・暴力的なビデオゲームをプレイすることで個人の知覚的処理に変化を与えるかもしれません
・少なくとも1週間に5時間ビデオゲームをプレイする人は、しない人より感情的にネガティブなコンテンツに対して感受性がかなり低くなります
近年、ビデオゲームは身近なものになりました。ここ数年、暴力的な内容のゲームが多くの人気を集めており、ゲームをプレイする個人の行動や特性に疑問が巻き起こっています。従来の研究者達は、暴力的なビデオゲーム、攻勢、社会的行動、道徳的な領域での脱感作間の結びつきに焦点を当てていました。
常に暴力的なビデオゲームをプレイする人とそうでない人の間に違いはあるのでしょうか。
その答えを探すため、ニュー・サウス・ウェールズ大学の研究者達は実験を行いました。そして、暴力的なビデオゲームを頻繁にプレーすると知覚的処理に変化を与えるかもしれないと発見しました。少なくとも1週間に5時間暴力的なゲームをプレイする人は、不快な画像に対する免疫がプレイしない人より高いのです。
感情誘発盲
この研究は、感情誘発盲(EIB)と呼ばれる現象を説明しています。感情的な刺激は時空間的に隣接した他の物体の知覚を抑制し、競合します。簡単に言うと、EIBは個人の感情が世界の知覚を変えた時に発生します。
研究者達はゲームをプレイする人としない人両方を実験しました。彼らは、画像を次々とを見せられ、画像を識別するように要求されました。それぞれ参加者は、1画像0.1秒の速さで17の画像見せられました。
風景画像が含まれています。これらの写真のうちターゲット画像は、右が左に90度回転していました。画像を見ているときに、ターゲット画像がどちらに回転していたかを識別するように要求されました。
画像の流れの中に、ターゲット画像の0.2から0.4秒前に気を逸らすための画像を表示します。その画像には、不安にさせるものや、感情的にネガティブなもの(暴行や不潔なトイレなど)や、中性的なものも含まれています。
結果
暴力的ゲームのプレイヤーは不快な画像の影響力が低いことがわかりました。彼らはゲームをプレイしない人に比べ、高確率でターゲット画像を正しく見分けることができました。
この研究によって、様々な暴力的ゲームやメディア消費している人々は、世界が異なって見えていることがわかりました。もちろん、彼らが知覚する情報の環境やシナリオに依存はします。
これらの実験は、必ずしも参加者のゲームプレイ履歴のみによって起こったわけではありません。暴力的ゲームとEBIの関係性の確かな証拠にはなりません。しかし、暴力的なコンテンツを見ることがどれくらい個人の視覚に変化をもたらすのかという研究の重要な部分です。
この研究は、長時間暴力的ゲームをプレイすることは、不快な画像への敏感さを減らすことに関係性があるとしています。それゆえに、プレイヤーは感情的な画像に気を散らされることなく周りのものと正確に区別することができます。
研究者達は、他の人々も同じように不快なコンテンツに晒されるのかどうかを知るため、緊急応答時のEBIの有病率を分析しようと計画しています。