ウェブには想像できないほど大量の情報が溢れています。情報はきちんと構造化されていないと意味を成しません。しかし構造化は放っておけば勝手に発生するものではなく、デザイナーや開発者が意識して手を加える必要があります。そうした研究を情報アーキテクチャと呼び、情報が溢れる現代のウェブでは非常に重要になっています。
今回はデザイナーの方々向けに、情報アーキテクチャの基礎を紹介します。
情報アーキテクチャとは何か
情報アーキテクチャ(IA)はウェブサイト、モバイルアプリ、ソーシャルメディアの情報を管理し構造化するための科学です。
IAはユーザーが情報を簡単に理解し活用できるようにするためにコンテンツを管理することを目的としています。構造はコンテンツの内容により異なりますが、多くの場合ユーザーの満足を最大の目標とし、彼らのニーズを考慮した構造を作ることになります。
デザインにおけるIAの役割
最近はユーザー重視のデザインを作るのがトレンドになっており、デザイナーたちがIAの基礎について学ぶことが増えています。IAはどんなプロジェクトにおいても骨組みの形成に活かすことができます。ビジュアルや機能、ユーザーとの対話、ナビゲーションなどはどれもIAの法則に従う形で実装されています。魅力的なコンテンツと美しいデザインがあっても、IAなしでは成功することはできなくなっているのです。
整理されていないコンテンツはナビゲーションを難しくし、ユーザーはすぐに迷ってしまいます。そうすれば彼らがあなたの製品を使ってくれることは二度とないでしょう。
IAとUXデザイン
ここまで読んだあなたは、こんな疑問をお持ちかもしれません。
「IAはUXデザインと同じことではないのか?」という疑問です。これらの2つは互いに関係しあっていますが、中身は大きく異なります。IAはデザイン構造の基礎であり、プロジェクトのワイヤーフレームやサイトマップとして形に現れます。UXデザイナーはこれを基本の素材としてナビゲーションを検討するのに利用することができるのです。
一方UXデザインはコンテンツ構造以上のものを意味します。UXデザイナーはユーザーが快適に製品を使用することを目的としています。ユーザーの振る舞いや体験に関するあらゆるものを含んでいるのです。
優れたIAは効率的なUXの基礎となるため、IAスキルはデザイナーにとっても必須となりつつあります。効果的なIAとデザインが一体となる時に、快適なUXが生まれるのです。
※本記事は、Information Architecture. Basics for Designers.を翻訳・再構成したものです。