私はこれまで、ユーザーエクスペリエンスの設計に真摯に向き合い、記事を執筆してきました。そして、読者のみなさまの多くが、貴重なスキマ時間を記事の閲覧に費やしてくれているのだと知りました。これは私のキャリアにおいて、ふつつかながら大変喜ばしい発見でした。
私がこれまで書いた記事のほとんどは、自分の一時フォルダーにずっと残っています。結論から申し上げますと、私の最後の記事から、この事実に気付かれた方もいらっしゃるでしょう。
話が逸れてすみません、私の悪い癖が出てしまいましたね。
ところであなたは、私の秘密を守っていただけますか?デスクトップを立ち上げるたびに1000以上の通知が入ってくるのって、すごく恐ろしいことなんです。テーマに対して私が言及すべきことを予見した多くの方々からの電話を阻止するという、水面下の格闘を続けなければならなかったのです。記事の閲覧数が3,000になると、自信が付きます。閲覧数が100,000になれば、覚醒したような気持ちになるのです。
自分のアイデアを整理して実際に執筆する内容を選定する際、デザイナーとしての自分をどのように紹介しようかとよく考えます。自分の記事と、実際に自分がデザインした様々なウェブサイトとが、悲しいほど食い違っているのです。UXプロセスの発展に関して、厚かましくも私が100,000以上の閲覧数を獲得する記事を書くとすれば(そのような記事はまだ執筆中ですが)、最低でも自分の専門性に一致し、リーダーシップを示すような内容にする必要があります。
高い閲覧数を獲得するために、あるいは、読者のみなさんの熱望にお答えして、私は自分のアイデアを共有するべきなのでしょう。ではこれから、そんなアイデアについてご説明します。
私たちのキャリアがまだ発展途上であるのと同様に、クリエイティブ哲学も発展途上といえます。皆、分かりやすさを追求すべきなのですが、自身の哲学をより分かりやすく表現できる方もいらっしゃいます。UXについて株主へ伝えるとき、就職活動で面接を受けるとき、経験の少ないデザイナーのメンターになったとき、そしてプレゼンしたり自分の仕事を守ったりするために、私たちは自身のクリエイティブ哲学について説明します。
仕事が上手くいけば大いに楽しみながら取り組めますし、上手くいかなければ悩み苦しむのです。経験を積むにつれ、デザインを有意義なものにする立場になり、高いデザイン料を受け取ることができるのです。
これからご紹介するのは、私がUX哲学を構築するために最近行ったちょっとした作業で、身近な内容を簡単な形式で表現しているため、読者の皆様にも大変分かりやすくなっているはずです。
この記事が、皆さんがより説明上手になるための一助となれば幸いです。
「UXはプロセスである。」―イアン・アームストロング
「プロフェッショナルのようにルールを学ぶことで初めてルールを壊すことができる。そう、アーティストのように。」―パブロ・ピカソ(引用)
「誰でも皆、反抗的な一面を持っている。」―アダム・J・カーツ
名言を頭に入れて、私のUXプロセス論について説明を始めましょう。
1.賢く動く
UXというものは滝壺の奥深くに沈んでいる概念のようなものなので、元来、本質を見抜くのが難しいのです。第一印象を与える機会はたった一度しかありませんから、デザイン設計の前に、ユーザーについて知り得ることはすべて調査しておきましょう。一見したところでは、Lean UXの考え方全体が思考の不調和の最たるものと言えそうです。
賢く動くために必要な2つのポイントがあります。それは、ディレクションの才能と仮説を押し通す力です。どちらかが欠けると、スムーズに動くことができなくなります。調査のゴールは提案する仮説の精度を高めることですが、難解すぎる調査からは、製作チームにどのようなものを作りたいのか伝えることができません。デザインという仕事はこのようなクリエイティブな飛躍によって成り、このことが私に次のヒントを与えてくれたのです。
2.同時並行デザインの訓練を行う
同時並行デザインという言葉は、短距離走を走るようにデザインすること(意識するもの)とLean UX(反復するもの)の心臓の鼓動を表す、私の造語です。デザインという短距離走では、与えられた機会の中で手順を計画し、製品の試験的な作り直しを行い、青天井のターゲットを目指して提案することになります。ターゲットが何か確認できれば、Lean UXが時間の経過と共に細部の肉付けをしてくれます。この方法論の基になったアイデアは、私の” The Evolution of UX Process”という記事の後半で行ったことと同じです。デザイナーが製品のオーナーに、「製品に関する筋書きを私が書けるのなら、すでにデザイン作業が終わっているはずです」と言っているのを聞いたことがあるのなら、私が方針を変更したくなる気持ちも分かっていただけるはずです。
3.ペアデザインを支持している
従来のUXデザイナーの仕事は、根気強く仮説の試行と再構築を行い、細部に着目して動けるメンバーからなる製作チームが今後の見通しを立てるため、援助を行うことです。一般的なビジュアルデザイナーは、マネージャーがよく口にする”ピクセルパーフェクト”の完成を目標としています。確かにそれは重要なのですが、見通しと完成度を両立させるのは不可能なのです。なぜなら私たちの支配的な願望は、いつも反省すべき点を同じものとして捉えてしまうのですから。こうした理由から、私は調査者兼ワイヤーフレーム製作者(IxD)を、デジタルデザイナー(VizD)と平行させるべきだと考えています。フレッシュクリエイティブはこの方法を採用することで、2人のデザイナーが1つの案件においてそれぞれに与えられた役目を果たさなくとも、最大効果を得るためのサイクル数が少なくなり、効率の低下がみられなくなりました。異議がある方は、まず半年間のABテストを実施してみてください。
4.過剰ともいえる価値の追求を信じる
デザインプロジェクトを開始するにあたり、知っておくべき5つのポイントがあります。それは、①市場における機会、②その機会をものにするためのビジネス上の到達点、③自分たちが成功を判断できるようなユーザーの反応、④ユーザーの生態、⑤ユーザーの求める価値です。価値はユーザーの選択に深く関わるものです。この手法について、似たような方法はたくさんありますが、これは”私ならではの理論”です。価値の追求と提供は、ビジネスの成功という結果を導くために必要不可欠なものなのです。
5.整列は私たちの発射台
整列なくして評論や適正化を語ることはできません。製品をより良いものにするため、前提として、5つの重要な考え方を基に整列を考えなければなりません。それが、機会、ゴール、ふるまい、ペルソナ、求められる価値です。整列がなければ、個々の製品に対するユーザーの判断は、矛盾と意味のない妥協に基づいてなされることになります。
6.プロセスは乗り物
順調なプロセスを踏めば、何が完成するのか、次は何をすればよいか、将来的にどうしたいのか、自分たちの製品がどう評価されるのか、といったものを理解しやすくなります。クリエイティビティというものは本質的に混沌としており、デザイナーはネガティブな仕事場で自問を繰り返して自らを追い込んでしまうものです。製作チームの製作プロセスには、混沌としたクリエイティビティに対処するための十分な余裕が必要ですが、同時に、躓いたりクリエイティビティの森に迷い込んだりすることのないよう、きちんと方法論が確立されているべきなのです。
7.洞察力は燃料
クリエイティビティは空白を嫌悪します。デザインは確かに善意のディレクション(と、非民主的な方法)によって行われる作業ですが、製品のオーナーはエンジニアがデザインの仮説について説明することを歓迎しているように思われます。その中に間違った考え方はなく、意見をそれぞれ異なった面から説明しているだけです。デザイン主導の組織はクリエイティブな文化を育てなければならないので、製作チームのメンバーのアイデアが自分たちの方向性と矛盾してしまった場合に対処するため、デザイナーは感情的な盾となるべきなのです。そのような空気において、最善のフィードバックも単なるあら捜しとなってしまい、今後に活かせる内容ではなくなってしまうことが多いです。こうした環境下でよく耳にする、「分かりました、ではこのやり方ではどうでしょうか?」という問いもこのことをよく表しています。不安、恐れ、自意識というのは見識の敵。サプライズは発明の原動力です。そういうわけで私は日々、サプライズを探しているのです。
この記事を出稿する際、私は、サンフランシスコにあるDellのテクノロジーデジタルマーケティングスタジオでメインUXデザイナーをしていました。私がHTMLを学んだのは1997年、そして初めてウェブ広告を製作したのは1999年でした。プロのデザイナーや実力のある企業家の皆様においては、LinkedInかTwitterにて私にご連絡頂くことも可能です。