・研究者は、毎秒10ギガビットで読み取りと書き込みの両方の操作を実行する光ランダムアクセスメモリを製造しています。
・この高い処理能力光メモリユニットは、プロセッサとRAMのパフォーマンスのギャップ拡大を解消することになります。
光ランダムアクセスメモリ(o-RAM)は、電子回路での機能を光に置き換えるという点で最も難しい挑戦の1つとして考えられてきました。
ハードウェアでは、データはレーザー光を使って読み書きされ、演算は光ルーティングと処理によって実行されます。 これが小型のキャッシュメモリに取って代わることになり、(RAMと連動して)キャッシュメモリシステムが光学相互接続のプロセッサ – メモリアーキテクチャと完全に互換性があるということになります。
これまでに開発された光学式RAMは、5 GHzの速度いき値を超えることはできませんでした。 これにより、実社会での用途は制限され、電子機器に対しての優位性が保てなかったのです。
最近、テッサロニキのアリストテレス大学の研究チームは、毎秒10ギガビットで読み取りと書き込みの両方の操作を実行するo-RAMを実証しました。これは、従来の最先端のo-RAMデモの2倍の速度になります。
長年の「メモリウォール」問題
「メモリウォール」は、プロセッサとプロセッサ外部のメモリとの性能のの差の拡大を意味しています。 30年以上にわたり、プロセッサの速度は年間52%の速度で向上してきましたが、メモリの速度は7%しか向上していません。
この傾向は、RAMとプロセッサのパフォーマンスの間にギャップを生み出します。そしてCPUは低速メモリからデータを受信するのを「待機」し、他のプロセスをキュー(待ち行列)に入れて、さらにタスクを遅延させてしまいます。
こうして、メモリの待ち時間は、コンピュータのパフォーマンスにおいて圧倒的なボトルネックになっていました。
新しく発見された超高速o-RAMは、この長年にわたる電子RAMアクセスのボトルネックを解決することができます。 RAMセルには、半導体光増幅器 – マッハ – ツェンダー干渉計アクセスゲートと、結合スイッチを備えたモノリシックInPフリップフロップが組み込まれています。
参考文献:オプティクスレター| DOI:10.1364 / OL.44.001821 |エリンズ
調査チームは、それぞれ0.4 dBおよび6.2 dBの電力で、読み取りと書き込みの両方の操作で10ギガビット/秒の速度を達成することができました。これはこれまでに報告されている中で最も速い光ランダムアクセスメモリセル機能となります。
画像クレジット:Research Media / YouTube
このテクノロジは、高速のリモートデータ処理が必要なビッグデータやクラウドインフラストラクチャで非常に役立つ可能性があります。しかし、(今のところ)経済的に実行可能ではなく、大量消費には時期尚早といえそうです。
チームは、性能をさらに向上させるため異なる波長の光が使用可能なメモリセルを備えた大容量o-RAMを構築することを計画しています。