「ホラー映画」という言葉は、1931年に公開された映画「ドラキュラ」で初めて使われました。それ以来、ホラーやスリラーをテーマにした映画が数多く作られるようになりました。
ほとんどの映画は架空のものですが、最も成功した映画の中には、実際の事故に触発されたものもあります。真実はフィクションよりも危険なことがありますが、ここでリストアップされた映画では、真実はフィクションよりも恐ろしいのです。実際の事件を基にした映画を観ることは、すべてのホラー映画ファンにとって最高の体験です。
この記事では、実際の物語を基にした最も怖いホラー映画を紹介します。そのストーリーと、実際の事件との密接な関連性に基づいてランク付けしてあります。
なお、タイトル後の『 』内に邦題を付け加えました。
10. Open Water 『オープン・ウォーター』
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映画のストーリー:『オープン・ウォーター』は2003年に公開された、クリス・ケンティス監督によるホラー映画です。この映画のストーリーは、ダニエル・キントナーとスーザン・ワトキンスが、スキューバダイビングを楽しむ休暇に出かけることを決めたことに基づいています。
二人はダイビングのグループからはぐれ、海に取り残されてしまいます。空腹と無力感に苛まれながら、その厳しい状況と戦い、最後にはサメに襲われて死んでしまいます。
実話:実際のストーリーは、アメリカ人のトムとアイリーンのロナーガン夫妻のことです。彼らは1998年1月25日、オーストラリア北東海岸の珊瑚海でスキューバダイバーのグループとはぐれ、孤立してしまいました。その後、二人は発見されず、海中で死亡したと推定され、死因は不明です。
9. The Amityville Horror 『悪魔の棲む家』
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映画のストーリー:『悪魔の棲む家』は、1979年に公開されたアメリカの超自然的ホラー映画で、実際の事件をモチーフにしています。映画では、新しい土地に引っ越してきたラッツ一家が主人公となっています。その家の中で、彼らは多くの奇妙な超常現象を経験します。1977年に出版された同名の小説が原作で、2005年にはリメイク版も制作されました。
実話:1974年11月13日、ロナルド・デフェオ・ジュニアは、アミティビルのオーシャン・アベニュー112番地で、家族6人を射殺しました。13ヶ月後、その家を購入したラッツ一家が引っ越してきました。1ヶ月が経ち、彼らは家の中で何か奇妙な感じがして、「この家には悪霊がいる」と言って家を出て行ってしまいます。
8. Psycho 『サイコ』
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映画のストーリー:『サイコ』は、アルフレッド・ヒッチコックが監督し、1960年8月8日に公開されたホラー・スリラー映画です。この映画は1959年の同名の小説に基づいています。
映画のストーリーは、死んだ母親が客を殺そうとしていると思い込んでいる、情緒不安定気味のホテルのオーナー、ノーマン・ベイツについてです。マリオン・クレーンは4万ドルを盗み、誤ってベイツ・ホテルにチェックインしてしまうのですが、それが彼女の最大の誤りとなりました。
実話:『サイコ』は、殺人犯であり、死体泥棒でもあるエド・ゲインという人物をモデルにしています。彼の家からは盗掘した人間の死体の皮膚や骨のコレクションが発見されました。エド・ゲインは数人を殺して終身刑となり、精神病院に収容されていました。
7. Primeval 『カニング・キラー 殺戮の沼』
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映画のストーリー:『カニング・キラー 殺戮の沼』は、2007年1月12日に公開されたホラー映画です。この映画の舞台はブルンジ共和国で、人類学者が水の中に引きずり込まれました。ある記者が、淡水のワニであるギュスターヴの話に興味を持ちます。ブルンジにやって来た一行は、そのワニによって容赦なく全員が殺されました。
実話:この作品は、人食いで知られるナイル川の雄ワニを題材にしています。このワニは、川のほとりで300人以上の人間を殺したと言われています。体長は約25フィート【7.62メートル】、体重は1トン以上あると推定されています。最後に目撃されたのは2008年2月、ナショナルジオグラフィック誌のチームによるものでした。
6. The Blob 『マックィーンの絶対の危機(ピンチ)』または『マックィーンの人喰いアメーバの恐怖』
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映画のストーリー:『マックィーンの絶対の危機(ピンチ)』は1958年に公開されたアメリカのホラー・スリラー映画です。宇宙から隕石に乗ってやってきた大きな原形質【細胞の微細構造が知られていなかった時代に作られた言葉で、細胞の中にある「生きている」と考えられていた物質】が、小さなコミュニティを脅かす様子を描いています。
最後には空軍の貨物機がブロブ【上記の原形質】を北極に移送し、映画は不完全なままで終了します。
実話:この映画は、1950年に実際に起きた事件を基にしています。ある警察官が畑に不時着した紫色の塊で足を滑らせます。それは巨大で粘り気のあるゼリー玉のように見えました。警察官たちがそれを確認しに行くと、それは跡形もなく溶けてしまいました。荒唐無稽なストーリーですが、映画は批評家から好評を得ました。
5. The Exorcist 『エクソシスト』
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映画のストーリー:『エクソシスト』は、1973年に公開されたウィリアム・フリードキン監督によるアメリカの超自然的ホラー映画です。原作は同名の小説で、12歳の少女が異常な力で奇妙な行動を始めたことがベースになっています。医師は彼女を診断できず、治療として悪魔祓いを受けることを勧めます。最も恐ろしい映画の一つであるため、世界の多くの国で上映禁止となりました。
実話:この映画は、ロナルド・ドウ(1936年生まれ)の1949年のエクソシズム【悪魔祓い】事件に基づいています。ロナルドの叔母の死後、彼の家族は、異音がしたり、物が勝手に動いたりするなど、目に見えない力が存在しているような奇妙な出来事を経験します。
彼はウイジャ・ボード【降霊術や心霊術を模した娯楽用の文字盤】を使って叔母と会話しようとし、家族はこれらの出来事が亡くなった叔母のせいで起こっていると信じていました。神父チームによるエクソシズムが行われ、ロナルドは完全に回復しました。
4. Wolf Creek 『ウルフクリーク/猟奇殺人谷』
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映画のストーリー:『ウルフクリーク/猟奇殺人谷』は、2005年に公開されたグレッグ・マクレーン監督によるオーストラリアのホラー映画です。物語は、連続殺人犯に奴隷にされて殺された3人の旅行者を中心に展開します。映画は、殺人鬼が銃を携えて夕日に向かって歩いているシーンで終わります。
実話:2001年7月14日に起こった事件が実話です。ピーター・ファルコニオとパートナーのジョアン・リーズは、整備士のブラッドリー・ジョン・マードックに奴隷のように扱われました。マードックはピーターを殺害しましたが、逮捕された際には武器も遺体も発見されませんでした。
長い裁判の末、2005年12月に有罪判決が下されました。本作品は、7人以上の被害者を殺害し、7年連続で終身刑、18年間仮釈放なしの刑に処せられたイヴァン・ミラトにも着想を得ています。
3. The Exorcism of Emily Rose 『エミリー・ローズ』
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映画のストーリー:『エミリー・ローズ』は、2005年9月9日に公開されたスコット・デリクソン監督のホラー・ドラマ映画です。この映画では、過失致死の罪に問われたリチャード・ムーア神父を弁護士が擁護しています。悪魔祓いが失敗し、エミリー・ローズという精神障害に苦しむ少女が死亡したのです。
実話:この映画は、ドイツ人のアンネリーゼ・ミシェルという少女がモチーフになっています。彼女は16歳の時、うつ病と悪魔憑きの症状を示し、精神病院で治療を受けていました。1976年、2人の神父が彼女に悪魔祓いを施し、1976年7月1日、脱水症状と肺炎のため死亡しました。両親と神父は有罪となり、6ヶ月間の禁固刑に処されました。
2. Texas Chainsaw Massacre 『悪魔のいけにえ』
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映画のストーリー:『悪魔のいけにえ』【原題の直訳は「テキサスチェーンソー大虐殺」】は、1974年にトビー・フーパーが監督・製作したホラー・スリラー映画で、映画史上最も怖いホラー映画のひとつとして知られています。この映画では、5人のティーンエイジャーが、祖父の墓を見るためにテキサスの田舎をドライブしています。そこで彼らが出会ったのは、革の顔をした男とその人食い家族でした。
実話:この映画も、エド・ゲインという人物に基づいています。実際のエド・ゲインは、映画にあるように人間の皮を被っていましたが、この映画のようにチェーンソーを使って殺害することはありませんでした。
エド・ゲインをモデルにした映画には、他に『羊たちの沈黙』、『Deranged【ディレンジド】』、『Jame Gumb【ジェイム・ガム、架空の人物で連続誘拐殺人犯】』、テレビシリーズの『アメリカン・ホラー・ストーリー』などがあります。
1. Child’s Play 『チャイルド・プレイ』
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映画のストーリー:このホラー映画『チャイルド・プレイ』シリーズに登場するキャラクターはチャールズ・リー・レイで、最も悪名高いゴースト・キャラクターの一つとなっています。この作品では、多くの人を殺した連続殺人犯チャッキー【チャールズ・リー・レイのあだ名】が、自分の魂を他の体に移そうとし続ける様子が描かれています。
実話:この映画は、「人形のロバート」の実話をもとに描かれています。この人形は悪魔に取り憑かれていると信じられており、評判は良くありません。この人形の持ち主であるロバート・ユージン・オットーは黒魔術に関わっていました。
彼が人形に話しかけると人形が返事をするのを彼の家族が聞いています。近所の人たちは、人形が窓から出てくるのを見たと言っています。ユージンの死後、人形は10歳の少女に所有されていましたが、後に少女は「この人形は自分を殺そうとしている」と主張しました。この人形が博物館に移されると、悪魔的な出来事が増えたと言われています。