「知能」を定義するのは大変難しいことですし、そもそも「知能」という言葉を定義する正確な言葉さえ存在しないと言えます。それでも、長年にわたって、論理力、理解力、自己認識力、創造力、問題解決力など、様々な方法で定義されてきました。
その一方で、知能指数(IQ)というものがありますが、これは人間の知能を測定するための多くの標準化されたテストのひとつから得られた結果またはスコアに過ぎません。人間の知能に対する関心は何千年も前からありましたが、アルフレッド・ビネ【フランスの心理学者】により、20世紀になってから最初のIQテストが考案されました。個人の知能が一連のテストによって測定されるため、この方法は多くの人々から非難されてきました。
古生物学者のスティーヴン・J・グールドは、その著書『The Mismeasure of Man』【人間の測りまちがい】の中で、IQテストを一般論として批判し、科学的人種差別のために利用されていると述べています。
つまり、IQは人間の知能を測定するためのパラメータに過ぎず、役に立つこともあれば、そうでないこともある、ということです。この記事では、IQスコアに基づいて、地球上に存在する最も聡明で賢い人々を集めてみました。
13. シャロン・ストーン
IQスコア:145
1992年、エロティックなスリラー映画『氷の微笑』のキャサリン・トラメル役で初めて脚光を浴びた米国の女優です。ゴールデングローブ賞主演女優賞受賞、アカデミー賞主演女優賞ノミネートなど、その演技力に疑いの余地はありません。
元エミー賞受賞者でもあるシャロン・ストーンは、IQ154であると言われています。彼女はもともと学業優秀な生徒でした。ペンシルベニア州のセイガータウン高校を卒業後、同州のエディンボロ大学に入学しました。
在学中にペンシルベニア州ミス・クロフォード郡のタイトルを獲得し、ミス・ペンシルベニア候補にもなりました。長年、ストーンは自分がメンサ【高IQ団体】のメンバーであると主張してきたものの、2002年4月には、自分がこの国際協会の実際のメンバーであったことはないと認めました。
12. ポール・アレン
画像引用元:CNN
IQスコア:160
ポール・アレンは、ビル・ゲイツと共にマイクロソフト社の成功を支えた人物であり、意外でもありませんがIQが平均以上の160であると言われています。アレンは1953年1月21日、ワシントン州シアトルで生まれました。1975年、親友のビル・ゲイツと一緒に、いつか自分たちの会社を持ちたいという夢を実現するためにニューメキシコ州アルバカーキに移住しました。マイクロソフトという社名を最初に考えたのはアレンです。彼は世界各国から数々の名誉学位を授与されています。
11. スティーヴン・ホーキング
IQスコア:160
21世紀の最も偉大なの科学者の一人であるホーキングのIQは測定されたことがないため、その正確なIQを推定することはなかなか困難です。彼の数ある科学的業績の中でも、1988年に出版された『A Brief History of Time』【邦題:ホーキング、宇宙を語る : ビッグバンからブラックホールまで】は、理論物理学の分野における彼の閃きの発見を描いた本として知られています。ホーキングの理論物理学の分野での貢献は、この分野に革命をもたらしただけでなく、人類の知識の総和を大きく前進させました。
10. アルベルト・アインシュタイン
IQスコア:160~190
専門家や神経科学者は、アインシュタインの総IQが160~190の間にあると推定しています。ただし、この数値も単なる推定に過ぎません。アルベルト・アインシュタインは1879年にドイツで生まれました。1905年、特殊相対性理論と一般相対性理論により、科学界の常識を覆しました。
彼の理論は、空間と時間など、ほとんどすべての科学的理解を塗り替えたのです。また、間接的に、また、無意識的に核分裂の開発に参加し、その試みは後に原子爆弾という形で兵器化され、彼は後悔することになりました。1955年、腹部大動脈瘤のため亡くなりました。
9. ユディット・ポルガー
IQスコア:170
チェスは地球上で最も古いゲームのひとつであり、古くから知的能力と関連していますが、まさにその通りです。一般に、チェスのトッププレイヤーは、その知能指数を測定することが多いため、ランク付けするのは難しくありません。この記事の読者の中には、史上最高の女性チェスプレイヤーと称されるユディット・ポルガーについて既にご存知の方々も多いことでしょう。
15歳4カ月でグランドマスターになったのは、当時、最年少記録でした。ポルガーはチェス界における女性のパイオニアであり、世界中の女性チェスプレイヤーにインスピレーションを与えています。また、元世界No.1のガルリ・カスパロフを対戦で破った最初の女性プレイヤーでもあります。
8. ガルリ・カスパロフ
画像引用元:Daily Stormer
IQスコア: 190
ガルリ・カスパロフは1963年4月13日に、アゼルバイジャン共和国バクー市で生まれました。このロシアのチェスのグランドマスターは、元チェス世界チャンピオンであり、作家でもあり、多くの人から間違いなく史上最高のチェスのチャンピオンであると考えてられています。
1986年から2005年の引退まで、カスパロフはそのキャリアのほとんどで世界ランキング1位を獲得しました(228ヶ月のうち225ヶ月)。1997年には、標準的な時間管理のもとで行われた高度な対コンピュータ(IBM Deep Blue)戦で、史上初めて負けた世界チャンピオンとなりました。現在は、人権財団の理事を務めています。
7. フィリップ・エミーグワリ
IQスコア:190
フィリップ・エミーグワリはナイジェリア生まれのコンピュータ科学者で、石油貯留層のモデリング計算に使用した価格効率の良い高性能コンピューティングアプリケーションにより、1989年にゴードン・ベル賞を受賞しています。ナイジェリアとビアフラ共和国の内戦が続いていたため、13歳で学校の中退を余儀なくされましたが、それでも独学で高等学校卒業の資格を取得しました。
ロンドン大学の通信教育課程を修了後、米国に移住し、1977年にオレゴン州立大学で数学の学士号を取得し、その後、様々な大学で数学と環境・海洋工学の修士号を取得しました。
ビル・クリントン元米国大統領は、エミーグワリの功績について、機会を与えられればナイジェリア人も達成できることの一例であると演説しました。
6. クリストファー・マイケル・ランガン
IQスコア:190
彼は多くの人から「米国で最も賢い男」と称され、「世界で最も賢い男」と評価するジャーナリストもいます。彼は、普通の人のように子供時代を過ごしたわけではありません。サンフランシスコで生まれた彼は、生後わずか6カ月で言葉を話し始め、4歳で読書能力を身につけたのでした。
ランガンは高校時代の最後の数年間を独学で過ごし、「高度な数学、物理学、哲学、ラテン語、ギリシャ語」をひとりで勉強しました。モンタナ大学では、「教授に教えられることより、自分が教えることの方が多い」と考え、退学しました。近年は、心と現実の関係について「認知理論的宇宙モデル」と呼ぶ理論を構築しています。
5. マリリン・ヴォス・サヴァント
IQスコア:190
マリリン・ヴォス・サヴァントは、米国生まれの作家、コラムニストで、ギネスブックに記録された最高のIQを持つことで知られています。1986年にギネスブックに登録された後、『パレード』誌は彼女のプロフィールのほか、読者からのQ&Aコーナーを掲載しました。
その後も同誌に質問が寄せられ、「Ask Marilyn」【マリリンに聞いてみよう】が誕生しました。当初は雑誌の読者から寄せられた論理的、数学的、語彙的なパズルを解くなど、アカデミックなテーマの質問に答えることが、「Ask Marilyn」の中心でした。彼女は、スタンフォード・ビネー・テストとメガ・テストという2つの知能テストにおける自身の成績を引き合いに出しました。
4. キム・ウンヨン
IQスコア:210
1963年、韓国生まれのキム・ウンヨンは、生後6カ月で言葉を話し始め、3歳の誕生日には英語、ドイツ語、韓国語、日本語など数カ国語を読みこなしていたという天才児として知られています。コロラド州立大学へ留学し、その後、アメリカ航空宇宙局(NASA)に10年以上勤務しましたが、1978年には、韓国に帰国して、土木工学の分野で働くことになりました。2007年現在、忠北大学校の非常勤講師を務めています。
3. クリストファー・ヒラタ
画像引用元:Flickr
IQスコア:225
クリストファー・ヒラタは1996年に13歳で国際物理オリンピックに出場し、米国人としては最年少で金メダルを獲得した天才少年です。2014年にカリフォルニア工科大学に入学し、22歳でプリンストン大学から博士号を取得しました。この間、NASAで火星植民地化の可能性を探るプロジェクトにも携わっています。現在はカリフォルニア工科大学で宇宙物理学を教えています。
2. テレンス・タオ
IQスコア:225~230
テレンス “テリー” タオはオーストラリアのアデレードで生まれ、9歳になる前に、家族で米国に移住しました。ジョンズ・ホプキンス大学の「Study of Exceptional Talent【卓越した才能の研究】プログラム」の歴史の中で、9歳の時にSAT数学で700点以上を獲得したのは2人しかいません。タオのスコアは760点でした。最近では、2006年に名誉あるフィールズ・メダルを受賞し、2014年には数学のブレイクスルー賞を受賞しています。現在は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で教鞭をとっています。
1. ウィリアム・ジェイムズ・サイディズ
IQスコア:250~300
ウィリアム・ジェイムズ・サイディズは、卓越した数学的能力を持ち、多くの言語を使いこなす神童の典型的な例です。11歳という早い時期に、数学を学ぶためにハーバード大学に入学し、最年少でその成果をあげました。その後の人生は、社会主義的な思想から法的なトラブルに見舞われ、反政府のパレードに参加して逮捕されたこともありました。
1921年に釈放されると、この天才問題児は数学と学問から完全に足を洗い、比較的普通の生活を送るようになり、脳出血のため46歳の若さでこの世を去りました。彼のIQが最も高いと言われているものの、それを証明するような記録は存在していません。