示した通り、月の自転の周期と地球の周りを公転する周期はシンクロしています。よっていつも同じ面を地球に向けています。右上は月が自転しなくなった場合です。

 

4. 日食の際、太陽はほぼ全体を月に覆われます。これは太陽が月の約400倍の大きさで、距離も約400倍遠いので見かけ上は同じ大きさに見えるからです。

 

5.  とある推定によると、月の表側(地球から見える側)にはおおよそ30万個のクレーターがあるとされています。

 

6. 月に存在する人工物は総計191000kgとされており、墜落や破損した物、故障した惑星探査機などを含みます。

 

7. 2007年から2018年までXプライズ財団が運営、GoogleがスポンサーとなりGoogle Lunar XPRIZEというコンテストが開催されました。コンテストの内容は月面無人探査を着陸させることで、 2000万ドルの賞金がかけられました。

 

 

8. 1959年10月7日、ソビエト連邦の無人月探査機ルナ3号によって、史上初の月の裏側(いつもは地球の反対側を向いている)が 公開されました。

 

9. 初めて月に打ち上げられた人工物は、ソビエト連邦のルナ2号で1959年9月に月の到達しました。

 

 

10. 私たちが観察できるのは月の表面の おおよそ59%

常に月の半球が地球に面していることを考えると、月の半分、50%のみ見ることがでると考えるのが妥当でしょう。しかし、実際には月の秤動(見かけ上、または実際に行う振動運動)により表面の59%を見ることができるのです。

 

 

11. 太陽系で5番目に大きい自然衛星

 

 

太陽系は205の自然衛星を含みますが、そのほとんどが不規則衛星です。水星、金星をのぞく全ての惑星に自然衛星があります。最も半径、質量が大きいのは木製のガニメデです。自然衛星の中で唯一磁場を持っています。その次に大きい衛星は土星のタイタンで、木星のカリスト、イオと続きます。地球の衛星であり、直径2158マイルの月は太陽系の中で5番目に大きい衛星となります。

 

 

12.  太陽系の中で2番目に大きなクレーターを持つ

地質学上目立った特徴は幅2500km、深さ8kmにもおよぶクレーターです。特に、南極エイトケン盆地は月で発見された一番古く、大きなクレーターです。太陽系では火星のユートピア平原に続き2番目に大きいとされています。南極エイトケン盆地は1960年中頃に発見されましたが、クレーターについては1990年代に入るまであまり知られていませんでした。近年科学者たちによって、盆地の中におそらく外部からもたらされた大きな塊が埋められていることが発見されました。

 

 

13. 月はどんどん小さくなっており、月震の原因となっている

ルナー・リコナサンス・オービターのデータによると、過去数百万年で50メートル縮んだとされています。月の縮小は月の内上断層からも明白です。分かりやすく例えると、ぶどうがしぼむことでレーズンになることと似ています。ぶどうが部が冷えたために生じたものだと考えられており、月の表面に現れた衝しぼむとシワができます。

 

衝上断層などの断層は若く月震を引き起こします。水星でも同じような現象が起こっています。研究によると、45億年前から最低でも11km誕生時より縮んだとされています。

 

 

14. 月の海と言われる表面の黒い部分

 

 

 

月の表面に見える黒い部分は玄武岩の集まりで、ラテン語で海を意味するルナマリア(月の海)と呼ばれています。月の玄武岩は地球上のものより鉄を多く含んでおり、あまり反射しないので裸眼だと黒く見えます。月の海のほとんどが表側(地球に面している側)に位置しており、表面の16%近くを覆っています。放射年代測定によると、一番若い月の海で約12億年前に形成され、大半が30億年から35億年前のものとされています。一番大きいものは嵐の大洋で月の西側に位置し、おおよそ 4,000,000 km2 を覆っています。

 

 

15. 月にはかつて地球のような磁場があった

月は地球に比べると非常に弱い外部磁場を持っており、その強度は0.2テスラ以下だとされています。これは月にはダイナモ作用(磁場)が働いていないためです。月で観察される磁場は残留磁場と呼ばれているものです。しかし、研究によると40億年程前には地球と同じくらいの磁場があったというのです。10億年前にはほとんどの磁場を失ってしまったことは明らかです。その際に中心部が冷やされ結晶化したのです。

 

 

16. かつて月には大気が存在した

かつて月には大気が存在していました。2017年、月惑星研究所とマーシャル宇宙飛行センターの研究者たちは、おおよそ30~40億年前に現在の火星の2倍ほどの厚さの大気が月を覆っていたと発表しました。当時は火山活動が活発で、それによりガスが発生し大気となっていました。その大気は宇宙に消えるまで7000万年持つとされています。調査はアポロ計画で採取されたデータをもとに行われました。

 

 

17. 太陽系で一番寒い場所

準惑星の冥王星の表面は -240度で、太陽系で一番寒い場所だとみなされてきました。しかし、LRO’s DIVINER  (月の表面温度変化を計測できる赤外線放射温度計)から採取されたデータによると、2009年に研究者たちによって月の北極にあるクレーター、エルミートは夜間になると-274 度まで下がることが発見されました。付近のクレーターにも同じ温度の変化が見られたとのことです。

 

 

18. 地球から少しづつ離れている

月が形成された当初、地球との距離は約22500kmでした。45億年前から現在に渡って距離は 平均して384,400 kmに広がりました。地球から少しずつ離れているのは明白で、毎年4cmずつ離れて行っているとも言われています。現在ではそれほど重要視されていませんが、長い目で見ると月と地球の関係に影響が出てくるでしょう。

 

 

19. 1972年以降、有人月飛行計画は行われていなかったが…..

 

 

1969年から1972年にかけて、NASAによりアポロ計画が実施され計6回の有人月面着陸を成功させました。未だ、月面着陸を成功させたのはアメリカ合衆国のみです。最後の月面着陸はアポロ17号で様々な面において記憶を塗り替えました。17号の搭乗員であったユージン・サーナンとハリソン・シュミレットは3日以上月にとどまりました。

 

当時、最も長く月を歩き、最も長く月周回軌道に滞在し、最も多くサンプルを持ち帰りました。アポロ17号計画以降、40年以降月面着陸は実行、計画されていません。しかし、2019年5月にアルテミス計画のもと2024年までに有人宇宙飛行を実施すると発表しました。

 

 

20. アメリカ空軍は月で核爆弾を爆発させることを計画したことがある

1958年にプロジェクトA119という、月の表面で核爆弾を爆発させることがアメリカ空軍によって計画されました。1950年代後半ソビエト連邦は宇宙開発競争において早期の成功を収めていました。アメリカ軍は宇宙技術への強さを見せつけることが国民のモラル向上に大きく影響を与えることができると信じていました。

 

他にも、ソビエト連邦が月に水素爆弾投下を計画しているという噂があったことも背景にあります。しかし、A119計画は特に成果をあげないまま中止になりました。国民からの反対を恐れたことや核による事故で地球に影響が及ぶ可能性があったからです。この極秘計画は2000年に初めてプロジェクトA119を先導していたNASAの元幹部によって明らかにされました。

 

 

月探査のタイムライン

 

 1959年: ルナ2号は1959年9月13日、初めて月の表面に到達した人口の宇宙船です。その1ヶ月後である10月6日にルナ3号が世界で初めて月の裏側の様子の撮影を成功させました。どちらも、ソビエト連邦のルナ計画の一環として行われました。

 

1966年:  1966年2月3日、初めて月への軟着陸を成功させたのは無人月探査機のルナ9号でした。その後3月初旬、ルナ10号が史上初、月の周期軌道に乗ることに成功しました。

 

 

NASAとアメリカは1966年6月まで月の探査において大きな成果を上げていませんでした。サーベイヤー1号が月面軟着に成功しました。その後、8月にルナ・オービター1号がアメリカで初めて、世界で2番目に軌道に入った人口衛星になりました。

 

1969年: 1969年7月20日、アポロ月着陸船のイーグル号はアメリカ人船員のニール・アームストロングとバズ・オルドリンの2人を乗せ月への着陸に成功しました。 これは世界初の有人月面着陸計画でした。アポロ11号の成功はソビエト連邦とアメリカの宇宙開発競争においての事実上の終わりを意味しました。

 

 

アポロ11号に続き、アポロ計画における6番目の飛行にあたる12号が計画されました。2年前に月に着陸したサーベイヤー3号のロボット探査機の部品を持ち帰るというミッションがありました。これは、他の天体に着陸した機器を再度見に行くという今までにない例でした。

 

1970年: ソビエト連邦の宇宙開発はルナ16号、17号で素晴らしい偉業を成し遂げました。1970年9月に無人月探査機が月面からサンプルを採取し持ち帰ることに成功しました。持ち帰ったサンプルは少量でもアメリカドルで$855,000で取引されました。

 

1970年11月10日、ルノホート1号は世界で初めて月に送られた無人ローバーでした。自由に動き回る車輪付きの船舶で、ルナ17号によって月まで運ばれました。

 

アポロ計画は1972年にアポロ17号の計画の完了とともに終了しました。その後、さまざまな重要な月に関する計画が実行されてきました。そのなかでも特に重要な計画は、1994~95年のクレメンタイン、2004年のSMART-1 (ESA) 、2009年のルナー・リコネサンス・オービターでした。

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