コードを書く前の段階でも、ウェブサイトのアクセシビリティを向上させることができます。ワイヤフレーミングやプロトタイピングの段階からアクセシビリティを念頭に入れておけば、完成したデザインは多くの人に使いやすいものに仕上がるでしょう。
今回は、高いアクセシビリティを実現するために配慮すべき3つの要素について解説します。
UI/UXを整える
UIやUXを改善させれば、おのずとアクセシビリティも高まります。レイアウトを整え、コンテンツを簡潔なものにすれば、スクリーンリーダーを使うユーザにやさしいデザインになります。
他にも次の点を改善するといいでしょう。
・ヘッダーやページ構造は綿密に計画しましょう。マウス、キーボード、タッチスクリーンのどれを使っても使いやすいように仕上げてください。
・焦点を作り、ユーザがページのどこに注目すべきかが分かるようにしましょう。
・ホワイトスペースを活用し、本文がどこにあるかを明確に示しましょう。
・重要なアクションはページ上部または下部に設置しましょう。実際のサイトでは、こうした方が見つけやすくなります。
・難解な言葉づかいは避けましょう。
タイポグラフィー
フォントの選択だけで、サイトが見やすくも、見にくくもなります。読み書きにハンデを抱える人、その言語を後から学んだ人、文字が見えにくい人などにも配慮しなければなりません。
読みやすいタイポグラフィーを実現するには、次のことに気をつけてください。
・アクセシビリティに配慮されているフォントを選択しましょう。
・サイトで使うフォントは増やしすぎず、代替フォントも指定しておきましょう。
・フォントサイズは十分大きなものにしましょう。14px以上にすると読みやすくなります。サイズの指定を相対値にしておけば、リサイズしてもうまく表示されます。
色とコントラスト
色とコントラストはデザインの心臓部です。ブランドの認知は色に大きく依存しているという研究結果があります。また別の研究では、製品の第一印象の90%は色だけで決まるとも言われています。デザインの際には、すべての人に同じ色が見えている訳ではない、ということを知らなければなりません。
次のポイントに気をつけましょう。
・スペクトラムの反対側にある色を使いましょう。できれば赤と緑、青と黄色の組み合わせは避けましょう。
・明るい影には注意しましょう。視力が弱めの人には見えにくくなります。
・情報の伝達に色だけを使ってはいけません。リンクには下線を引くなど、他の手段も合わせて使いましょう。
・背景色は単色にしましょう。ごちゃごちゃした背景の上で文字を読むのは疲れます。
・テストツールで色の見え方を確認しましょう。
凝ったデザインを作っても、使いにくければ誰にも見てもらえません。アクセシビリティに配慮すれば、それだけ見てくれる人も増えるでしょう。今回紹介したポイントを参考に、改善に取り組んでみてください。
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※本記事はDesigning for All: 5 Ways to Make Your Next Website Design More Accessibleを翻訳・再構成したものです。