コンピューターがただマウスやキーボードの入力に反応する時代は終わり、近年では音声やタッチなどさまざまなインターフェースが登場しています。画面を表示するディスプレイも解像度や画質が高まっています。こうした多様な環境に柔軟に対応するため、またエンゲージメントを向上させるため、ウェブ開発ではアダプティブデザインを導入することになるでしょう。
アダプティブなUIとは?
ウェブページをデバイスに反応して変えるだけではなく、ユーザーごとに変えようというのがアダプティブデザインです。ウェブ開発であれば、コンポーネントの対応状況やデバイスの仕様、性能、接続環境、トレンドなどの要素を利用できます。究極の目標は、ウェブを一人ひとり異なるものに個人化することです。
エンゲージメントを高める
実はデジタルサイネージ業界では、視線追跡技術とユーザーデータを既に利用し始めています。カメラと顔認識を使用し、振る舞いの特徴データと合わせることで個人化された情報を届けることができるのです。これはウェブとは関係ありませんが、広告業界が個人の体験をターゲットとして進み始めたことを示すいい例でしょう。
AIで進歩する
近い将来、ウェブでのマーケティングも同じような形になるでしょう。
マーケターはアダプティブUIとデータをベースにしたデザインを背景に、ユーザーの体験をコントロールしようと試みています。そのためにはユーザーの趣向に合わせて設定を動的に変更する必要がありますが、AIを利用すればユーザーからの情報をもとに趣向を学び、それを設定に反映させることが可能です。最終的には、ユーザーは好みに合った高品質なコンテンツが自然に流れてくることを期待し、サービス側はユーザーの期待通りのものを提供できるようになるでしょう。
まもなく、サイトごとに幅広いカスタマイズが可能なUIが登場するでしょう。ユーザー一人ひとりを夢中にさせ、エンゲージメントを高める方向にマーケティングは動いていきます。一貫性のあるアダプティブUIの実現にはユーザーの入力や行動から学ぶ必要がありますが、この分野ではAIが活躍してくれます。ユーザーを今よりも満足させるという新しいチャレンジと機会を、ウェブ開発の世界にもたらすのがアダプティブデザインなのです。
※本記事は、Understanding the Potential of Adaptive User Interfacesを翻訳・再構成したものです。