Webデザインで最も重要なのは、Webサイトをいかに簡単にナビゲートできるかということと、ユーザをいかにメインアクションに上手く誘導できるかということです。
前者はユーザエクスペリエンス(UX)、後者がコンバージョンレート最適化(CRO)を指します。
面白いことにこの2つは共通点が多いのですが、調査のためのアプローチの仕方や方法は大きく異なります。
では、両者の具体的な違いは何なのでしょうか?
本記事では、両者の違いとそれがサイトデザインを考える上でどのように機能するかをご紹介します。
UXとCROの違い
UXはサイトを使いやすくすることでアクションを取りやすくするのが目的なのに対し、CROはユーザにビジネスに結びつくようなアクションを積極的に・頻繁にとってもらえるよう誘導するのが目的です。
もっと具体的に言うと、CROはWebサイトを訪れた人たちを如何に消費者に変えていくかが問われます。
コンバージョンを追跡する方法としてはGoogle Analyticsなどが一般的で、Optimizely、Visual Website Optimizer、Convert.comなど、様々なバージョンのページを比較したい場合のツールも豊富です。
一方UXはWebサイトがどれくらい使いやすいものなのか、項目ごとに決められた指標に基づいて、ユーザビリティとして評価されます。
こちらはUserTesting.com、Try My UI、UserBob、UserBrain.net、Userlyticsなどのオンラインツールを活用して評価することができます。
活用法
このように、UXとCROではWebサイトの評価方法は異なるものの、互いに補完し合う関係にあります。
・ユーザビリティ:サイトの使いやすさを評価するため、第三者に試してもらう(ユーザテスティング)
・CRO:ページの異なるバージョンを用意して、何がユーザのアクションに結びついているのかを観察する
オンラインのWebサイトをより効果的なものにしたい場合は、どちらもとても興味深い評価方法になるかと思います。
こうした手法は基本的な調査やテスティングが求められるため、その内容を他のプロジェクトにも応用することが可能ですし、より良いデザインを主観的な好みではなく客観的な指標からも評価できるようになります。
最終的にはユーザテスティングとCROの両方を分析できるのが理想的ですが、何から始めれば良いのか分からない方もいらっしゃるかと思います。
1ヶ月で閲覧数が10,000以下の場合は少ない被験者で結果を見ることができるユーザテスティングを、閲覧数が10,000以上でコンバージョンを増やしたい場合はCROから取り掛かるのがおすすめです。
いずれも上手に使えばWebサイトが油をさした機械のようにスムーズに機能してくれるようになりますよ。
※本記事は、The Difference Between User Experience and Conversion Rate Optimizationを翻訳・再構成したものです。