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太陽エネルギーをもっとコスパ良く利用できないか?次世代「太陽電池」をより安全で軽く、10倍安くするための新材料の開発

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本記事は、Next-Generation Solar Cells Will Be Safer, Lighter and 10 Times Cheaper
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約2分11秒

・太陽電池を無害で安価なものにする新しい材料を開発。
・この新材料は、銅、セレン、チタンの原子を独自の結晶構造に結合させたものである。

 

太陽電池はしばしば光電池【光起電性の電池】と呼ばれ、扱いにくいうえに高価な燃料源を必要とする機器に電力を供給する、信頼性が高く経済的な方法です。イギリスは、グリーンエネルギー【太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどから作られるエネルギー】、特に二酸化炭素排出量の削減に貢献できる太陽電池に強く注目しています。

 

材料科学が進歩したことにより、過去数十年の間に、太陽電池は大きく発展しました。世界中の研究者が、コストや毒性を追加することなく効率を高める新しい方法を見つけるために、絶えず多くの努力を払っています。

 

最近、ミシガン大学工学部の研究チームが、次世代太陽電池を無害で高効率にし、既存のものより約10倍安価にできる新材料を開発しました。

 

既存の太陽電池の何が問題なのか?

従来の結晶シリコン太陽電池は、最大開放電圧が0.6ボルトしかなく、すべての家庭の最適要件を満たすには十分ではありません。さらに、かさばりすぎ、製造と設置に大量のエネルギーを要します。

 

現在、シリコンに代わるものとしてガリウムヒ素が使われています。ガリウムヒ素の大きな吸収係数と、化学的置換によってバンドギャップ【半導体・絶縁体において、バンド構造における伝導帯と禁制帯の間の領域】を構成できる能力が相まって、太陽電池の効率は最大40%に達します。また、ガリウムヒ素系太陽電池はシリコン系太陽電池に比べてかさばらず、薄いという利点もあります。

 

しかしながら、ひとつ大きな問題があります。ガリウムは非常に希少な物質で、金よりも希少なのです。地球の地殻には、将来必要となるすべての太陽電池を製造するのに十分な量のガリウムは含まれていません。さらに、ヒ素は本質的に有毒です。多くの環境問題を引き起こし、癌や皮膚の変化、その他の健康問題を引き起こす可能性があります。

 

新しい材料

 

 

研究チームは、銅、セレン、チタンの原子をユニークな結晶構造に結合させた新しい材料を開発しました。光を効率的に吸収することができ、何よりもこれらの元素は無毒で、ガリウムヒ素よりもはるかに安価です。

 

基本的には、研究チームは各元素の原子を取り出し、格子状に並べました。このプロジェクトは、銅原子2個、インジウム原子2個、セレン原子4個を使用する既存の材料に基づいて構築されました。

 

ただし、インジウムはかなり高価で有毒です。また、8個の原子を持つ分子は、結晶構造に大きな隙間ができ、欠陥の原因となります。そこで、インジウム原子をチタン原子1個と銅原子2個で置き換えました。こうしてできた格子は隙間が小さくなり、欠陥も少なくなったのです。

 

ガリウムヒ素の薄いシートを作るには、分子線エピタキシーと呼ばれる高価なプロセスが必要です。一方、この新材料は、粉末とパルスレーザー堆積法と呼ばれる安価な技術で加工できます。これにより、製造コストが大幅に削減されます。

 

ガリウムヒ素に比べて、この新材料はより薄いシート状にすることができるため、完成品はさらに軽くなり、設置も容易になります。すべての要素を考慮して、研究チームは、最終製品はガリウムヒ素太陽電池の約10倍安くなると見積もっています。

 

次のステップは?

まずは、分子の電子配置を太陽エネルギー利用に適したものに変えることです。実用的なプロトタイプを発表するには3年以上かかるでしょう。

 

研究チームは、この技術によって、自動車、衣服といった日常の物や、建物、さらには通信衛星に、目立たない軽量太陽電池を簡単に取り付けることができるようになって、太陽エネルギーがその潜在能力を発揮できるようになると考えています。

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