●研究者たちは、地球の表面から145~240km下に1,000兆トンのダイアモンドが眠っている可能性があると推定
●クラトンの根には、かんらん岩と少量のエクロジャイトとともに、1~2%のダイアモンドを含んでいる
新しい研究によると、地球の表面の奥深くにはダイアモンドの膨大な貯蔵所があるかもしれません。
しかし、これまでにどんな鉱山機械でも届くことができなかったはるか奥深くに隠されているため、ダイアモンドラッシュは期待できません。
このダイアモンドは「クラトン」として知られる大陸構造プレートの中心下に分散している可能性があります。これらのクラトンは、地球のマントルに320kmも深く入ります。その最も深い部分は「根」と呼ばれ、上下逆さまの山脈のような形状をしています。
研究者たちは、クラトンの根に1~2%のダイアモンドが含まれている可能性があると推定しました。これは、地球の表面から145~240km下に散々する約1,000兆トンのダイアモンドに相当し、往来の想定よりも1,000倍以上多いものです。
どのように推定したのか?
アメリカ地質調査所(USGS)のような多くの科学機関は、地震活動の世界的な記録を分析して保存しています。地震活動は、地球を伝播する音波を測定することにより、さまざまな地理的位置での地震のメカニズム、発生、マグニチュードを示します。
地震装置は、地震、爆発、津波、および地面を揺さぶる原因となるその他の音源から、さまざまな強度と速度で音波を集めます。
この地震データを使用して、研究者たちは地球の内部構造の仮想モデルを作成します。音波の速度は一定ではなく、媒体の密度と温度に依存します。この場合、媒体はさまざまな組成の岩石(地球の表面の下)です。
研究チームは、岩石の組成と地震波速度の関係を注意深く調査し、地殻と上部マントルを含む地球の外側の部分であるリソスフェアを構成する岩石の種類を特定しました。
彼らは、クラトン根部を通過するときに音波が著しく加速することを発見しました。クラトンは近くのマントルよりも密度が低く、低温のため、非常に速い音波が発生します。しかし研究者たちが観察したものは速すぎるものでした。これは、かつて検出されたことのない異なる種を示すものでした。
実際に何を発見したのか?
研究チームは、鉱物のさまざまな組み合わせからなる多数の仮想の岩石を作成しました。音波がそれぞれの岩石を通過する速度を測定し、USGSレコードで測定された音速と一致する種類の岩石を見つけました。
かんらん岩(主にオリビンと輝石からなる暗色の火成岩)と少量のエクロジャイト(オンファス輝石と輝石に富むガーネットからなる変成岩)とともに、1~2%のダイアモンドで構成されます。
これはダイアモンドのごく一部で、クラトンの全体的な密度を変えることはできません。しかし、これはいろいろな意味で特別です。ダイアモンド中の音波は、最も一般的で主要な岩石の鉱物の一つであるかんらん岩中の2倍の速さで通過します。
ある意味で、クラトンの根にあるダイアモンドは理にかなっています。ダイアモンドは、地球の深部で極度の温度と圧力のある条件下で形成され、火山噴火によって週百万年にかけて地表近くに到達します。
マグマに加えて、ダイアモンドはキンバーライト(火成岩)の形で地球の表面に現れます。これらのキンバーライトは、クラトンの境界、つまり南アフリカ、シベリア、カナダ、オーストラリアの特定の地域で発見されています。
クラトンの根に含まれるエクロジャイトの割合に関する研究チームの推定値は、キンバーライトガーネットから得られた推定値よりも大きくなっています。(ただし大幅には異なるわけではありません。)さらに、提案されたダイアモンドの割合は次のようになります。
・各かんらん岩中のダイアモンド密度
・BSE(Bulk Silicate Earth)とマントル中の炭素量を推計
・この炭素がクラトンの根に埋もれていた可能性のある地質学的タイムスケール
研究者たちは、すべての状況的証拠を共同で持っていると主張し、複数の可能性を経験しこの合理的な結論に達したとしています。