・研究者達は、唾液を使ってストレスホルモンを測定するテクニックを発明しました。
・方法はシンプルでお金もかかりませんが、検査室で精密な血液検査をすることには置き換えられません。
アロスタティックストレスは、健康にとってとても危険です。それは、人の免疫システムを永久的に変えます。慢性、または急性ストレスの露呈は、広大で有害な生理学的結果を招く可能性があります。
ストレスが長引くことは、高血糖、うつ病、体重の増減、心胸疾患、神経学的崩壊などの悪い影響に繋がる可能性があります。ストレスにおいて主要な役割を果たす重要なバイオマーカーには、脳由来神経栄養因子、ニューロペプチド、エピネフリン、セロトニン、ノルエピネフリン、およびコルチゾールが含まれます。
近年、シンシナティ大学の研究チームは、唾液、尿、血液、汗などの体液といったバイオメーカーから、テスト及び測定をするテクニックを開発しました。これらのテクニックは、家で健康を測定するためのシンプルな装置に、組み込むことができます。
実験室を基にしたバイオメーカー評価は、十分に発達しており、濃度の正確な測定結果を出力します。しかしながら、このプロセスに関与する計装は、複雑で、お金と時間がかかります。システムの働きには、研究スペースと専門知識が必要です。
一方でストレスバイオメーカーを感知する新しい方法は、すぐ使え、シンプルで、お金のかからない計装です。これは、患者に直接使えますが、研究室でのテストに比べ、正確な結果は出力しません。
彼らは、これをどうしましたか?
この新しい方法は、唾液、尿、血液、または汗の滴からストレスホルモンを測るために、紫外線(UV)ライトを使用します。これらの液体が持つストレスバイオメーカーの量は異なっています。
参考:ACS Sensors| DOI:10.1021/acssensors.9b00301 | University of Cincinnati
タンパク質定量に使用する紫外分光法は、早くて便利なプロセスです。追加の液体に対してラベルの追加は必要ありません。また、サンプルで直接行うことができます。プロセスは、吸光度と濃度の間で線形関係を出力します。
人の生体液は、タンパク質、アミノ酸、脂質、その他の分子の多重鎖を含みます。UV吸光度は、タンパク質の分子構成によって決まります。
この研究で、ストレスバイオメーカーで実行した紫外線吸収分光法は、190ナノメーターから400ナノメーターの範囲の、一次および二次吸収ピークを持っていることが分かりました。これらの特徴的な吸収ピークの波長は、サンプルのバイオメーカーの存在で識別されます。ノーストレスのサンプルでは、特徴的なピークはありません。
使用時点の実装のために、研究者は、UV透明親水性基板上に光学マイクロ流体センサーを作製しました。それから彼らは、それをフォトダイオード検出器と小型UV LEDと統合し、信号の電子的読み出しを作りました。
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もちろんこの方法は、検査室での精密な血液検査には置き換えられません。しかしこの方法で、状態が大きく変わったかあまり変わっていないかを、すぐに知ることができます。その上、オプトエレクトロニクス部品のさらなる改良によって、装置はより正確な結果を提供してくれるでしょう。